○飯田市男女共同参画推進条例

平成17年12月26日

条例第126号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第10条)

第2章 男女共同参画の推進に関する基本的施策(第11条―第23条)

第3章 飯田市男女共同参画推進委員会(第24条・第25条)

第4章 補則(第26条)

附則

我が国においては、日本国憲法に個人の尊重と法の下の平等がうたわれ、また国際的協調の下に女性の地位向上に向けた様々な取組が進められてきました。また、男女共同参画社会基本法においては、少子高齢化の急激な進展、国内経済活動の成熟化等我が国の社会経済情勢の急速な変化に対応していくための最重要課題として、男女共同参画社会の実現を位置付けており、これに向けた総合的かつ計画的な施策の推進の重要性が示されています。

飯田市においても、これまで男女が、互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現を目指して、男女共同参画計画を策定し、さまざまな施策を推進してきました。しかし、今もなお性別によって役割を固定的にとらえる意識やそれに基づく社会慣行は存在しており、また多くの分野において方針決定の場への参画にかたよりがみられるなど、課題が残されています。

誰もが心豊かに健康で安心して暮らせる社会の実現は、私たち市民の切なる願いですが、そうした社会を築いていくためには、市民一人ひとりが自らの意思によって家庭、学校、職場、地域その他社会のあらゆる分野における活動に積極的に参画することが必要です。

このような認識の下、市、市民、事業者及び教育関係者が協働して男女共同参画社会を早期に実現することを決意し、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、男女共同参画の推進についての基本理念を定め、市、市民、事業者及び教育関係者の責務を明らかにするとともに、男女共同参画の推進に関する施策の基本的事項を定め、これを総合的かつ計画的に実施することにより、男女共同参画社会を実現することを目的とします。

(用語の意義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによります。

(1) 男女共同参画 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を受けることができ、かつ、共に責任を担うことをいいます。

(2) 積極的格差是正措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に与えることをいいます。

(3) 市民 市内に居住する者、又は市内で働き、若しくは学ぶ者その他市内で活動するすべての者をいいます。

(4) 事業者 市内において事業を行う個人、法人その他すべての者をいいます。

(5) 教育関係者 家庭、学校、職場、地域その他の社会のあらゆる場における教育や学習に携わる者をいいます。

(6) 市民団体 地縁による団体その他の地域社会において住民の福祉の向上のための活動を行う団体をいいます。

(基本理念)

第3条 男女共同参画の推進は、次の各号に掲げる基本理念(以下「基本理念」といいます。)にのっとり行われなければなりません。

(1) 男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が性別による差別的取扱いを受けないこと、男女が個人として能力を発揮する機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されること。

(2) 性別による固定的な役割分担意識に基づく社会の制度又は慣行を見直し、男女が自らの意思で多様な生き方を選択できるよう配慮されること。

(3) 男女が、社会の対等な構成員として、市その他の団体における政策又は方針の立案及び決定に共同して参画し、その利益を受けるとともに責任を担うこと。

(4) 家族を構成する男女が、互いの協力と社会の支援の下に、子育て、家族の介護その他の家庭生活における活動について家族の一員として責任を持ち、その役割を果たすとともに、それ以外の活動との両立ができるよう配慮されること。

(5) 男女が互いの性を理解し、尊重するとともに、妊娠、出産その他の性と生殖に関する事項において、互いの意思を尊重し、ともに健康な生活を営む権利が尊重されること。

(6) 社会のあらゆる分野における教育や学習において、男女共同参画の重要性が認識されるよう配慮されること。

(7) 男女共同参画の推進に関する国際社会の取組と協調すること。

(市の責務)

第4条 市は、基本理念にのっとり、男女共同参画の推進に関する施策(積極的格差是正措置を含みます。以下同じ。)を総合的に策定し、及び実施するものとします。

2 市は、男女共同参画の推進に関する施策の実施に当たっては、国、県その他の地方公共団体、市民、事業者及び教育関係者と連携し、取り組むものとします。

3 市は、男女共同参画の推進に関する施策を進めるため必要な体制を整備するとともに、財政上の措置を講ずるよう努めるものとします。

4 市は、あらゆる教育及び学習の場において、男女共同参画社会の実現に向けた教育又は指導が行われるよう必要な措置を講ずるよう努めるものとします。

(市民の責務)

第5条 市民は、基本理念にのっとり、家庭、学校、職場、地域その他の社会のあらゆる分野において、自ら積極的に参画するとともに、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策を理解し、協力するよう努めなければなりません。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念にのっとり、男女が共同してその事業活動に参画することができる体制及び職業生活における活動と家庭生活における活動その他の活動とを両立することができる環境の整備に努めるとともに、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策を理解し、協力するよう努めなければなりません。

(教育関係者の責務)

第7条 教育関係者は、教育及び学習が男女共同参画の推進に果たす役割の重要性を踏まえ、基本理念に配慮した教育又は指導を行うよう努めなければなりません。

(地域における男女共同参画の推進)

第8条 すべての人は、市民団体の活動において、男女共同参画を推進するよう努めなければなりません。

(性別による権利侵害の禁止)

第9条 すべての人は、家庭、学校、職場、地域その他の社会のあらゆる場において、次に掲げる性別による権利侵害行為を行ってはなりません。

(1) 性別による差別的取扱い

(2) 配偶者等男女間における身体的又は精神的な苦痛を与える暴力的行為

(3) セクシュアル・ハラスメント(相手の意に反した性的な言動により、相手の尊厳を傷付け又は不利益を与える行為をいいます。)

(情報の表示に関する留意)

第10条 すべての人は、広告、ポスター、看板等公衆に表示する情報において、次に掲げる表現を行わないよう努めなければなりません。

(1) 性別による固定的な役割分担及び男女間の暴力等を助長し、又は連想させる表現

(2) 過度の性的な表現

第2章 男女共同参画の推進に関する基本的施策

(男女共同参画計画)

第11条 市長は、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本的な計画(以下「男女共同参画計画」といいます。)を策定するものとします。

2 男女共同参画計画は、次に掲げる事項について定めるものとします。

(1) 男女共同参画の推進に関する総合的かつ長期的な施策の大綱

(2) 前号に掲げるもののほか、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 市長は、男女共同参画計画の策定に当たっては、市民、事業者及び教育関係者の意見が反映されるよう努めるとともに、飯田市男女共同参画推進委員会の意見を聴くものとします。

4 市長は、男女共同参画計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表するものとします。

5 前2項の規定は、男女共同参画計画の変更について準用します。

(実施状況の公表)

第12条 市長は、毎年、男女共同参画の推進状況及び男女共同参画の推進に関する施策の実施状況について報告書を作成し、これを公表するものとします。

(調査研究)

第13条 市長は、男女共同参画の推進に関する施策の策定又は施策を効果的に実施するため必要な調査及び研究を行うとともに、必要に応じてその結果を公表するものとします。

(施策の策定等に当たっての配慮)

第14条 市は、あらゆる施策の策定及び実施に当たっては、基本理念にのっとり取り組むよう配慮するものとします。

(理解を深めるための措置)

第15条 市は、家庭、学校、職場、地域その他の社会のあらゆる場において、市民、事業者及び教育関係者が男女共同参画の基本理念に対する理解を深められるよう、情報の提供、広報活動の充実その他必要な措置を講ずるものとします。

(教育及び学習の機会の充実)

第16条 市は、男女共同参画に対する関心と理解を深め、男女共同参画が定着するよう市民の学習を支援するとともに、家庭、学校、職場、地域その他の教育の場において必要な措置を講ずるよう努めるものとします。

(積極的格差是正措置)

第17条 市長その他の執行機関は、その設置する附属機関の委員等を任命し、又は委嘱するに当たっては、積極的格差是正措置を講ずることにより、男女の委員等の数の均衡を図るよう努めるものとします。

2 市は、学校、職場、地域その他の社会のあらゆる場における活動において、男女間に参画する機会に格差が生じている場合は、市民、事業者及び教育関係者と協力し、積極的格差是正措置を講ずるよう努めるものとします。

(市民等の活動に対する支援)

第18条 市は、市民、事業者及び教育関係者が男女共同参画の推進に関して行う活動に対し、情報の提供、人材の育成その他の必要な支援を行うものとします。

(家庭生活における活動と他の活動との両立の支援)

第19条 市は、男女が共に家庭生活における活動と職業生活等社会における活動とを両立することができるよう、子育て及び家族の介護等において必要な支援を行うよう努めるものとします。

(事業者への支援等)

第20条 市は、事業者に対し、第15条及び第18条に定めるもののほか、雇用における男女の平等な機会及び待遇の確保に関する事業者の取組を促進するため、情報の提供、助言その他必要な措置を講ずるものとします。

(報告及び表彰)

第21条 市長は、男女共同参画の推進に関し必要があると認めるときは、事業者に対し、男女共同参画の推進に関する状況等について報告を求めることができます。

2 市長は、男女共同参画の推進に関する取組を積極的に行っていると認められる事業者に対し、飯田市男女共同参画推進委員会の意見を聴いて、これを表彰することができます。

第22条 前条の規定は、市民団体の報告及び表彰について準用します。この場合において、前条の規定中「事業者」とあるのは「市民団体」と読み替えるものとします。

(苦情及び相談への対応)

第23条 市長は、市民、事業者及び教育関係者から、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策又は男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策に関し苦情の申出を受けたときは、関係機関と連携を図り、適切な措置を講ずるものとします。

2 市長は、前項の措置を講ずるに当たって必要があると認めるときは、飯田市男女共同参画推進委員会の意見を聴くものとします。

3 市長は、市民から性別による権利侵害に関する相談の申出を受けたときは、関係機関と連携を図り、適切な措置を講ずるよう努めるものとします。

第3章 飯田市男女共同参画推進委員会

(設置等)

第24条 男女共同参画を円滑に推進するため、飯田市男女共同参画推進委員会(以下「委員会」といいます。)を設置します。

2 委員会は、この条例により付与された権限に属する事項について調査審議するほか、必要に応じて男女共同参画の推進に関する事項について調査審議し、及び市長に意見を述べることができます。

(組織等)

第25条 委員会は、委員15人以内をもって組織し、男女のいずれか一方の委員の数は、委員総数の10分の4未満であってはなりません。

2 委員は、学識経験者、関係団体等の代表者、関係行政機関の職員及び公募に応じた市民のうちから市長が委嘱します。

3 委員の任期は、2年とします。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とします。

第4章 補則

(補則)

第26条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定めます。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成18年4月1日から施行します。

(経過措置)

2 この条例の施行の際、現に策定され、公表されている男女共同参画計画は、第11条の規定により策定され、公表されたものとみなします。

(飯田市特別職の職員で非常勤の者の報酬に関する条例の一部改正)

3 飯田市特別職の職員で非常勤の者の報酬に関する条例(昭和37年飯田市条例第10号)の一部を次のように改正します。

(次のよう略)

飯田市男女共同参画推進条例

平成17年12月26日 条例第126号

(平成18年4月1日施行)

体系情報
第1類 規/第1章 制/ 男女共同参画
沿革情報
平成17年12月26日 条例第126号