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特別取材 GLIM SPANKY × ONE PIECE FILM GOLD

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年7月25日更新

グリムスパンキー 天竜川の記憶と私たちの音楽グリムスパンキーの二人

2016年7月23日


 飯田下伊那出身の男女音楽ユニット、GLIM SPANKY(グリムスパンキー)を知っていますか?
一昨年、スズキ「ワゴンRスティングレー」のテレビCMで流れた独特のハスキーな歌声が話題になり、その後は次々とCDや配信楽曲を発売。
全国ライブツアー、テレビ出演、映画への音楽提供などでも大活躍中の二人組音楽ユニットです。 

 豊丘村出身の松尾レミさん(24=ボーカル、ギター)と飯田市座光寺出身の亀本寛貴さん(25=ギター)は2007年、松川高校で同ユニットの原型となるバンド活動を開始。
上京後は大学生活を送りながら男女ユニットとしてライブを継続し、2014年6月に念願のメジャーデビューを果たしました。
年々活動の幅を広げて3年目となる今年は、全国一斉公開(飯田市内の映画館含む)となるアニメ映画の超大作、ONE PIECE FILM GOLD(ワンピース フィルム ゴールド)で主題歌を担当。
これまでの活動の中でもひときわ注目度の高い“大仕事”であるだけに、いよいよグリムスパンキーの名は日本中にとどろき、若手ミュージシャンとしての存在感も増すばかりです。

 まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの二人を、映画公開直前に取材しました。

インタビューに応じる松尾レミさんと亀本寛貴さん
インタビューに応じる亀本寛貴さん(左)と松尾レミさん(右)

 

ワンピースと一緒に 僕らは成長してきた

 「ワンピース」といえば、原作のコミックス(漫画単行本)が世界一の発行部数を誇り、劇場版映画も今回の「ワンピース フィルム ゴールド」でシリーズ13作目となる大ヒットアニメ作品。
また、これまでに同映画の主題歌を歌ってきたミュージシャンを振り返ってみてもドリームズ カム トゥルー、ミスターチルドレン、氣志團など、いわゆる超大物ばかり。
そんな破格ともいえるスケールの“ワンピース映画”の主題歌を今回、飯田下伊那出身のグリムスパンキーが担当している。

グリムスパンキーのライブ

 

――主題歌を担当してほしいという依頼が来た時、どう感じましたか。

松尾:
原作者の尾田栄一郎先生が私たちの音楽を気に入ってくださっているというお話で、突然、依頼をいただきました。
信じられなかったですね。
すごい映画の主題歌で、しかもすごい作品を描いている先生からの依頼だったので。

亀本:
本当にそう。えっ? ワンピースの主題歌?? …みたいな驚きがありました。

ワンピースの単行本
 ※ワンピースは「最も多く発行された単一作家によるコミックシリーズ」としてギネス世界記録に認定されている。
2014年末時点での世界累計発行部数は3億2千万部以上。
16年7月現在で単行本が82巻まで刊行中。

 

松尾:
尾田先生とはスタッフを通じて何度もやり取りをしたのですが、出来上がった新曲を聞いて“グリムスパンキーに頼んで本当に良かった”と、熱い感想をいただきました。
映画の製作チームからも“映画を意識せず、自分たちが純粋にかっこいいと思う音楽を作ってほしい”とだけ言っていただいていたので、作品の知名度に迎合することなく、思い切り自分の思いを曲にぶつけることができました。
自由に作らせていただいた分、この主題歌はワンピースという物語が持つ精神性と一つになることができ、尾田先生とも映画の製作チームとも本当に心が通い合った作品に仕上がったと感じています。

――確かに主題歌「怒りをくれよ」は曲名、曲調ともに力強く、燃えるようなエネルギーがみなぎっています。

松尾:
“くやしいと感じた時は反骨心(=怒り)をあらわにして成長していこう”という思いを込めてこの曲を書きました。
ワンピースに登場するルフィという主人公は、行く手を阻む障害がいろいろと出てきても、ひたすら前向きに生きていきます。
そんなルフィの「なにくそ」という反骨心むき出しの精神性と一致する曲に仕上がったことに満足しています。

松尾レミさん

亀本
サウンドの面でも重厚感と疾走感にあふれた、エモーショナルなロックになったという手応えがあります。

――原作の雑誌連載開始は1997年、最初の映画化は2000年。二人とも「ワンピース世代」ですね。

松尾:
まさにそうです。
豊丘南小学校のころ、男子が習字の授業で“将来の夢は海賊王”とか書いていたんですよ。
そんな懐かしい思い出がよみがえりました。

 ※ワンピースの第1話には“海賊王に 俺はなる!”という主人公ルフィの有名なセリフが登場する

亀本:
作り終わった後に単行本を82巻まで全巻、読み直したんですが、こんなすごい作品の主題歌を自分がやってるのか…、という重みを改めて実感しました。
もともと僕はワンピースの大ファンなんです。
テレビアニメもずっと見てましたし、映画版も“ねじまき島の冒険”などを見てきました。
小学生だったころから中、高、大…と、僕らの成長のそばにワンピースはいつもあって、どんどん世界的な、ビッグな作品になっていった。
勝手な解釈ですけど、僕らと一緒に成長してきた世界的な作品の主題歌を担当させてもらったんだな、と感じています。

亀本寛貴さん

 

座光寺と豊丘村 二人の原点にある風景

 天竜川は伊那谷を貫くように南北に流れ、その河岸の東側に豊丘村、少し南下した西側に飯田市の座光寺地区が、川を挟むようにして段丘状に広がっている。
天竜川を間近に眺めるという共通の環境で二人は生まれ育ち、今年で結成10年目となるユニットの結束を強めながら、音楽シーンに旋風を巻き起こしている。

豊丘村の松尾レミさんの実家付近に立つグリムスパンキーの二人
松尾レミさんの豊丘村の実家付近で(2015年撮影=萩庭桂太)

 

――古い時代の音楽が好きだそうですね。

松尾
休みが1日でも取れると、私はすぐ豊丘村の実家に帰ります。
昔から父が音楽に詳しく、家には古い洋楽ロックの本やレコードなどの資料が膨大に集めてあって、私が知らない情報がまだまだたくさん眠っているんです。
自分にとって一番刺激的な場所は実家なので、帰省しては家のベランダでギターを弾きながら曲を作ったりしています。

――都会よりも実家のほうが刺激的?

松尾
都会のどんな場所よりも、私にとっては実家が一番勉強になる場所だと感じます。
そしてやっぱり豊丘村の自然ですね。
実家の周りにある風景が好きです。
私の家は裏が山で、夜中にベランダから外を眺めると田んぼと夜空だけが目の前に広がります。
近くを流れる天竜川の堤防沿いを歩くのも好きですね。
虫の声を聞いたり、草や土の匂いをかいだり、木々の葉が揺れる音を聞いたりしながら過ごしています。
高校時代には、よく堤防まで朝早くから出掛けていって作曲をしていました。
ギターを弾きながら歌っていると、そのうち村の人たちが通りがかって、「おはよう」とか声を交わしたりして。
まだそれほど遠い昔のことではないですけれど、そういう瞬間の一つ一つがとても楽しかったし、懐かしい思い出です。

――そういう松尾さんの感性を亀本さんが受け止めることでユニットがうまくいっている?

亀本:
僕が洋楽や1960~70年代などの古い音楽を聞くようになったのは、レミさんから「(洋楽を)聞け、聞け」と、毎日しつこいくらいに薦められたから。
そういう意味でレミさんから影響を受けているし、彼女が作ってくる原曲をどう解釈してグリムスパンキーの音にするかというアレンジの部分に力を注いでいます。
彼女は唯一無二の世界観の持ち主だと思っていますから。

――亀本さんはどんな少年時代を過ごしていましたか。

亀本
高校時代までずっとサッカーをやっていました。
子どものころは座光寺の高台に広がっている森の中の急な坂道を、ふもとの麻績神社や元善光寺のほうに向かって自転車で駆け下りたりして遊んでいました。
僕は頻繁には帰省していませんが、レミさんが地元を懐かしんでいる話を聞いていると、地元で飛び回って遊んだ記憶がよみがえってきます。
そういえばバンドをやり始めた松川高校時代は、天竜川のそばにある“松尾のグラウンド”(飯田市総合運動場)近くの音楽スタジオまで、よくバンド練習をしに通っていたな…と今、不意に思い出しました。懐かしいですね。

全ての歌詞に強い思いを込めて歌う松尾レミさん ダイナミックなギター演奏を聞かせる亀本寛貴さん
Photo by KAMIIISAKA HAJIME

 

音楽で信念をつらぬき 「世界へ出ていく」

 この取材に限らず、ことあるごとに松尾レミは「世界に出ていくために音楽をやっている」「夢を語って生きることは良いことなんだと証明したい」と語っている。
グリムスパンキーの代表曲の一つ「大人になったら」では、歌詞の中でそうした思いを如実に歌ってもいる。
その根底にある思いは何か。
「ワンピース フィルム ゴールド」の主題歌を担当することでまた一歩、大きな飛躍を遂げた二人に改めて“夢”を聞いた。

「広報いいだ」の取材で撮影に応じるグリムスパンキーの二人

 

――次にやってみたいことを教えてください

亀本
もしアニメ映画で一つ挙げるとしたら「ガンダム」の主題歌ですね。
僕らはワンピースと一緒に育ってきた世代ですけど、機動戦士ガンダムも同じように身近にある、スケールの大きな世界的作品で、大好きです。

松尾
私はディズニー映画の歌を作りたいな。
例えば今年の春に公開していた「ZOOTOPIA(ズートピア)」という作品も、動物たち同士の共生や“何があってもあきらめない”というテーマを描いていたし、私たちの歌と精神性は同じだと感じるから。
何より、私たちの音でディズニーの曲をやったら単純に面白いんじゃない?という、わくわくした気持ちがあります。

――飯田での公演予定は。

松尾
サポートバンドも引き連れて地元に行きたいと思っていますが、まだまだライブの実力を蓄えているところです。
こうして映画の主題歌作りのような大きな仕事もいただけるようになった一方、自分たちが好きな時に、好きなようにライブをやれるというような状況ではなくなった…という状況も、やはりあります。
でも地元でのライブは本当にやりたい。
もしアコースティックライブなら飯田市の美術博物館や追手町小学校、木沢小学校とか、ライブをするにはちょっと変わった場所、雰囲気のいい場所でやってみたい。

 ※実際に来たる9月3日には東京・池上本門寺で、お坊さんの挨拶から始まるアコースティック・ライブイベント「Slow LIVE '16」への出演も決定している。

亀本
本当に飯田でワンマンライブをやるとしたら、一番大きな飯田文化会館(座席数1288席)を僕らが満席にできるかどうかがカギだと思っています。
チケットを完売できるだけのライブへの観客動員力をつけるべく頑張ります。

グリムスパンキーのライブの様子
Photo by KAMIIISAKA HAJIME

――飯田への凱旋もしてほしいですが、本当の目標はもっと大きそうですね。

松尾
私は小さいころからずっと画家になりたいと思っていました。
そして松川高校に進学してからはすぐ、バンドを始めました。
高校3年の時、当時4人組だったグリムスパンキーは音楽コンテストの全国大会に出場し、東京で1万人の観客を前にして演奏しました。
私はその時、「音楽を仕事にしよう」と決めたんです。
同じころ、高校の生徒会活動の一環で“地域の人と夢について語る”というテーマの会合があって、私はその席で美術大学に進むことを宣言し、真面目に自分の夢について語りました。
けれど、そこにいた大人たちからは「そんな夢みたいなことを言っていてどうするんだ」「真面目に就職することを考えなさい」と嘲笑されたり、あきれられたりしたんです。
その人たちは地域の名誉職の人たちでした。
大人の全部がそういう考えなんだとは思わなかったけれど、私は本当に悔しくて「絶対に志を曲げずに生きていこう。
夢を語れることは良いことなんだと証明してやろう」と決心し、自分が作る音楽で世界に出ていくことを目標にしました。
ずっと一緒にやってきている亀本はもちろん、今グリムスパンキーのそばにいる仲間は私と一緒に世界へ出ていく仲間たちです。

亀本
でも、レミさんのことを松川高校の先生たちはみんな認めていました。
先生たちはレミさんの身近にいて、その才能の豊かさを知っていましたから。

松尾
私たちの最新アルバムは「Next One」というタイトルです。
この言葉は私が中学2年の時から心に刻んでいる座右の銘で、“最高傑作は常に「次」だ”という意味を込めています。
言い換えれば「現状に満足しない」という意味。
すごく良い言葉だなって思っています。
今回のアルバムは全曲、とても納得できるものができました。
でも「Next One」なので、現状に満足はしません。
次はまたもっと良い曲、良いアルバムを作り上げて、世界を目指します。

2作目のフルアルバムのジャケット
「ONE PIECE FILM GOLD」主題歌の「怒りをくれよ」など10曲を収めた2作目のフルアルバム「Next One」

 


 まだ地元で活動していたころのグリムスパンキーが出場を果たした音楽コンテストの全国大会は「閃光ライオット2009」。
全国5500
組の中からわずか14組のファイナリストに選出され、東京ビッグサイト特設ステージで1万人もの観客を前にオリジナル曲を演奏するという経験をしています。
当時すでに音楽業界から誘いの声を掛けられていた二人が「音楽を仕事にしたい」という夢を心に抱き、決意を固めたことは想像に難くありません。

 「閃光ライオット2009」予選当時の映像を見ると、二人が「うちらが全国へ行くのは、まあ当然。人が1万人集まるんなら、うちらの音楽を伝えきってやるだけ」と、ひょうひょうと臆することなく語っている様子が印象的です。
天竜川のそばで培った音楽活動の原点を胸に、「世界へ出ていく」という夢に向かい続けるグリムスパンキーの挑戦がいよいよ本格化していきます。

取材・文=仲井勇司(飯田市上村出身・編集者)

 

関連情報

飯田市・豊丘村共同製作GLIM SPANKY紹介フライヤー
GLIM SPANKY FLIYER (PDFファイル/3.68MB)

グリムスパンキー紹介チラシについて
7.22 PLESS RELEASE(グリムスパンキー) (PDFファイル/320KB)

広報いいだ8月1日号特別取材記事
特別取材企画 GLIM SPANKY × ONE PIECE FILM GOLD (PDFファイル/1.72MB)

広報いいだ8月1日号 (全頁)
広報いいだ8月1日号 (PDFファイル/11.02MB)

 

グリムスパンキーフライヤー プレスリリース 広報いいだ8月1日号特別取材企画 広報いいだ8月1日号表紙

GLIM SPANKY × 飯田市
https://www.city.iida.lg.jp/soshiki/34/glim-spanky00.html

GLIM SPANKY Official HP
http://www.glimspanky.com/(外部リンク)

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