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市長エッセー(散歩道)その121~130

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年10月28日更新

飯田市長・牧野光朗が日々感じたことを記していきます

121 我が家の小さな国際交流 (広報いいだ平成27年2月1日号より)

 私事になりますが、AFSの高校生交換留学制度によって、昨春からこの2月初旬まで女子留学生を受け入れていました。彼女は中国系マレーシア人で5年ほど前に家族でオーストラリアに移住しましたが、父親が日系企業と関わっていたため日本文化に興味を持ったとのことです。
 本人は既に高校課程を2年間で終えており、西オーストラリア大学医学部への入学が決まっていますが、飯田では高校1年生として日本語の勉強に精を出していました。受け入れ先が市長の家と知って、「厳格な家庭だったらどうしよう。」と思ったそうです。
 飯田の印象については「自然が豊かで安全ないいところ。皆親切にしてくれますが、高校に入学した頃、クラスメートは外国人の私と話すのに戸惑っていました。オーストラリアは移民の国ですし、多くの学生が留学するので外国人との相互理解には慣れています。飯田の高校生ももっと留学して異文化体験をしてもいいのでは。」と語っています。
 今年も3月には高校生のカンボジアスタディツアーがありますが、その他にもAFSなど様々なプログラムを通じて若い皆さん方が異文化を体験し、その比較から自らの故郷を知る機会を更に増やすことができれば、と思います。

122 農地制度において実現した「岩盤規制」の突破 (広報いいだ平成27年3月1日号より)

 本欄その115で採り上げた農地制度のあり方に関し、去る1月30日に閣議決定がなされました。これについて安倍総理は「農地転用関係については、農地の総量確保を担保しつつ、転用許可権限を地方公共団体に移譲することといたしました。地方の熱意が、長年の懸案を突破し、地方分権改革に新たなページを開きました。やればできる」と当日挨拶されています。
 全国市長会経済委員長の私にとってこの1年は地方六団体がまとめた農地制度のあり方を関係大臣、関係省庁、国会議員の皆さん方に説明して回ったり、地方分権改革推進本部の有識者会議に何度も呼ばれて意見交換をしたりするために、東京出張を繰り返すものでした。その度に長年にわたる分権改革の取り組みにおいてもびくともしなかった「岩盤規制」の壁の厚さを痛感しましたが、それでも地方六団体が初めてまとまって出したと言われるこの提言を何とかカタチにしたいとの想いに突き動かされ、ここまでやってきました。
 まだまだ課題はありますが、長年の懸案事項であった農地制度の「岩盤規制」を突破できたことに安堵を覚えると共に、地方に移譲された責任を重く受け止め、身が引き締まる想いです。

123 地域自治組織が基本構想を策定する意義 (広報いいだ平成27年4月1日号より)

 この度丸山地区と羽場地区のまちづくり委員会から地区の基本構想を初めて策定した旨の報告を頂きました。あらためて敬意と感謝を表する次第です。これで市内20地区のうち基本構想を有する地区は17地区になりました。これ程の割合で地域自治組織が基本構想を策定している自治体は全国的に珍しいようで、ムトスの精神の現れをみるところですが、人口減少、少子化、高齢化が全国的に進み地方創生が叫ばれる今日、その意義は益々高まっているように思われます。
 地域自治組織からみれば、2年ほどで役員が交代していく中で中長期的な目標を地区全体で共有しながら継続的な取り組みを進めていくためには、その指針となる基本構想が求められるところです。また行政の視点からは、いわゆる「地区の総意」を的確に把握しながら協働していくことが容易になります。例えば、市政懇談会における住民の皆さんの意見が「地区の総意」に基づいたものであれば、そうした受け止めをして行政としての役割を果たしていけるのです。
 選択と集中が求められる右肩下がりの時代だからこそ、地区住民の皆さんが時間をかけて地区の思いを摺り合わせた基本構想が重みを増していると言えるでしょう。

124 新たなダイナミズムを創出する杵原学校 (広報いいだ平成27年5月1日号より)

 4月12日、散り始めの桜に合わせるかのように「杵原学校桜フォトコンテスト」の表彰式が行われました。その際に審査員長の長沼六男撮影監督から、山田洋次監督の杵原学校名誉校長就任が発表されました。これは、平成19年に吉永小百合主演「母べえ」のロケが当校で行われたことがご縁になっている訳ですが、ここに至るまでには杵原学校応援団や山本地域づくり委員会など地元の皆さんの当校を拠点とした大変熱心な取り組みがありました。
 杵原学校は、当フォトコンテストのほか、農業体験や季節行事、食文化の伝承などを行う「地域の学校」として活用されていますが、特に「フジノ山」の歌詞が書かれた黒板が撮影当時のまま残されている「母べえの教室」で行う体験授業が注目されています。「フジノ山」や「ふるさと」を一緒に歌う授業が郷愁を誘い、口コミやネットを通じて全国から多くの訪問客を集めているのです。昨年の杵原学校の入込数は44,000人(前年25,000人)に達したそうで、これは新たなダイナミズムの創出とみることができるでしょう。
 今回、こうした地元の熱い思いが山田監督に届いたことで、更なるうねりが起きるのではないかと期待されるところです。

125 郷土を思う歌を楽しく聴けたポップスコンサート (広報いいだ平成27年6月1日号より)

 今年の「オーケストラと友に音楽祭」のフィナーレを飾ったのは、当音楽祭としては最後となるボブ佐久間先生のポップスコンサートでした。特に先生が作詞作曲された「煌めきの未来へ」は、名古屋フィルハーモニー交響楽団の素晴らしい演奏と、この日のために結成され年初から練習に取り組んできた「オケ友フェスティバル合唱団」の渾身の歌声が融合したもので場内は大きな感動に包まれました。
 私自身は毎回アンコールで演奏してくれた「下伊那の歌」と「信濃の国」のミックスバージョンがお気に入りでした。東京に出るまでは、こうした郷土を思う歌はどの地域にもあって、そこで育った人は誰でも歌えるものなのだろうと漠然と思っていましたが、実は当地域の例の方が珍しいことを知った時はちょっとした驚きでした。
 ボブ佐久間先生はこうした当地の特性に着目され、そこに住む私たちへの親しみを込めてこの曲を用意してくれたのでしょう。先生の当地域への思い入れの深さを感じるところであり、感謝に堪えません。先生にはまた違ったカタチで飯田に帰って来ていただき、先生ならではの楽しい演奏を今後も聴かせてもらえれば、と期待する次第です。

126 宇野小四郎さんを偲んで (広報いいだ平成27年7月1日号より)

 6月14日に東京で宇野小四郎さんを偲ぶ会が開かれました。この4月19日に86歳で他界された宇野さんは、昭和23年人形劇団ひとみ座の創立に参加されて以来、人形劇界の新分野開拓や伝統人形劇の調査研究・復活に多大な貢献をされました。テレビ人形劇の基礎をつくった方でもあり、私くらいの年代では「ひょっこりひょうたん島」が真っ先に頭に浮かぶと思います。
 飯田との関わりも大変深く、昭和53年秋に、先々代の市長だった故松澤太郎氏を故須田輪太郎氏らと共に訪ねられ、「ここで人形劇人の全国集会を開きたい」旨の打診をされたのが「人形劇カーニバル飯田」の始まりでした。宇野さんに播いて頂いた種は、今では毎年国内外から約400劇団、1800人の劇人が集まる「いいだ人形劇フェスタ」に成長していますし、飯田市は「人形劇の友・友好都市国際協会(AVIAMA)」を通じて世界の人形劇のまちとネットワークし、「小さな世界都市」を目指すまでになりました。
 当初から数えて37年目を迎える今年の人形劇フェスタでは、「デフ・パペットシアターひとみ」の「一寸法師」が宇野さんの追悼公演として上演されます。改めて深甚なる感謝と哀悼の意を表する次第です。

127 「中部環境先進5市サミット in 根羽」における気づき(広報いいだ平成27年8月1日号より)

 今年の中部環境先進5市サミットは、各市持ち回り開催のこれまでとは少し趣を異にしていました。安城市の神谷市長の発案と根羽村の大久保村長のご厚意によって、「水環境の保全と流域社会の持続可能な発展」をテーマに、安城市を流れる矢作川の源流に位置する根羽村での開催となったのです。
 当日(7月7日)は、大久保村長の「矢作川流域連携による地域づくり」と題した基調講演に引き続き、5市(多治見市、安城市、新城市、掛川市、飯田市)の各市長の発表によるパネルディスカッションが行われました。私からは、飯田市からご参加頂いた松川入財産区、飯伊森林組合、松川水環境保全推進協議会の皆さんの活動にも触れながら、松川を事例に多様な主体の協働による水環境の保全や森林の循環利用について発表しました。
 他の市長の皆さんの発表をお聴きしているうちに、他市はすべて自ら必要とする水の源を他地域に頼っていることが分かりました。正直なところ少々驚いたのですが、同時に、天然の水瓶である風越山の後背地をはじめ、必要とする水の源が自らの地域内にあるということは大変恵まれた環境であることに改めて気づかされたのでした。

128 あらためて国から注目される飯田の地域づくり(広報いいだ平成27年9月1日号より)

 8月上旬は、国土交通省の藤田鉄道局長の講演会や太田国土交通大臣のリニア駅予定地視察がある中で、こうした国のトップの方々と地元の市町村長らとの間で、リニアを見据えた地域づくりに向け、とても有意義な意見交換をすることができました。特に太田大臣は、豊橋の中学校の生徒会長時に飯田のりんご並木に感銘して夏みかん並木をつくったことに言及され、日程の合間に急遽りんご並木の視察を入れた程ですから、相当思い入れを持っていただいているようです。
 こうした飯田の地域づくりは、他の分野でも国から注目されているらしく、この度、いわゆる「骨太方針」を取りまとめている経済財政諮問会議の下に設置された経済・財政一体改革推進委員会の委員に、自治体の首長として唯一選出されました。第1回委員会では、飯田下伊那診療情報連携システムを紹介し、会議にずっと出席されていた甘利担当大臣にもiPadの実際の運用画面を見てもらいました。他の多くの委員が中央から地方へのトップダウンによる方策に言及する中、こうした地方からのボトムアップな取り組みは、国の社会保障費抑制や地域包括ケアシステムのモデルになると受け止められたようです。

129 フィールドスタディで感じた潮の変わり目(広報いいだ平成27年10月1日号より)

 今年もフィールドスタディで飯田の地域づくりを学ぶために、多くの大学生・大学院生の皆さんが当地を訪れています。私も講義を担当しており、できる限り参加型にしようと心がけているところですが、答えが決まっている問題を解くのは得意な学生さんも、想像力と創造性を発揮して課題解決を図る、デザイン思考の考え方には慣れていないように思われます。
 ここ数年、8月のフィールドスタディには飯田風越高校国際教養科の皆さんも参加していますが、私は講義の中で、この皆さんに対して「リニア時代には、大都市と飯田のどちらで暮らすことを選択しますか? 」と問うことにしています。この問いは他の中高生への講義でも行っていまして、これまでは「大都市に住みたい」という回答が常に過半を占めていました。
 ところが今回初めて「飯田に住みたい」という回答の方が多くなったのです。思わず数え直して確認し、大変嬉しく思ったところです。最近の市政懇談会においても、地域課題を真剣に捉えて意見発表する中高生が増えていますが、その姿とも重なるものでした。潮の変わり目を感じ、地育力の取組が着実に浸透してきていることを実感したところです。

130 シャルルヴィル=メジェール市との友好関係の「見える化」(広報いいだ平成27年11月1日号より)

 シャルルヴィル=メジェール市で9月26日をメインに開催された「人形の友・友好都市国際協会(AVIAMA)」の総会は実り多きものになり、「小さな世界都市」を目指す飯田市にとって着実な基盤固めになりました。木下市議会議長や商工会議所の柴田会頭にもご同席いただいて、3年後に飯田での開催が計画されている世界人形劇フェスティバルに併せて同総会の誘致を提案したところ、満場一致で承諾されました。
 更に、この年は同市と飯田市が友好提携して30年の節目にあたることから、ラヴィニョン市長(昨年より就任)に「ぜひ来飯を」と申し上げたところ、快く承諾してくれました。
 同市における飯田市との友好関係の「見える化」は相当進んでいて、新興住宅街の道路が「飯田通り」と命名されたり、市役所庁舎内に飯田市のLED防犯灯が設置されたりしています。3年後に飯田でAVIAMA総会を開催し、ラヴィニョン市長をお迎えするにあたっては、当市としても友好関係の「見える化」を何らかのカタチで図る必要があると思われます。