ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
ホーム > 分類でさがす > 市政情報 > 市のプロフィール > 市長エッセー > 市長の部屋 > 市長エッセー(散歩道)その71~80

市長エッセー(散歩道)その71~80

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年9月11日更新

飯田市長・牧野光朗が日々感じたことを記していきます

71 定住自立圏全国市町村長サミット in 南信州 (広報いいだ平成22年12月1日号より)

 去る10月28日から29日にかけて全国133市町村から500名近くの参加者を得て、定住自立圏全国市町村長サミットが開催されました。
 総務省との共催でこうした全国規模のサミットを開催できたのも、当地における先進的取り組みが認められたもので、基調講演をして頂いた佐々木毅教授(元東京大学総長)からも「これまで頑張ってきたことに対するささやかな贈り物」とのお言葉をいただきました。
 振り返ってみれば、当地では南信州広域連合を構成して、消防・ごみ処理・介護認定などの共同事業のみならず、地域医療や産業振興、地域公共交通など圏域内の様々な共通課題に対応してきました。
 常日頃からこうした広域的課題について話し合う土壌をつくってきたことが、包括医療協議会・産科問題懇談会をはじめとする医療面の取り組み、地場産業センター・南信州観光公社など産業面の取り組み等々、独自で先進的な取り組みに繋がり、今後の圏域経営における新たな枠組みづくりを進めることができたと考えています。
 これまでご尽力いただいた国県はじめ域内市町村の関係各位にあらためて感謝を申し上げながら、このサミットの成果を次のステップに繋げていきたいと思います。

 72 成長を続ける南信州の「学びの樹」 (広報いいだ平成23年1月1日号より)

 去る11月29日、経団連と日商の共同開催による「観光立国シンポジウム」において、飯田のグリーンツーリズムについて事例報告をさせていただきました。
 他の報告も、北川フラムさんが手掛けた越後妻有や瀬戸内での芸術祭など、いわゆる「観光」の切り口から入っていない事例ばかりでしたが、テーマが「わが国観光のフロンティアを切り拓く」でしたから、これで良かったのだそうです。
 報告の中で、体験教育旅行やワーキングホリデー、大学連携による飯田版フィールドスタディなどを紹介しましたが、これらを含め域外の様々な方々との交流に主眼を置いた地域づくりを「学びの樹」に例えてみました。当地の学びの気風を土壌に、地育力によって根付いた「学びの樹」が、環境の取り組みや定住自立圏構想などの政策立案とその実践を通して大きく成長し、様々な事業の「枝葉」をつけていく、というものです。
 それにしても、報告の冒頭で「飯田あるいは南信州に行ったことがある方」とお聞きしたところ、満席の会場の半分位から手が上がったのには正直驚きました。数年前には考えられなかったことで、これも当地の「学びの樹」の成長を示すものかも知れません。

73  飯田を起点とする人材育成ネットワークの形成 (広報いいだ平成23年2月1日号より)

 財務省に内定している山本出身の東大生、山内さんが、今のうちに地域の取り組みを知っておきたいと年末に訪ねてくれました。
 昨夏の東京大学での特殊講義の話をしたところ、「知っていれば受講したのに。大変残念。」とのことでした。
 そう言えば、飯田版フィールドスタディに参加した当地出身の大学生からは、「自分の故郷が全国のモデルになるようなことをしているなんて全然知らなかった。」との声が寄せられていました。
 一方、環境モデル都市や定住自立圏構想、あるいはリニアを見据えた将来ビジョンなどは、今の現役世代だけで成し遂げられるものではなく、2、30年以上先を見越して、地域の将来を担う人材育成を伴った長期的な取り組みが喫緊の課題となっています。
 その第一歩として、この度、フィールドスタディをさらに発展させ、様々な大学と連携した新たな組織を立ち上げ、飯田を起点とする人材育成ネットワークを形成していくことになりました。こうした取り組みは、数百億円のコストをかけて大学のキャンパスを誘致するような従来のやり方の対極に位置するもので、年頭所感で申し上げた「21世紀型戦略的地域づくり」の一つと言えます。

74 「学輪IIDA」の結成 (広報いいだ平成23年3月1日号より)

 1月29日から30日にかけて、しんきん南信州地域研究所との共催による大学連携会議が初めて開催され、フィールドスタディなどで当地域とご縁のある22大学・研究所から約30人の教授や研究者が集まり、当欄で前回採り上げた飯田を起点とする人材育成ネットワークが結成され、その名前も「学輪IIDA」に決まりました。
 この会議では大学と地域の連携についても活発な議論が交わされましたが、1対1の連携協定を締結しても、その後開店休業状態になってしまう事例の報告もあり、必ずしも地域の中に大学があれば連携がうまくいく訳ではないことを改めて感じました。
 これに対して学輪IIDAは、人材育成と併せて、様々な大学と地域課題の解決策をいつでも一緒に考えていけるような場を創出していこうとするもので、特に複合的に絡み合った現在の地域課題を解決するためには、文系、理系を問わず、それぞれの大学の専門分野の知見を持ち寄って地域のために協働する「統合的アプローチ」が有効ではないか、とのコンセンサスも当会議で得られたところです。
 言わば地域政策の総合病院を目指す全国でも類例を見ない試みですが、「学輪IIDA」の今後にご期待頂きたいと思います。

75 「メガソーラーいいだ」・「デジタルプラネタリウム」にようこそ (広報いいだ平成23年4月1日号より)

 この3月に2つの注目スポットが相次にオープンしました。
 1つは本欄その63でも採り上げた中部電力と市との共同事業「メガソーラーいいだ」です。川路の城山地区に三菱電機飯田工場で製造された太陽光パネル約4千7百枚がずらりと並ぶ様子は、ここの展望台「おひさまの丘」からの天竜川の眺望と共に必見です。
 もう一つは、リニューアルされた飯田市美術博物館のデジタルプラネタリウムです。開館以来22年、美博の顔のひとつとして親しまれてきた光学式プラネタリウムに代わる新投影機は、魚眼レンズからの投影により、視界をさえぎられることなく全天の星空を楽しめます。また和歌山大学との協働により当地の実写映像を投影するプログラムが進行しており、南信州の一本桜や遠山郷の霜月祭など本来その時期にしか堪能できない地域の魅力を、ドーム全体に広がる臨場感に富んだ映像を生かして紹介することで通年の観光や視察にも利活用できるようになりました。
 どちらの施設も多くの若い皆さんに訪れてもらい、自然や歴史、文化などに関わる「当地域の宝」を楽しみながら学ぶ機会にして頂ければ、と願ってやみません。

76  一本桜の説明を普段通りに聞ける嬉しさ (広報いいだ平成23年5月1日号より)

 この度の東日本大震災並びに県北部地震につきましては、被災地の一日も早い復興を願うところですが、被災地への支援を力強く継続的に進めていくためにも、私たちは過度な自粛ムードに陥らず、できる限り普段通りの生活を心がける必要があると思います。
 特に飯田市の場合、「第10回環境首都コンテスト」でも、総合順位が水俣市に次ぐ以外は「環境首都」の条件をすべて満たしている訳ですから、これまで通りの生活を続けていくことが全国にモデルを示すことになると考えています。
 こうしたことから、今や南信州の春の定番になっている一本桜巡りにおいて、桜守や「子ども桜ガイド」の皆さんが熱心に桜の説明をしている姿を見て、一際嬉しく思ったところです。
 4月9日には、座光寺の舞台校舎で、南相馬市から避難されている皆さんと飯田女子高校茶道部の生徒さんが点ててくれたお茶を楽しんでおりました。校舎の中から眺める麻績の里舞台桜は、まだ三分咲きでしたが、額縁に入った紅色を散りばめた墨絵のごとく、見る者の心を和ませてくれました。
 南相馬の方の「桜をみていると無心になれる」との感想に、改めて私たちの地域の宝の素晴らしさを感じたところです。

77  丸山前副市長への感謝と佐藤新副市長への期待 (広報いいだ平成23年6月1日号より)

 5月13日に丸山副市長が退任し、総務省に復帰しました。丸山前副市長には南信州定住自立圏形成協定の締結に向けて下伊那郡の13町村との協議などに丁寧に取り組んでいただきました。
 この度の南相馬市からの被災者受け入れを南信州広域連合全体で迅速に行えたのは、こうした取り組みの積み重ねがあったからこそ、と考えています。心から感謝を申し上げ、今後も飯田、南信州にご縁を持っていただきたいと思います。
 しかしながら、私の2期目の市政の柱としている定住自立圏構想の推進は未だ道半ばであり、リニアについても5月12日に最終答申がなされ、いよいよ正念場中の正念場を迎えております。
 こうした大変厳しい時期にあって、同構想の下で更なる事業の充実を図るために、総務省に有為な人材派遣を申し入れていたところ、このほど議会の同意をいただいて当市出身の佐藤健(たけし)氏に就任していただくことができました。
 佐藤新副市長は奇しくも4月まで大分県の総務部長でしたから、その仕事ぶりはよく私の耳にも入っておりました。この難局にあっても、これまでの豊富な経験を基に遺憾無く力を発揮してもらえるものと期待しています。

 78 世界に発信された吾妻町のラウンドアバウト (広報いいだ平成23年7月1日号より)

 去る5月18日、米国カーメル市で開催された国際ラウンドアバウト会議において、昨年実施した飯田市吾妻町のロータリーに係る社会実験の成果について、名古屋大学の中村英樹教授と共同発表しました。
 こうしたロータリーは「ラウンドアバウト」と呼称され、欧米ではこの10年ほどで急速な広がりを見せており、今回の会議にも世界中から多くの参加がありました。
 吾妻町のラウンドアバウトは、言わばGHQの置き土産で、飯田の大火からの復興時につくられました。我が国の交差点政策は今日まで信号機付き十字路が原則ですから、この場所についても公安当局からは何度も十字路への変更を指導されていましたが、市民は特に不便を感じなかったので、そのまま使い続けてきました。自分達のまちづくりを自ら考える飯田のムトスの精神が、今の日本では希少なラウンドアバウトを残したと言えるでしょう。
 東日本大震災後、首都圏では計画停電が実施され、信号機が消えた交差点では交通事故が多発しました。こうした状況から、私は信号機付き十字路重視の政策が転換され、安全でエコなラウンドアバウトが飯田から全国に広がっていくことを大いに期待しています。

79 三六災害から50年を経て (広報いいだ平成23年8月1日号より)

 三六災害からちょうど50年になる今年の6月は、19日のシンポジウムをはじめ、松尾や川路など各地で関連する講演会や式典が開催され、また飯田市美術博物館では特別展があり、様々なかたちで振り返りが行われました。
 折しも東日本大震災からの復興がなかなか進まず、福島原発の放射能漏れ事故の収束もままならない中、南相馬市から当地へ避難されている方々も帰るに帰れない状況が続いています。
 こうした現状が50年前の当地の風水害にそのまま重なるとは思いませんが、それでもこうした振り返りは、今後、いつ当地が再び被災地になるかも知れないことを考える契機になるものであり、そのための備えはできる限りしておく必要があると気を引き締めているところです。
 昭和36年8月生まれの私はまだ母親のお腹の中にいましたので、三六災については子どもの頃から「大変怖い思いをした」とよく聞かされていた位の経験しかありませんが、美博の特別展で当時の写真やビデオを見ていると、いかに大変な風水害だったのか実感することができました。
 併せて、自分たちの地域の風景が三六災後、高度経済成長の恩恵を受けてどれほど変わったのか、思い知る機会にもなりました。

80 環境の「TASKI」を繋ぐ中部五市 (広報いいだ平成23年9月1日号より)

 去る8月11日、掛川市で第2回中部環境先進五市サミットが開催されました。これは、「環境首都コンテスト」に参加することでお互いに切磋琢磨して環境の取り組みを進めてきた中部地方の五都市が、持ち回りで開催しているものです。
 今回の会議の議題の一つとして、3年前に飯田の全国フォーラムにおいて提案された「人材の戦略的流動化」の具体化が話し合われました。
 地球温暖化のような喫緊の課題に対応するには高度で専門的知識を有する人材の確保が不可欠ですが、自治体毎にゼロからそうした専門的人材を育成することは相当困難と言わざるを得ません。そこで、サッカー選手のレンタル移籍を認めることで各チームの補強をするように、戦略的に専門的人材を流動化させ、自治体や大学、NPO等で構成する環境首都関連のネットワーク全体で課題に対応していこうと考えた訳です。
 本サミットでは、こうしたことも含め、中部五市の繋がりを更に強めることが確認されましたが、特に安城市長さんの「多治見、安城、新城、掛川、飯田各市の頭文字をとると『TASKI』になる。この五市でタスキを繋いでいこう」との提案は、なるほど偶然とは言えいいネーミングだと思った次第です。