浜井場小学校ふるさと体験学習~農業宿泊体験~
浜井場小学校では一年間を通じて遠山郷でふるさと体験学習を行います。第2回目となる7月10~11日 浜井場小学校5年生30名の児童は、上村・下栗地区と南信濃・木沢地区で農業宿泊体験を行いました。11年続いた農業宿泊体験ですが、宿泊を伴う活動については今年で一旦中止となります。最後の年を締めくくるという責任感をもって臨んだ5年生です。
出発の会
心配していた雨は過ぎ去り、気持ちのいい朝になりました。大きな声で朝のあいさつをしたあと、児童代表よりルールを守って過ごすようにとあいさつがありました。教頭先生からは、農家さんにお世話になるにあたり、「あいさつ」「おかげさま」「自分から」の3つを意識して2日間行動するようにお話がありました。子どもたちは期待と緊張が入り混じった表情で、真剣に話を聞いていました。
上村小学校児童による地域学習
バスで約1時間半かけて上村地区の「はんば亭」に到着しました。5月に交流した上村小学校の皆さんが、下栗地区の案内をしてくれました。この日のために、上村小の皆さんは「下栗案内人」の方から下栗地区について学び、練習してきました。魅力を伝えるため、案内看板を利用してポイントをしぼったわかりやすい案内をしてくれました。
また、徒歩でビューポイントへ向かい、ビューポイントまでの道は地区の方が一生懸命作ったことを説明し、浜井場小の児童は驚いていました。ビューポイントに着くと、下栗地区が一望できます。子どもたちは素晴らしい景色に向かって「やっほー!!」と力いっぱい叫びました。上村小の児童一人一人から上村の好きな所の発表があり、上村の良さを知るいい機会になりました。
農家さんのもとへ
お昼ご飯の後、いよいよお世話になる農家さんとの対面です。大きな声で「よろしくお願いします。」のあいさつをし、農家さんの家へ向かいました。
それぞれの家を訪問すると、「先生!景色が最高だよ!!」と大興奮で飛び出してくる子どもたち。山に囲まれ、空が近くに感じる遠山郷の自然に目を輝かせていました。また、自分たちで収穫した野菜やブルーベリーを自慢げに見せてくれました。自分たちの手で収穫をしたものは格別に美味しく感じたようで、「おいしい!」と満面の笑みでした。花の出荷の手伝いをした子どもたちは短い時間にコツをつかんだようで、手早く不要な葉を落として花の束を作り上げました。
夕食の準備では、包丁を使う際に手を切らないよう注意をしながら野菜を切り、「うまい、うまい。」と褒められて嬉しそうに笑う子どもの姿がありました。率先して手伝いをする姿は、頼もしいものがありました。どの子も出発時の緊張が吹き飛び、明るい笑顔で農家さんと話をしていました。
農家さんにお話を伺うと「どの子もとてもかわいい。一生懸命やってくれる。」と褒めてくださいました。子どもたちを見つめるまなざしはとても優しく、温かく迎え入れてくださったことが言葉以上に伝わってきました。
お別れの会
翌日、子どもたちを迎えに行くと「帰らない!」と言われてしまいました。子どもたちは農家さんとの思い出を次々に口にした後、「帰るのは寂しい。」と漏らしました。別れが寂しく、切なくなるほどに、良い時間を過ごしたことが伝わってきました。
はんば亭に集合し、お別れの会を開きました。農家代表の野牧要平さんから、「下栗地区と浜井場小学校の交流は10年以上になった。宿泊の活動は今回で終わりだけど、このつながりを大事にしていきたい。りんごんに行ったとき、過去に宿泊した子から声を掛けられたことがあり、とてもうれしく思った。こうして続けてこれたのは、受入に協力してくれた地区の皆さんのおかげです。感謝しています。浜井場小の皆さん、また遠山へ遊びに来てくださいね。」とお話がありました。この活動を始めた時からずっとお世話になった野牧さんの言葉には重みがあり、これで終わってしまうのが惜しいほどでした。
バスに乗り込む前にもう一度お世話になった農家さんにお礼を伝え、涙を浮かべている姿や、名残惜しそうに握手を交わす姿がありました。
終わりの会
浜井場小に到着すると、楽しかった思い出とお別れの寂しさとで疲れが出てきたようでした。それでも背筋を伸ばして終わりの会を開きました。
教頭先生から「あいさつ」「おかげさま」「自分から」ができたかどうか聞かれると、ほとんどの児童が「できた」と手を挙げ、誇らしげでした。
また、担任の内田先生からは上村小学校、下栗地区、木沢地区の皆さんの協力と、浜井場小5年生の皆の頑張りによって今回の農業宿泊体験が素晴らしいものになったことがお話されました。
5年生にとって、遠山郷の豊かな自然と人の温かさにふれる、かけがえのない体験になったことでしょう。