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食ごよみ実践講座~飯田の行事食・郷土食を伝える講座~

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年8月26日更新

食ごよみ実践講座

“食ごよみ”とは?

 今年度も飯田市農業課主催の「食ごよみ実践講座」が行われています。この講座は今年で13年目で、毎年幅広い年代の方に受講していただいています。

飯田の食ごよみレシピ

 ”飯田の食ごよみ”は、古くからこの地域で受け継がれてきた、行事と行事食、季節の食材を暦のようにまとめたもので、平成15年3月に完成しました。

 農作業や自然の移り変わり、日々の暮らしの中から生まれた“いわれ”のある行事には、子どもも大人も楽しみな料理がつきものでした。しかし、近年生活の多様化や核家族化が進み、地域の伝統行事が減少する中で、行事食や郷土食を家庭で作る機会は少なくなってきています。

 “飯田の食ごよみ”を実践し、多くの皆さんに郷土の味を伝えていただきたいとの願いでこの講座は始まりました。使用するレシピは「飯田の風土料理読本」を基本としており、懐かしい味から、今ではなかなか家庭で実践されなくなった料理まで、1年をとおしてつくっていきます。

 旬の農作物をおいしくいただく知恵や、ものが今ほど手に入らなかった時代のごちそうであった料理など、この地域に伝わる大切な食の文化が受講生の皆さんをとおして次代にまで伝わっていくよう、この講座を運営していきます。 

 

6月 第1回講座  

 今年度24名の受講生を迎えて開講した『食ごよみ実践講座』。6月から第1回講座がはじまりました。

 6月のメニューはまだ食べられる春の山菜から、初夏のきゅうりを使ったレシピまで、幅広いメニューです。

6月講座 完成品 ○山菜おこわ

 ○きゅうりと塩イカの粕もみ

 ○かき玉汁

 ○ささげ豆入りおやき

 ○梅干し(仕込み)

 

 ・山菜は地元産のわらびとタケノコを使います。ささげ豆

 ・塩イカは海の無いこの地域で昔から重宝されてきた食材です。塩抜きしてから粕もみにするとちょうどいい塩梅でいただけます。

 ・かき玉汁はシンプルですが、かつおぶしから丁寧にだしをとりました。

 ・ささげ豆(金時豆)も地元産のものを使いました。素朴な甘みのある昔ながらのおやつです。

 ・飯田は小梅の産地ですが、講座の時期に合わせて、南高梅の熟したものを梅干しに仕込みました。昔ながらの20%の塩で漬けていきます。

 

 ・・・私たちの食卓の飯田産食材について・・・

 飯田では変化に富んだ気候、地形から様々な農産物が生産されています。
 今回の講座でも、塩イカ、南高梅、かつおぶしなどの調味料以外はすべて飯田産、長野県産の食材でつくることができました。これらは、地元スーパーや産直店などで手軽に、安価に手に入れられます。

 地元のものを地元でいただくことは“地産地消”という言葉で推進されています。
 遠方からの輸送によるエネルギー消費が無くなり、新鮮なものをおいしくいただけること。
 地元のものを買うことで、身近な地元の生産者を応援できること。
 “地産地消”は消費者にとっても生産者にとっても、相乗効果が生まれる考え方で、ずいぶん定着してきたように思います。

 飯田市では“地産地消”から、生産と消費の関係だけでなく、地域の資源をいろいろな人のつながりによって地域で“まるごと循環”させていく仕組みを『域産域消』という言葉で推進しています。

 これらは昔の人は自然に行ってきたものです。しかし交通が便利になり、外食が発展した現代では、あふれるもののなかから“地元のもの”を選ぶという“選択”が必要です。

 食事をする家族のこと、生産者のこと、地元の小売店のこと、様々な人とのつながりをいつもより気にして、日々の“選択”に取り入れていくことで、食事の充実感も高まるのではないでしょうか。

 

7月 第2回講座  

 7月のメニューは夏野菜をたくさん使いました。

7月講座 完成品 ○みょうがご飯

 ○ささげのごま和え

 ○小芋の甘辛煮

 ○レタスのスープ

 ○そばクレープ ももジャム添え

 ○梅干し(紫蘇入れ)

 

 

 ・調味料を混ぜて炊きこんだごはんに、みょうがと湯通ししたじゃこを混ぜ合わせたもの。ささげのごま和え

 ・ささげ(インゲン)はたくさんの種類があります。今回はモロッコインゲンの薄いものをつかってごま和えに。

 ・小芋はできるだけちいさいものを。甘辛く煮て黒ごまをふります。

 ・レタスはスープにいれてさっと煮るだけで食感よくいただけます。しょうがのしぼり汁が香ります。

 ・そば粉も飯田産のものを使いました。ももは夏になるとたくさんでます。剥いた皮も一緒に煮るとふわっとしたピンク色のかわいいジャムができます。

 ・6月に塩漬けした梅に、紫蘇を入れる行程です。あくをしっかり抜いて、きれいな赤紫色の汁になるようにもんでいれます。

しそ入れ

 ・・・季節の食材を余すことなく・・・

 小芋の甘辛煮は昔ながらの素朴な味です。小芋という種類ではなく、大きなお芋をほった横にでてくるようなかわいい小さなサイズのお芋のことです。小芋といえば飯田では上村地区の下栗の里でつくられる“下栗芋”が有名です。下栗芋は標高の高い急峻な畑で育てられており、小粒な品種ですが、旨味成分が多く味が濃厚。煮崩れもしにくく人気があります。

 この後の8月講座の際に、ある受講生の方からこんなお話しを聞きました。

 「今まで家で作っていても捨ててしまっていた小芋をこのレシピで煮てみました。差し入れをしたら、とっても喜ばれました」

 小さなお芋を生かして、おいしくいただける方法をご家庭でも実践していただけたようです。

 

 他にも、夏に向けてみょうが、ささげ、レタス、ももなど、今回の食材は飯田でもたくさん手に入ります。買った、あるいはいただいた食材を新鮮なうちにうまく使い切ることは、食事をつくる皆さんが日ごろ頭を悩ませていることではないでしょうか。冷蔵、冷凍技術があるので油断しがちですが、旬の食材は同じ時期にたくさんでるので、ついつい使いきれずに捨ててしまうことも多いのでは。

 生食の多いももをジャムにすることで長く食べられたり、みょうがもごはんに混ぜれば香りよくたくさんいただけます。

 長野県産で有名なレタスも火をとおすことで食感の良いスープになりますし、ささげも甘じょっぱいごまみそで和えると食が進みます。

 旬のものをいろいろなレシピでおいしく、たくさんいただきましょう。

 

8月 第3回講座 

 8月はお盆前に、お盆の行事と食文化について学びました。8月講座 完成

 ○具だくさんそうめん

 ○旬の夏野菜天ぷら

 ○天ぷらまんじゅう

 ○夏野菜スープ

 ○しまうりの粕漬け(仕込み)

 

 ・そうめんを冷やし中華のように具だくさんにして、しいたけとかつおでだしをとったつけ汁でいただきます。

 ・にがうりやカボチャを刻み入れたかきあげをじっくり揚げます。ズッキーニは軽い天ぷらにします。かきあげ

 ・天ぷらまんじゅう用まんじゅうはこの時期たくさん出ています。お盆にかかせません。

 ・セロリやトマトの夏野菜を和風だしのスープにします。

 ・しまうりを塩漬けにしたものを、砂糖と混ぜ合わせよく練った粕で漬けこみます。

しまうり

・・・お盆行事と食文化・・・

 盆行事は、日本の年中行事のなかでも正月行事と並んで重要な節目の行事です。盆行事と盆行事にまつわる食文化は、飯田でも特徴的なものがあります。

 天ぷらまんじゅうは、諸説ありますが、霊前にお供えして時間がたったものをもう一度おいしくいただく工夫とも言われています。この時期には市内の半生菓子屋さんや、スーパーでも天ぷらまんじゅう用のおまんじゅうを買うことができます。

てんぷらまんじゅう

 また飯田下伊那地域では、お盆には信州で有名なそばではなく、うどんやそうめんなどの小麦由来の麺類が多く食べられてきました。なすときゅうりで作り仏前に飾る“精霊馬”にうどんをかけて手綱に見立てるという表現をする家庭もあるそうです。

 『食ごよみ実践講座』の受講生の中には県外からお嫁に来たという方も多く、飯田の食文化を学びたいとの希望で受講されています。食文化は決まった形があるものではなく、各家庭や地域で実践される中で、徐々にその形を変えて受け継がれてきました。何気ない、家族といただく毎日の食事が、実は文化の伝承でもあるのです。丁寧に、大切にしていきましょう。

 

文化財としての盆行事については、“文化財保護いいだ”をご覧ください。http://www.city.iida.lg.jp/site/bunkazai/bon.html