○飯田市公共事業景観形成指針

平成16年11月22日

訓令第5号

本庁内部部局

出先機関

(目的)

第1条 この指針は、市が行う公共事業について、良好な景観を形成するための基本的な考え方及び方向性を定めることにより、良好な景観を形成するための先導的な役割を果たすことを目的とする。

(用語の意義)

第2条 この指針において使用する用語は、景観法(平成16年法律第110号)において使用する用語の例による。

2 前項の規定にかかわらず、この指針において「公共施設」とは、市が整備し、又は管理する建築物その他の工作物をいう。

(運用)

第3条 職員は、公共事業を計画し、又は実施する場合は、全ての公共事業において、この指針が規定する事項を遵守する。

2 この指針の運用に当たっては、飯田市役所環境マニュアル公共工事環境配慮評価要領による評価、飯田市環境調整会議(飯田市環境調整会議規則(平成11年飯田市規則第19号)第1条に規定するものをいう。)における審議その他の方法により活用する。

(適用除外)

第4条 前条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 法令の定めによりこの指針が定める事項を遵守できない場合 この指針を適用しない。

(2) 災害の復旧に伴う応急措置を講じるための事業を行う場合 この指針を適用しないことができる。

(3) 一時的な利用に供するために建築物その他の工作物を設置する場合 この指針を適用しないことができる。

(4) 公共事業を行う地域が、景観協定(景観法第81条に規定するものをいう。)、建築協定(建築基準法(昭和25年法律第201号)第69条に規定するものをいう。)その他景観に関する住民の協定が締結されている地域である場合 当該景観協定、建築協定その他景観に関する住民の協定を尊重しなければならない。

(基本的な考え方)

第5条 公共事業を実施するに当たっては、地域(飯田市及び飯田市に隣接する区域をいう。以下同じ。)に存在する自然、歴史及び文化を尊重し、その上で当該公共事業を実施する場所の周囲との調和に配慮した景観を形成する。

(全体指針)

第6条 良好な景観の形成を図るために定める公共事業を構成する全体に係る指針は、次の表の左欄に掲げる事項に応じ、それぞれ同表の右欄に掲げるとおりとする。

配置、高さ及び規模

風越山、中央アルプス、段丘崖の連続した緑その他の市民が愛着を感じている景観と調和するような、公共施設の背景の見え方に配慮する。

形態意匠

(1) 地域に存在する自然、歴史及び文化を尊重し、その上で周囲との調和に配慮する。

(2) 人形劇、リンゴその他市民が飯田市の文化的な象徴であると認めている事物を形態意匠に採用する場合は、直接的又は全体的に採用するのではなく、間接的又は部分的に採用するよう努める。

素材

地域の素材を活用することによってその地域独自の景観が育まれてきたことに鑑み、地域の素材の活用に努める。

公共施設

(1) 公共施設は長期間にわたって利用されるものであることから、時の経過に十分配慮し、公共施設の完成時の景観のみならず、将来の景観まで考慮しなければならない。

(2) 公共施設の維持管理を行う場合は、当該公共施設の機能の維持に配慮するだけでなく、外壁の塗料のはがれの修繕その他の良好な景観の維持にも配慮した適切な維持管理に努める。

(3) この指針が制定される前に設置された公共施設について景観の形成に関する市民の提案があり、当該提案が良好な景観の形成に資すると市長が認めた場合は、景観の形成のために必要な措置をとるものとする。

2 公共事業の実施に関して市民と協議する場合は、景観への配慮に係る事項を協議する事項に加える。

(対象別指針)

第7条 良好な景観の形成を図るために定める公共事業を構成する対象別の指針は、次の表の左欄に掲げる事項に応じ、それぞれ同表の右欄に掲げるとおりとする。

公園及び緑地

市街地における公園及び緑地は、市街地の緑を連続させるための核となる場所であるため、周辺の緑との連続性に配慮して配置し、及び整備するように努める。

橋りょう

橋りょうには、それ自体が景観の主役となるものと、周囲の景観を阻害しないよう主張を押さえるものとがあるため、計画段階でどちらの性格のものか明確にし、当該性格にそった整備をする。

法面

(1) 切土又は盛土をする場合においては、法面は擁壁を要さない緩やかな傾斜とするよう努める。

(2) 緑の連続性を確保するため、法面は緑化するよう努める。緑化に当たっては、法面が存在する地域に従来から存在している種類の植物を使用するよう努める。

擁壁

擁壁は、コンクリート面を目立たなくする工法その他の周辺の景観と調和する工法を採用するよう努める。

防護柵、フェンス等

防護柵、フェンス等を設置する場合は、景観形成に配慮した適切な色彩、高さ及び形態に配慮する。なお、この場合においては、木製品の使用も検討する。

屋外広告物

(1) 屋外広告物は、景観に大きな影響を与えることに鑑み、設置に際しては、屋外広告物の形態意匠及び面積に配慮するものとする。

(2) 啓発を意図とした屋外広告物については、屋外広告物によらない方法を検討する。

(3) 屋外広告物を設置する場合は、既存の屋外広告物と乱立して設置することがないように努める。

電柱、街灯等

(1) 電柱、街灯、路上配電盤その他これらに類する工作物は、それ自体が景観の阻害要因になりやすいため、配置及び形態意匠に配慮する。

(2) 市街地においては、電柱の設置を抑制し、及び不要な電柱を撤去するよう努める。

照明施設

照明施設は、照らし出される対象物の見え方に配慮し、配置並びに光の色及び強さを調整する。

植栽

(1) 植栽を行う場合は、地域に従来から自生している樹木、草花その他の植物を活用するよう工夫する。

(2) 飯田市緑化樹木選定指針に基づいて樹木の選定を行う。

(3) 道路には、街路樹、植込み等の連続した植栽を設けるよう努める。

(4) 駐車場は、緑化することを基本とし、単調な舗装面が広がらないような植栽の配置に努める。

高架橋及び横断歩道橋

高架橋及び横断歩道橋は、周囲の景観と調和するような形態意匠とする。

河川及び水路

自然と調和し、かつ、生物の生息環境を確保するような素材の活用及び工法の採用に努め、河川がもつ自然環境の多様性に配慮する。

トンネル

入口に壁面を有する構造となる場合は、周囲の景観と調和するような形態意匠とする。

公共建築物

飯田市公共建築物整備規程(平成8年飯田市訓令第5号)に規定するもののほか、公共建築物に附属している屋外の施設は、公共建築物の本体と一体化させ、又は形態意匠に工夫して周囲の景観と調和させるよう努める。

この指針は、公布の日から施行する。

飯田市公共事業景観形成指針

平成16年11月22日 訓令第5号

(平成16年11月22日施行)

体系情報
第11類 設/第1章
沿革情報
平成16年11月22日 訓令第5号