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第9回飯田市地域史研究集会 内容紹介

ページID:0020229 更新日:2011年8月30日更新 印刷ページ表示

第9回飯田市地域史研究集会

映像とオーラルから生きた証を掘り起こす―現代史への試み―

大門正克さんの講演「戦後復興と高度経済成長を生きる」
大門正克さんの講演「戦後復興と高度経済成長を生きる―移動と暮らしの視点から―」

 2011年8月27日・28日の2日間開催され、特集「戦後復興から高度経済成長へ―飯田・下伊那の経験―」として2つの講演、映画上映と報告が行われました。ロビーでは「飯田駅をめぐる写真と証言から」と題するパネル展示、また3つの図書館を会場に協賛企画「地場産業と観光からみる高度経済成長」「高度成長期を生きた女性たち」「野底山の森林と暮らし」の史料展示が行われました。特集として初めて現代史を取り上げましたが、写真・映像と文集・証言から経験をたどることになった今回の特集からは多くの示唆を与えられたのではないでしょうか。

特集「戦後復興から高度経済成長へ―飯田・下伊那の経験―」

 1日目は森武麿顧問研究員の趣旨説明のあと、横浜国立大学教授 大門正克さんが暮らしと移動の視点から、写真と女性・子どもたちの作文を素材に講演されました。女性と子ども、在日と沖縄の視点から話され、生きた証を掘り起こすことが研究者の課題であるという言葉が印象に残りました。「軍国少年」から教員として戦後復興と高度成長を経験された小林恭之助さんは、子どもと教師の目線から見えた時代の大きな転換期と教育について講演されました。参加者から誠実でそ直な語りに感銘したという感想が寄せられました。
 2日目の午前は、信州大学准教授 大串潤児さんが、映画「ひとりの母の記録」(1955年)の上映のあと、映画製作と山吹村とのかかわりや、映画史上問題となった記録映画と現実との関係について、地元史料と証言をもとに報告されました。また宮下道彦さんは、映画製作にも直接かかわった父 宮下功さんと1950年代の山吹村について詳細にコメントされました。

大串潤児さん(手前)の報告にコメントする宮下道彦さん
大串潤児さん(手前)の報告にコメントする宮下道彦さん

研究報告

 2日目の午後からは研究報告が行われました。まず特集に関連して、飯田市の復興シンボルであるりんご並木について飯田市東中学校の田中清一教諭と生徒のみなさんが報告。長野原歴史研究会は、小林文次郎氏の史料をもとに長野原地区の養蚕の報告。伊坪達郎調査研究員は詳細な資料分析により近世飯田藩領における「振商札」について、北村安裕研究員は信濃の牧に関する文献資料から、地方豪族に代わって国司の権限が拡大してゆく時代について報告しました。

ロビー展示「飯田駅をめぐる写真と証言から」と書籍売場
ロビー展示「飯田駅をめぐる写真と証言から」と書籍売場