令和5年度「飯田型キャリア教育」の推進について
地育力で私と地域の未来をひらく「飯田型キャリア教育」
「地育力」を活用した「飯田型キャリア教育」
飯田市の教育では、「飯田の資源を活かして、飯田の価値と独自性に自信と誇りをもつ人を育む力」を「地育力」と定義し、教育ビジョン「地育力による 未来をひらく 心豊かなひとづくり」を目標にしています。
豊かな自然環境に囲まれた南信州の中心都市「飯田」には、旧村単位に存在する公民館の様々な学習活動をはじめ、飯田を代表する祭典「いいだ人形劇フェスタ」や「霜月まつり」、またこの地域の基幹産業である農林業・商工業など、飯田特有の多種多様な地域資源が存在しています。
この地域資源をふんだんに活用し、地域のよさや未来を考えたり、自分の将来や夢や希望に向けて、学ぶ目的や働く意味を考えたりしながら、自分の生き方を探すための教育を推進していきます。そして、産官学が連携し、子どもたちに関わる大人も地域も磨き続けていきたいと思います。
「飯田型キャリア教育」のねらいとめざす姿
先行きを見通しにくく、変化が激しいこれからの時代において、地球規模で課題をとらえて物事を考えられるような広い視野と、生まれ育った地域に誇りと愛着を育むことが大切だと考えています。「地育力」を活用したふるさと学習や体験的な学びを軸とした「飯田型キャリア教育」を幼児期から高等教育期まで、発達段階に応じて切れ目なく推進していきます。
「飯田型キャリア教育」では
自らの生き方を主体的に切りひらき、人とつながりあっていくための力を育み、ふるさとを心根に、未来の地域の担い手や地域を支える人(ふるさとのよさに気づき、自ら関わろうとする態度をもつ人)づくりをめざします。
「飯田型キャリア教育」で育みたい4つの力
人とつながる力(結いの力)
自己表現力、コミュニケーション能力、リーダーシップ、チームワーク、規範意識など
自分を見つめ夢や希望を描く力(みつめる力)
自己の役割分担、前向きに考える力、忍耐力、主体性など
課題をもって最後までやり抜く力(うごく力)
情報収集・課題発見力、計画力、実行力、評価・改善など
職業や仕事について興味や関心をもつ力(みとおす力)
学ぶこと・働くことの意義や役割、多様性の理解など
※令和3年度より、文科省が例示する基礎的・汎用的能力にあわせて、「ふるさとのよさに気づき自らかかわる力」は4つの力を支えるものであり、めざす姿とするように整理しました。
キャリア教育は、学校・家庭・地域の連携プレーから
すべての「学校」でキャリア教育
保育園・幼稚園・認定こども園、小学校、中学校、高等学校、大学・短大・専門学校の発達段階に応じて、地育力(地域のひと・もの・こと)を活用したふるさと学習などの体験学習や、特別活動などすべての教育活動を通して、学んだ内容が実社会でどのように役立ち、どのように社会に貢献していくのかを考えたり、自分はどのように生きていくのかを考えたりしていきます。
児童生徒が、小学校から高等学校までキャリア教育に関わる諸活動について、自らの学習状況やキャリア形成を見通したり振り返ったりしながら、自身の変容や成長を自己評価できるように、キャリア・パスポートの導入が始まりました。飯田市では、中学校区ごとに自由度のある形式を保障しつつ、「飯田型キャリア教育」のねらいや育む力、小中一貫キャリア教育の指導計画など、平成18年度から積み重ねてきた「飯田型キャリア教育」の特徴が反映される「共通ページ」を提案し、令和3年度よりすべての小中学校での活用をお願いしています。
「家庭」におけるキャリア教育
家庭は子どもの成長を支える最も重要な場です。教育委員会では、平成20年度から親子のふれあいのために「わが家の結いタイム」を提唱しています。「あいさつ」「会話」「お手伝い」「読書」の身近な4つの取組は、子どもたちに育みたいキャリア教育の能力や態度に大きく関わります。
あいさつ
あいさつは、人と人とのよりよい関係をつくるための第一歩です。「おはよう」「いただきます」「ありがとう」「ごめんなさい」など、家族の中で自分からあいさつする習慣をつけましょう。
会話
メールや携帯・スマホばかりではなく、お互いの顔を見ながら心と心、言葉と言葉で会話をしましょう。ちょっとした会話で親子のふれあいのひと時を楽しみましょう。人とコミュニケーションする楽しさにつながります。
お手伝い
お手伝いのやり方を親から子に伝える時間は、そのまま家族のふれあいの時間になります。「ありがとう」という感謝の気持ちを伝えることも大切です。仕事を通じて、家族の一員としての自覚が生まれ、自己有用感や責任感を育みます。
読書
家族で同じ本を読んだり、本を紹介し合ったり、料理の本を読んで一緒に作ったりしてみましょう。読書は世の中を知り、間接的に様々な人生を体験することができます。
「地域」におけるキャリア教育
地域の行事やボランティア活動などに参加して、たくさんの大人と接することで社会の仕組みを知ることができます。
特にボランティア活動は、他の人や社会のために役立つ喜びが実感できます。市内の多くの児童・生徒・学生が積極的にボランティア活動に参加しています。地域の一員として行事や活動に参加・参画することが大切です。
キャリア教育推進事業
飯田市キャリア教育推進協議会(年2回開催)
キャリア教育の推進に関する基本的な方針の策定
キャリア教育の推進に関する評価および検証
飯田市キャリア教育研究委員会(年3回開催)
キャリア教育の充実に向けて、実践の共有、事例収集
キャリア教育における園・小・中・高・大の連携について など
「結いジュニアリーダー」育成講座(年7回開催)
中学2年生の代表者により、中学校間のつながりを深める
SDGsを学んだり、学校や地域の課題に対してできることを形にする実践力を培う
職場・福祉体験学習のコーディネート
中学校における職場・福祉体験が円滑に行われることを目的に学校と企業・事業所をつなぐコーディネートを行う(平成19年度より)
職場・福祉体験実務担当者会(年2回開催)
コロナ禍では実施できない学校が多かったが、令和5年度は4年ぶりに全中学校で実施予定
飯田市キャリア教育推進フォーラム
「飯田型キャリア教育」の実践発表、評価の場として開催
令和4年度からは形を変えて、幼児期から高等教育期までの実践発表とパネルディスカッションを行う
高等学校との連携
市内高等学校長との懇談会、高校地域が連携した研究会の開催
地域人教育、就労促進に関する事業、学輪IIDA・高大連携 など
園小連携推進委員会
発達や学びのつながりを支える取組を考える
園小の実践事例をキャリア教育研究委員会で共有
令和5年度 飯田市キャリア教育の推進について (PDFファイル/532KB)
地育力で私と地域の未来をひらく「飯田型キャリア教育」の全体像イメージ
地育力で私と地域の未来をひらく「飯田型キャリア教育」の全体像イメージ (その他のファイル/2.45MB)
令和5年度地域人育成体制