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平成28年度第1回結いキャリアアップ体験講座

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年8月19日更新

第1回キャリアアップ体験講座

  7月28日(木曜日)、29日(金曜日) 飯田市内小中学校の先生方15名の参加をいただいて、「結いキャリアアップ体験講座」を実施しました。

 今回は、学習エリアを昨年の天龍峡から飯田中心市街地に変更して、飯田の昔と今のよさに触れる「丘の上探検」と「大平宿いろり宿泊体験」とを体験の目玉として、周辺地区の自然・産業・文化・歴史などについて、体験研修を行いました。

講座のねらい

(1)日々の教育活動の拠点である飯田市の自然、文化、地理・歴史、産業などについて、臨地研修や体験活動を通して、教師自身の  知識理解を深め、新たな教育活動の創造に資する。またこの講座を通して、教師としてのキャリアアップを図るとともに、将来に向けて自身のキャリアデザインを描く。

(2)小中学校でキャリア教育を推進するに当たって、教師自身が自ら体験活動をすることにより、これからのキャリア教育、ふるさと学習の展開に生かす。

(3)飯田市の教育資源(自然、文化、地理、歴史、産業)に学び、成果を日々の教育活動に生かす。

(4)参加した教職員同士で、学校間の「結い」をつくる。

 

1 講座の日程

1日目 7月28日(木曜日)

○ 集合 市の愛宕駐車場(ハローワーク隣り)          13時20分

○ 開講式(市教委)                        13時20分

○  学習1 旧飯田城・飯田の偉人にかかわる史跡見学 13時40分~15時40分

○ 学習2 大平の歴史・大平をのこす意味と楽しみ方  15時45分~16時00分

○ 学習3 大平体験                       16時00分~18時30分

○  入浴 夕食 宿泊(大平宿)                 18時30分~20時00分

2日目 7月29日(金曜日)

○  大平散策                                               6時30分~7時00分

○  朝食準備・屋内整理                                               7時00分~8時00分

○  朝 食                                                            8時00分~8時30分

○  大平発                                              9時00分

○  まちづくり学習会          

・南信州おひさま進歩 於:旧飯田測候所
     代表取締役 原 亮弘さん                                    10時00分~11時00分

・りんご並木まちづくりネットワーク会議 於エコハウス
    コーディネーター 桑原利彦さん                             11時30分~12時10分

○  昼 食「三連蔵」                                                   12時10分~13時00分
  店主 近藤サトルさんの話

○  愛宕駐車場着                                                      13時10分
    閉講式

○  解 散                                        13時20分 

2 講座の実際紹介

講座1日目

学習1 旧飯田城・飯田の偉人に関わる史跡見学   13時40分~15時40分

 社会教育委員・飯田市美術博物館評議員 今村光利さんに長姫神社から愛宕神社に至るコースを約2時間にわたって紹介していただきました。

【案内コース】

長姫神社→追手町小→赤門→古島医院→岸田國士詩碑→田中芳男碑→りんご並木→愛宕神社

長姫神社境内の飯田藩文学藕所渡辺君碑

 長姫神社では、旧飯田城の説明を予想していましたが、何と長姫神社境内の飯田藩文学藕所渡辺君碑の紹介から始まりました。渡辺八五郎先生は、飯田学校初代校長。講座の参会者が小中学校教職員ということで、教育者にも光を当てた史跡見学となりました。
 当時、この地には教育の素地があったこと、学問によって立身出世を実現していく道筋をいち早く整えたこと、そうした中で、多くの偉人が輩出されたこと等の説明がありました。

 2時間の案内の最後に講師の今村さんは、「皆さんも、こうした優れた教師となり、顕彰されるような立派な教師となっていただきたい。」と結ばれ、参会者一同襟を正す思いでした。

田中芳男顕彰碑

 

学習2 大平の歴史・大平を残す意味と楽しみ方 15時45分~16時00分

 アルススポーツ次は、いよいよ大平での宿泊体験。アルススポーツに移動した後、「大平を残す会」の羽場崎さんから、大平を残す意味と、大平宿を体験する楽しみについてお話しを聞きました。「なぜ大平を大切にするのか。それは、飯田の水を守るためです。」と語る羽場崎さん。環境保護、自然との共生、歴史的資産等々飯田市の宝としての「大平」の価値は様々に考えられますが、ご主人さんの大平を残す活動を引き継いでいる羽場崎さんのお姿に感銘を受けつつお聞きしました。

 

 

学習3 大平体験   16時00分~

 市内で夕食の食材等を調達の後、大平に向けて出発。約1時間弱で大平宿に到着。早速生活体験開始です。今回、宿泊したのは深見荘と下紙屋。
 今回の大平宿泊体験では、第一にいろり・かまど体験ですが、せっかくですので、五平もちにジンギスカンと飯田の食文化にも触れていただくことにしました。

○ 掃除

 到着したら、お部屋の掃除からはじめます。掃除が済むと床はピカピカ。いろりをたくことで、家屋全体がすすけてしまいますが、家の中で火をたくことにより湿気を除き、防虫の役目も果たすのだそうです。使って残すとは、まさにこのことをいいます。 

○ 夕食

いろり とにかくご飯を炊くことが先決。早速お釜での炊飯に挑戦です。写真はイソライト釜。立ったまま作業ができるように、かまどの位置が高く作られていたり、二口の釜を備えて料理の能率化が図られていたりと、当時としては優れものでした。また、薪だけでなく、もみ殻も使用でき大変に重宝がられました。しかし、現代人に取ってはなかなか手強い・・・。

五平もちづくり
 ご飯が炊きあがったら、まず半殺し(炊いた飯の飯粒が半分くらい残る程度に潰すこと)。竹を輪切りにした枠にご飯を詰め込んで型抜き。表面を炭火であぶったら、ごま味噌だれを塗ってできあがり。初めてにしては上々の出来栄えでした。

いろり体験
いろり体験 この間に、外では、いろり体験の準備。まず、竹を鉈(ナタ)で割り竹串づくり。魚や野菜を串刺しにして準備します。

 

料理 いろりでの料理は工夫次第です。鍋は自在かぎでつるします。アミの上で肉も魚も野菜も焼けますし、串刺しの魚や五平もちを焼いてもよい。今回は、昔懐かしいヘルメット型のジンギスカン鍋を使いました。

 いろりを囲んでの食事は格別です。いろりを囲んでいるだけで、温かい雰囲気になります。黙って食べるのもよいですが、ここでは、自然と口を開き、語りたくなります。おいしい料理が胃袋に落ちていき、いろりを囲んだ人の語り声が、夜の闇に吸い込まれていきます。

 

 

講座2日目

まちづくり学習会          

学習4 市民ファンドで地球環境の保全に取り組む      10時00分~11時00分

 南信州おひさま進歩の原 亮弘さんに、お話しを頂きました。

おひさま進歩 記念写真  

 旧飯田測候所を活用した社屋で、地球環境保全という理想を、商業ベースで実現していく原さんの考えや実践をお聞きし、先進的な企業理念、先進的手法による会社運営を知り、参会者一同新しい飯田のよさを認識しました。

 

学習5 楽しいを大切にまちづくり   11時30分~12時10分

桑原さん りんご並木まちづくりネットワーク コーディネーター 桑原利彦さんに、中心市街地「丘の上」のまちづくりの取り組みについてお話しをお聞きしました。会場は、りんご並木のエコハウス2階のフロアーでした。まず、桑原さんは、「まちおこしって、どんなことを思い起こしますか」「まちおこしは人と人とのつながり、この床のように水平な、平場な人間関係が大切。」と切り出されました。「楽しむことを中心とした活動をすることで、人と人とがつながりそのことでまちが活性化していく。」と、エネルギッシュに語る桑原さんに、いつのまにか全員が引き込まれていました。

 

学習6 昼 食「三連蔵」                             12時10分~13時00分

近藤さん 昼食を、「三連蔵」にて頂きました。店主の近藤さんは、一旦都会に出た後ふるさとに戻り、三連蔵を見てこんな立派なものを使わないのはもったいないとここでの開業を決意したとのこと。「今は、店の前を通る子供の姿は少ないけれど、大勢の子供が学校の行き帰りにここを通る姿を見るのが夢」と語って下さいました。まちづくりを実践している方に触れ、講座のまとめとしてよい締めくくりができました。

 

 

 

 

 今年から中心市街地へ学習の場を移しての「キャリアアップ体験講座」でしたが、大勢の皆さんのご参加により、充実した講座となりました。また、「生き生きと活動されている講師の皆様」との出会い、「大平宿」との出会いにより、参加された教職員の皆様にとって、まさに地育力を生かしたふるさと学習になりました。この講座での学びにより、お一人お一人のキャリア発達と、子供たちへのキャリア教育が充実することを願っています。

 

 

参加者の感想から

1 旧飯田城・飯田の偉人にかかわる史跡見学について

・名前だけは聞いたことのある方、名前も初めて聞く方、本当にたくさんの偉人について細かく解説をしていただき、勉強になりました。飯田で教員が出来ている自分のことを少しだけ誇りに思えるような見学でした。せっかく飯田に赴任しているこの時を逃さず、今後も飯田にゆかりの歴史について学んでいきたいと思います。

・飯田城にかかわる歴史という視点だけでなく、寺子屋や私塾に関するお話や教師についてのお話は大変興味深いものでした。現在飯田市の学校に勤務する者として、この地で教育に力を入れておられた先人がとてもすばらしい方たちであったことや、その教育にかける熱意を学ぶことができました。長野県が教育に重点をおく県として全国的に有名であったことを実感することができました。

2 大平宿泊体験学習について

「大平の歴史、大平を残す意味と楽しみ方」 羽場崎ます子さんのお話をお聞きして

・羽場崎清人さん(故人)についてのお話が印象的でした。大平へ行くときも,帰るときも細い山道は車でも大変なものでした。それを毎朝4時には出発し通った清人さんは、ただ大平を愛していただけではなく、心から大平を楽しんだのだろうと想像できます。「大平の水を大切にしてほしい」大平だけでなく、飯田の水源、飯田の人たちを大切にしている羽場崎さんご夫婦の優しさに触れた気がします。

大平宿泊体験をして

・非日常というように、ものが溢れている普段の生活からかけ離れていてあるものが限られている生活をみんなで体験できたことがとても楽しかった。困ったことがあったときに知恵を働かせ、あるものでどうまかなっていくかそういうのを考えることがいいなあと思った。火をおこすためにはどう木を置いたら良いか、それを考えるのも勉強である。生活が便利になるとともにどこかに置いてきてしまった経験や知恵というのが今の世の中でも大切だと思った。テレビもなくみんなができることをやりながら自然と人と関わる体験が大平にはあったが、今はそういう生きるために自然と協力するということが、どんどん減ってきているように思う。大自然の中で人との関わりについて考えることができてとてもよかった。

3 まちづくり学習会

「地元地域にかかわりながら起業」 南信州おひさま進歩 原 亮弘さんのお話をお聞きして

・普段何気なく電気を使用しているが、「おひさまファンド」という形で太陽光発電が、しかも飯田でここまで活用が進んでいることに驚いた。

・環境を守る活動と地域経済の活性化の両方をねらう活動について説明いただき、昨今頻繁に耳にする「地域社会の活性化」の意味を改めて知ることができた。環境を守る活動は、便利さを捨て環境のために投資する活動が多いが、そこに経済的な視点を取り入れている点に良さを感じた。このような活動こそが、「持続可能な社会」を創る上で必要だと感じた。

「丘の上活性化」 並木ネットワーク会議 桑原利彦さんのお話をお聞きして

・子どもたちに「ふるさと」の良さを知ろう、というメッセージでふるさと学習を進めていますが、まず第一に教える私たちが“ふるさとを好きに、楽しく思う”ことの大切さを感じました。責任や目的ばかりが先走りしてしまうのではなく、子どもたちの素直な思いを第一に楽しく考えていきたいと思います。

・イベントなどを企画し人を集め、街を活性化させていくための方策をたくさんお聞きすることができた。中でも、一つの目的のためには、上下関係なくフランクにものをいうことのできる雰囲気を大切にするということと、「部外者」を作らないことを心がけているということに深く共感した。

「三連蔵」で食事して

・地域への思いを大切に営まれている方とのふれあいの機会を子どもたちにも提供することができればいいなと感じます。

・美味しい昼食をいただきながら、近藤さんの話をお聞きし、人とのつながりを大事にしていこうとする姿勢に共感を覚えました。まさに「結い」の精神が丘の上に賑わいを呼び戻す大切な鍵だと思います。

・若いオーナーの話をお聞きし、このような若い人たちが生き生きと働くことができる地域こそが、これから生き残っていかれる地域なのだと感じた。自分の生まれ育った飯田市を誇れる生徒を育てていきたいと改めて感じることができた。

4 体験講座の日程・内容等全体を通しての感想意見

・2時間程度をユニットにし、飯田の歴史を人や場所、ことを通して学んでいく今回の研修は内容としてとても充実しており、体験活動ありのアクティブラーニング形式の、「飯田」をテーマとした大人の総合的な学習の時間だったように思います。中身に魅力があり、人にもさらに魅力がある今回の研修を通して、子ども達に目指してほしい大人像が見え、その大人になった子たちが作っていく飯田の未来を見据えた、有意義な講座でした。まず、関心を高め、自分で学びたい気持ちになり、行動して知る。知った中から、課題を見つけ、今後の生活の中で解決していく方法を探ったり、自分の生き方に還して考えてみたりといった、教員としての本分をおもいださせていただける1泊2日でした。

・飯田のすばらしさを肌で体感することができた。何より、地域の方の飯田への思いがひしひしと伝わってきた。この素晴らしい街で働くことができることに感謝をし、この思いを子供達に伝えていきたいです。2日間、ありがとうございました。