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市長エッセー(散歩道)その111~120

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年1月6日更新

飯田市長・牧野光朗が日々感じたことを記していきます

111 新生活が立ち上がる季節 (広報いいだ平成26年4月1日号より)

 年度が改まり、新入学、新入社の皆さんの多くは新たに生活を立ち上げている最中かと思います。私事になりますが、私の長女も3月初旬に転勤で飯田からシンガポールに赴任していきました。現地到着後すぐに「無事着きました」とのメッセージがスマホに届きましたが、情報通信技術の革新によって距離感が無くなっていることを改めて感じます。
 私が転勤で初めてドイツに赴任したのは平成5年ですが、当時は携帯電話もインターネットも普及していませんでしたから、通信手段は自宅の固定電話に頼るものでした。ところが電話局側のトラブルで赴任早々からこの電話が使えず、徒歩で20~30分はかかる街中の公衆電話に毎日通い、電話局に早く修理をするようお願いする破目に陥りました。日本のように1度依頼すればすぐ対応してくれるサービスは、とても期待できなかったからです。
 現地の語学学校に通う前のつたないドイツ語で、公衆電話からどうコミュニケーションをとったのか、今では思い出すこともできませんが、3週間程経って突然自宅の電話が鳴り、電話局から繋がった旨の連絡をもらった時には、慣れない海外生活でも何とかやっていける、と手応えを感じたものでした。

 112 プラステン(+10分)の実践 (広報いいだ平成26年5月1日号より)

 「本欄の挿絵のように、本当に犬を連れて歩いているの?」と聞かれることがありますが、その通りで、毎朝愛犬を伴って散歩することが日課になっています。スポーツなどを楽しむ余暇の時間がなかなか取れない私にとって、散歩は健康づくりの大事な要素になっています。
 市の「地域健康ケア計画2014」の重点プロジェクトの中に「歩こう動こうプラステン(+10分)」という事業がありますが、これは、1日10分ほど多く身体を動かすことによって死亡や病気のリスクを低減できる、とする国の「健康づくりのための身体活動基準2013」に基づくものです。先日開催された「やまびこマーチ」のように、普段歩かない長距離にチャレンジすることも大切だと思いますが、プラステンは日常生活の中で長続きできそうな身体活動を見つけることに重点を置いています。身体活動を増やす行動であれば何でもよくて、通勤時の歩行時間を増やしたり、休日の洗車や掃除を積極的にしたりすることでもプラステンになるとのことです。
 そんな訳で、私も散歩する距離を少し伸ばしてプラステンを実践しています。人間で言えば後期高齢者であろう愛犬にとっては、はた迷惑かも知れませんが。

113 時を経ても共有できる「おわら風の盆」への思い (広報いいだ平成26年6月1日号より)

 松尾の宮下吉彰前まちづくり委員会長はじめ実行委員会の皆さんのご尽力で「おわら風の盆in松尾」が4月26日に開催されました。風の盆の当地上演は、平成17年12月に合併記念として遠山郷で開催されて以来ですから実に8年ぶりになります。出演者の皆さんと共に、おわら保存会長の福島順二さんにもご来飯いただき、旧交を温めることができました。
 顧みれば1年半前、「おわら風の盆を松尾に呼びたい」との地元の皆さんの熱い願いを受け、久し振りに福島さんに電話したことが今回の上演の出発点でした。福島さんとは、長い間連絡を取っていなくても、すぐに心安く話ができる仲なのですが、これは「おわら風の盆」への思いを共有していることがベースになっています。
 20年前の私の富山赴任時から数年間、福島さんはじめ八尾町(当時)の関係者の皆さんとは、今後どうやって「おわら風の盆」を保存していくか熱心に話し合いを続けていました。「何としてもおわら風の盆を次世代に受け継いでいってもらいたい」との思いは、時を経ても福島さんと私の間で共有され、今回、若い演じ手の皆さんと松尾の子ども達との交流に繋がっていると感じたところです。

114 リニア時代を見据えて若者が発言する市政懇談会 (広報いいだ平成26年7月1日号より)

 私にとって5月下旬から7月下旬にかけては「市政懇談会の季節」で、市民の皆さんと意見交換をするため市内20地区を回っています。今年は「リニア・三遠南信道全通時代を見据えた地域づくり」をテーマにしていますが、いくつかの地区では中高生の皆さんが将来に向けた自らの思いを発言してくれています。
 丸山地区ではパネルディスカッション方式を採り入れ、今春カンボジアスタディツアーに参加した高校生の岩戸みなみさんがパネラーとして参加してくれました。事前学習で飯田について学び、カンボジアでの体験を通して一層自分の故郷を理解することができたとのことで、「小中学校の頃からもっと地域活動に参加し、地元企業のことも知ってもらおう」との提言は、経営学者ピーター・ドラッカーの名言として知られる"Think globally, act locally"(思考は世界を視野に、行動は地域から)を想起させるものでした。私が記憶する限り、市政懇談会においてこれ程まとまった高校生の提言は初めてで、これまで地域を挙げて取り組んできた「地育力による心豊かな人づくり」の確かな手応えを実感する懇談会になりました。

115 地方六団体がまとめた農地制度のあり方に関する報告書 (広報いいだ平成26年8月1日号より)

 この程、全国市長会経済委員長として、地方六団体の「農地制度のあり方に関するプロジェクトチーム」に参画し、報告書の取りまとめにあたりました。
 農地転用に係る権限移譲に関しては、これまで再三にわたって地方側が求めてきたものですが、未だ実現に至らず、「岩盤規制」と揶揄されています。しかし政府では、地方分権改革有識者会議においてその見直しの検討を始めていますし、農林水産省の食料・農業・農村政策審議会においても本格的な審議が8月頃より始まるようです。こうした状況を踏まえて地方六団体では、今年の1月に知事、市長、町村長、それぞれ2人ずつで構成するプロジェクトチームを設置し、座長は鈴木三重県知事、座長代理は私が務め、全国各地の首長の皆さんと意見交換を重ねながら農地制度改革の検討を進めてきました。
 報告書では、食料安定供給などに不可欠な資源である農地を国・地方を通じて確保していく認識のもと、実効性のある総量確保の仕組みを構築し、農地転用許可などは市町村が担うこととしています。その実現までには、今後大変厳しい道程が予想されますが、六団体が一致結束することで活路を見出せれば、と考えています。
※報告書の詳細は、全国市長会ホームページ(外部リンク)を参照ください。

116 地域に飛び出す次世代の担い手たち (広報いいだ平成26年9月1日号より)

 今年の市政懇談会では若い皆さんの発言が特に注目されました。本欄その114で紹介した丸山地区の他にも、遠山郷(上村地区・南信濃地区)の若い皆さんによる地域の将来を考えるアンケート調査結果の発表や、松尾地区の中学生・大学生のリニア時代に向けた意見発表など、若い皆さんが積極的に発言する地区がいくつもありました(市のホームページ「平成26年度市政懇談会レポート」参照)。
 こうした若者の活躍は、最近の取り組みを振り返っても、「ふるさと竜東の集い」において思いのこもった発言をする小中学生、全国から集まった大学生とともに地域を学ぶため南信州・飯田フィールドスタディを受講する飯田風越高校の皆さん、飯田りんごんの踊りの合間にアルミ缶回収に勤しむ飯田東中の皆さん、人形劇フェスタのボランティアに参加してお別れパーティーで「小さな世界都市」実現に向けて夢を語る高校生等々、いくつも挙げることができます。
 丁度、リニア時代を見据えて当地域のあり方を考え、実践していくための「南信州次世代会議(仮)」の立ち上げに向けたメンバーも募集されています。次世代の地域の担い手たちの今後の更なる活躍を願って止みません。

117 海を渡る「飯田の公民館」(広報いいだ平成26年10月1日号より)

 飯田市で毎年開催される国際協力機構(JICA)の「参加型地域社会開発研修」は今年で18年目になりました。これまで63カ国500人弱の途上国開発担当者が受講してきましたが、今年も日本福祉大学の大濱裕先生やひさかた風土舎の長谷部三弘さん、竜丘公民館や上久堅の農業振興会議の皆さんなどが講義を担当され、充実した研修になったようです。
 この取り組みで注目されるのは、昨年から飯田市の後にフィリピン・レガスピ市での研修がプラスされたことです。これは、JICA、ふるさと南信州緑の基金および飯田市の三者が協働して同市の公民館づくりを支援しているため、飯田の公民館の考え方が途上国において実際にどのように活かされているのか、学ぶことができるようになったからです。こうした背景もあり、この7月にはレガスピ市のロサル市長夫妻が来飯され、地域自治の仕組みなどを視察されたところです。
 このような研修は、道路や発電所などいわゆるハードインフラ整備を主体に政府開発援助(ODA)を行ってきたJICAにとっても「目玉プロジェクト」とのことですが、「小さな世界都市」を目指す飯田にとってもその布石となることが期待されます。

118 各地区の運動会を回って(広報いいだ平成26年11月1日号より)

 今年の10月は台風が2週連続で日本に上陸し、飯田市ではその度に避難準備情報を出す状況になりましたが、その間隙を縫うように市内各地では運動会が開催されました。私は毎年、日程が許す限り各地の運動会を回らせてもらっています。
 各地の運動会はそれぞれ特徴がありますが、取り分け地域の子どもたちが活躍する姿には胸が熱くなります。小学校の運動会と地区の運動会を合同で開催している上村地区では、少人数でも頑張って組体操をする小学生に、会場全体から惜しみない拍手が何度も送られていました。また龍江地区や竜丘地区では各分館の小中学生の白熱した応援合戦が大会を大いに盛り上げていました。
 各分館の対抗競技については毎年工夫が凝らされているようで、最近の傾向としては、特定の分館が毎回勝つことにならないよう、偶然性に重きを置くプログラムが増えているとのことです。ただ、本番に向けて練習を積んでいる分館としては、その成果が出るようなプログラムを望む声も結構あるようで、この辺のバランスはなかなか難しいようです。
 いずれにしても、運動会は地区内の老若男女がそろって参加することで、地区の絆を確認し合う貴重な機会になっていると思います。

119 晴れ後時々雨の園遊会(広報いいだ平成26年12月1日号より)

 思いがけず全国市長会から推薦をいただき、この秋の園遊会へのご招待を賜りましたので、妻と共に行って参りました。
 当日は午後2時頃までは晴れ間も見える天気で、赤坂御苑の広い園内を散策したり、所々に設置されたテントで軽食をとったりしながら、他の招待された方々との交流を楽しむことができました。その後、天皇、皇后両陛下はじめ皇族方がお出ましになった頃からポツポツ雨が降り始めました。皇族方がお廻りになるルートは、芝生の広場の前から池と林に挟まれた小道を通るもので、私たちはこの小道に一列に並んで待っていました。両陛下は予定時間を大幅に超過しても丁寧に挨拶や会釈をされながらお進みになられ、それは私たちの前でも同様でしたので、大変有難く思う一方、ご負担の重さを心配したところです。
 その後、私たちの前で足を止められたのは紀子様でした。ご挨拶をされながら私の左胸の辺りをご覧になられたので、「これは飯田の伝統産業、水引です。リニア中央新幹線のカラーをデザインしたものです」とお答えし、飯田が13年後にリニアの通る街になることを説明したところ、興味深く聞いていただきました。
 途中からの雨は残念でしたが、とても心に残る園遊会でした。

120 学輪IIDAの機関誌創刊(広報いいだ平成27年1月1日号より)

 この度、学輪IIDAの機関誌「学輪」が創刊発行されることになりました。発行のために一方ならぬご尽力を頂きました編集委員会の先生方、執筆、投稿頂きました先生方に深く感謝を申し上げます。それぞれの先生にこれだけ労力を割いて頂けるようになるとは、4年近く前の学輪IIDA発足当時には想像もできなかったことであり、それだけ飯田との結びつきを強めて頂いた賜と思っております。
 今号の機関誌には「21世紀型の新しいアカデミーの機能や場づくりを目指して」と題した法政大学の石神隆教授と私との対談が掲載されています。石神先生は、人口減少、少子化、高齢化といった右肩下がりの時代に対応するために、当事者意識や現場志向をもってアイデアを摺り合わせていく、いわゆる「デザイン思考による地域づくり」の議論を踏まえながら、「飯田には『知の伝統』の様なものが歴史的に存在しており、知のネットワークの中心である必然性が感じられてならない」と述べておられます。
 今後も年1回の発行を目指す機関誌「学輪」は、単に学輪IIDAの取組内容を理解してもらうだけではなく、これからの地域づくりを考えるうえで示唆に富んだ議論を発信するものになると捉えています。