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平成28年度第2回「結いキャリアアップ体験講座」

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年1月20日更新

第2回「結いキャリアアップ」体験講座 「霜月まつり」

 12月10日(土曜日)、11日(日曜日)飯田市内小中学校教職員7名の参加を頂いて、「結いキャリアアップ」体験講座を実施しました。

 昨年度に引き続き木沢地区正八幡神社「霜月祭り」を中心に、周辺地区の自然、文化、歴史などについて、研修を行いました。

 

講座のねらい

(1)教師自身が、地域の資源と人材にふれる体験活動をしたり、地域の方々の生き方を学んだりすることを通して、これからの「ふるさと学習・体験活動・キャリア教育」の展開に生かすことができるようにする。

(含:各校の「ふるさと学習」「体験活動」の実情と今後の学習計画についての情報交換)

(2)遠山郷を愛し遠山地区の伝統を守ろうとしている人たちの生き方にふれることを通して、教師としてのキャリアアップを図るとともに、将来に向けて自身のキャリアデザインを描く。

(3)参加した教職員同士で、学校間の「結い」をつくることができる。

 

講座の日程と内容

〈1日目〉

 ・飯田市役所出発                            

 ・旧木沢小学校見学              

 ・ふるさと学習・ふるさと体験の情報交換    

・和田城(遠山郷土館)の見学及び霜月祭りの学習

・夕食(星野屋)                 

・木沢正八幡宮(木沢地区)霜月祭り見学     

  〈2日目〉  

・仮眠                     

 ・木沢発(朝食後)                         

 ・飯田市役所着                               

 

講座の実際

上村・南信濃へ出発(13時00分~)

 市役所玄関に集合の後、上村・南信濃地区に向けて、出発しました。

 車中、工事の進む三遠南信道や中央構造線を話題にしつつ、矢筈トンネルを抜けて一気に遠山谷に入りました。

旧木沢小学校見学(14時30分 ~ 14時50分)

 木沢小学校平成3年に休校、平成12年に廃校となった旧木沢小学校の見学をしました。

 廃校時に取り壊しの危機もあった木沢小学校でしたが、地区の方々の「木沢小学校を残したい」という強い熱意で危機を乗り越えた旧木沢小学校は、木沢の自然・歴史・伝統文化の継承、地区の活性化を担って地域の新たな交流拠点として活用されています。

 この日も、活性化推進協議会会長の松下規代志さんに校舎内を案内していただきました。

 参加者の多くは、初めて見る木造校舎にもかかわらず、懐かしさと共に教育の原点を感じたようでした。

 

ふるさと学習・ふるさと体験の情報交換(14時50分 ~ 15時30分)

 短時間でしたが、参加者相互にお互いの学校が持つ「地域資源」の紹介や、その活用についての情報交換をしました。各学校とも、それぞれに地域に根ざした魅力的な地域資源に恵まれており、さらに積極的・計画的な学習を進めようといった発言が多く出されました。

【発表された地域資源を活用した学習例】

旭ヶ丘中学校・・・地域の事業所での職場体験学習で、地域の特色や良さを発見する。
           水引結び体験を通して、地域の歴史や伝統、産業について考える。

高陵中学校・・・姫宮の旧校舎清掃活動で、母校の伝統や学校に寄せる地域の思いを学び感謝の気持ちを持つ。
         「地域に触れる学習(水引・古墳・祭りなど)」で、テーマ学習を行い、地域に対する関心を高め、地域の魅力を発見する。

山本小学校・・・地域で活躍する和太鼓の練習を通して、地域で活躍する方々に接し地域の中で生きる生き方を学ぶことを通して地域に誇りを持つ。

 

龍淵寺・遠山郷土館見学(16時00分 ~ 17時10分)

遠山氏の菩提寺である、龍淵寺の見学をしたあと、遠山郷土館にて霜月祭りの学習会を行いました。

 

寺【龍淵寺】

 曹洞宗盛平山龍淵寺は、この地の領主であった遠山氏の菩提寺です。

 遠山氏といえば、この地で行われる遠山霜月祭の伝承に言い伝えとして登場します。この寺の裏手には遠山氏の墓所もあります。その墓地に本堂を見守るような古スギが4本あります。中でも右端のスギが最も太いです。近年、パワースポットとしても知られてきました。

 

 

 

学習会【霜月祭り事前学習】

 講師に地元にお住まいの飯田市文化財審議委員

 針間道夫さんをお願いし「霜月祭り」についてのお話をお聞きしました。

 遠山の「霜月祭り」は、昭和54年に文化庁の重要無形民俗文化財に指定された古い伝統を持つ古式豊かな祭事です。

 祭りの所作にはそれぞれ意味があることや、時代による祭りの変遷、さらに最近の人口減少による祭りの維持の難しさなどをお話しいただきました。

 

 

 

ジビエ料理堪能(18時00分~)

 ジビエ遠山には、熊・鹿・猪といった山の獣の料理を食べることができるお店があります。この日も、せっかく遠山に来たのだからと、夕食にジビエ料理をいただきました。メニューは、鹿肉を中心にこれまた遠山の名物である「二度イモ」「豆腐」などをいただきました。

 また、店主片町彰さんのご厚意で、地下の剥製展示室やら、解体室の見学をさせていただきました。動物の剥製を見ながらお聞きした山肉料理や現代の親子関係のお話、さらには命を頂くというお話はどれも胸に落ちるものでした。

 

 

 

霜月祭り見学(19時00分~)

霜月祭り夕食もすませ、いよいよ霜月祭り見学へ。

祭りは、朝から始まっていて、

・神名帳奉読

全国の神々をお招きする。

・湯立て

全国から集まった神々を、湯でもてなす。

・・・・・・・

 このように、神事が延々と続いていきます。

 この後、祭りは全国の神々を送り返したあと、村内の神々の登場や、若者がダイナミックに飛び跳ねる四面(よおもて)で盛り上がり、午前零時過ぎの「湯切り」でクライマックスを迎えました。

 今年は、例年以上の人出で、人混みの中心で何が行われているのかが見えないほどでしたが、参加者は、人混みをかき分けかき分け、果敢に前に進み、「眠い・煙い・寒い」の霜月祭りを堪能しました。

 

 

【まとめ】

 大勢の若者が祭りに参加し、この霜月祭りの担い手となっています。若者が地域に関心を持ち、地域の一員として責任を持って地域を支えていこうとする姿を目の当たりにして、胸にこみ上げるものがありました。

 参加者は、この体験を通して、地域に生きる喜びや意味を再確認しました。このことが、自身の生き方の見直しや、学習指導への反映に繋がっていくものと期待します。

 

参加者の感想

【参加者の声】

1 霜月祭りについて

・ 下伊那の伝統行事であり、有名な映画の着想の元になったとして霜月祭りのことは聞いていたため、とても楽しみにしていました。実際にとても賑やかに、しかしどこか厳かな雰囲気の中で活気のある祭りが見られ、とてもよい経験になりました。

一方で、今年から日程変更があるなど、少子化の影響で運営が厳しい状況もあるようでした。若者たちの力で祭りを盛り上げようとしている姿に心を打たれましたが、やはり伝統行事を続けていくことの難しさも多いのだろうと感じました。

・ 私は今回の体験を、担任している子どもたちに話しました。子どもたちがどれだけ理解できたかはわかりませんが、いつか目の前の子どもたちが、霜月祭りで出会った若者たちのように、自分たちの地域を大切に思い、支え、盛り上げていけるような存在になってほしいなぁとより強く願うようになりました。

・ 印象的だったのは、ご高齢の方から子どもまで、男性も女性も、お祭りに参加していたことです。地元の方々が皆、霜月祭りを残そうとしているその思いを見ることができたように感じました。若い方々が、ご高齢の方を立てながら祭りを盛り上げている様子も、地域の温かさだなと思いながらいました。

 

2 講座の内容について

・ 霜月祭り以外では特に旧木沢小学校の見学、夕食のジビエ定食が記憶に残っています。旧木沢小学校の見学では今の学校には残っていないような時代を象徴するものがたくさん残っていて、自分の中では新鮮でした。

ジビエ定食はとてもおいしかったです。実際にいのししを調理する場所に行ってみて命をいただいていると改めて感じて食事することができました。なかなか食べられない料理だったのでこれもまた貴重な体験になりました。

・ 祭りを見ることだけを目的とするのではなく、地域にある施設や、地域食、地域の方との交流まで楽しむことができたことも、体験講座ならではだなと感じました。霜月祭りの時期だからこそ、地域の方がその祭りを中心に過ごしている様子や、外から来た私たちを温かく受け入れてくださる姿など、「地域に触れる」ことを実感できたように思います。

 

3 自校での地域資源活用の計画等について

・ 1年次に水引や飯田城趾などを活かして地域学習を行っています。今後も、より事前学習などに力を入れて続けていけたらと思います。

また、自分自身としては授業の中で、重要無形民俗文化財について学習する際に霜月祭りについて紹介しました。社会科では他教科より地域資源や伝統文化について扱いやすいと思うので、今回お話を聞いて学んだ少子化に関わる課題などと絡めながら、機会を活かしていきたいです。

・ 現在、小中連携・一貫教育推進の中で、小中の9年間を通したカリキュラムづくりの検討が始まっており、小中それぞれの学習の中身が相互に理解され始めています。その中で、より本学区にある地域の資源の活用も進められていくものと期待しています。