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菱田春草『落葉』制作の謎、明らかに -「製作扣帳(せいさくひかえちょう)」の新発見

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年10月6日更新

これまで知られていなかった菱田春草の絵画制作の受注記録「製作扣帳(せいさくひかえちょう)」を美術博物館の調査によって新たに確認しました。春草が代表作『落葉』『黒き猫』(いずれも国重要文化財)を描いた時期の受注記録であり、これによって春草晩年の絵画制作の実態を解明することができる一級資料です。

「製作扣帳」からわかること

1 菱田春草が『落葉』を発表して一躍名声を高める直前の明治42年9月から、腎臓病が悪化し満36歳の若さでこの世を去る4ヶ月前の明治44年5月までの間の春草の受注記録です。春草の受注記録としてははじめて確認されたもので、春草晩年の絵画制作の実態を伝える貴重な資料です。

2 菱田春草が描いた『落葉』は現在5点あり、その制作順は研究者によって意見の違いがありました。特にふたつの六曲一双屏風(重要文化財の永青文庫本と福井県立美術館本)のどちらが先に描かれたのかは長い間謎でした。「製作扣帳」には福井県立美術館本の『落葉』は永青文庫本の『落葉』が発表された1ヶ月後の明治42年11月に注文を受けたことが記されており、ふたつの『落葉』の制作順が確定しました。

3 『落葉』の発表のあと、春草のもとに多くの絵の注文があったことが「製作扣帳」の記録からうかがえます。春草は病気で絵筆がとれなくなるまで、月に平均5~6件の制作を続けており、その晩年は今までのイメージ以上に旺盛な制作意欲に満ちていたことがわかりました。

製作扣帳表紙 製作扣帳 本文

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