
珍種・並木の巻
日本に生まれ、日本に住んでいる私たちの誰もが桜を愛好する。春が来ると、野に山に、庭に路傍に、神殿のほとりに、寺院の一隅に、桜の花が開く。春になっても桜が咲かなかったら、私たちの心は、どしなに淋しいであろうか。私たち一人々々の生活の中に、そして心の中に、桜は知らぬ間に、ある位置を占めているのである。
私は生まれてから今日までの五十余年間の大半を京都で暮らしてきた。京都には数多<の桜の名所がある。京都に住む私は、他の多くの日本人より余計に,桜の恩恵を受けてきたのである。ところが私は桜については、よく知らなかった。どれだけ違った種類の桜があるのか、どのようにして、各地の桜が育成されてきたのか、ほとんど何も知らなかった。これだけ恩恵を受けている桜の保存保護についても、ほとんど関心を持っていなかった。…私たちは桜を日本の象徴とし、誇りとしている。しかし桜はそれを愛護し、育成する人なくしては、その美しさを十分発揮することはできないのである。
【湯川秀樹:昭和36年佐野藤右衛門著「桜」出版に寄せてから】
写真が多いので時間がかかりますが、慌てず騒がずのんびりと
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