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平成28年度第3回結いジュニアリーダー育成講座をおこないました。

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年9月14日更新

 

第3回 結いジュニアリーダー育成講座を実施しました。

 7月30日(土曜日)、31日(日曜日)、市内9中学校から生徒12名が参加しました。

 今回の講座は、遠山郷での1泊2日の宿泊体験学習です。毎年、子どもたちが楽しみにしている企画です。この育成講座の代表的な活動であり、「飯田型キャリア教育」で育みたい力がすべて含まれています。

 12名のジュニアリーダーは、これまでに2回の講座学習を重ね、仕事の意味や地域とのかかわり方を講座学習の課題に据え、遠山地区での宿泊体験に備えてきました。当日は天候にも恵まれ、この2日間で仲間同士の交流を一層深めたり、上村地区・南信濃地区の地元の皆さんと関わる中で様々なことを学習しました。

1日目

  飯田市役所を出発。天竜川を渡り一路遠山郷を目指します。矢筈トンネルを抜け、さらに標高900mあまりある下栗に向かいます。1時間ほどで最初の体験地の上中根農園に到着。早速、農業体験を行いました。

上中根農園で農業体験

 体験内容は、二度芋(ジャガイモ、二化性で夏と秋と年二回収穫できるため)とブルーベリーの収穫作業です。午後の一番暑い時間に作業を始めましたが、立ち上がると爽やかな風がほほを吹き抜けていきます。

上中根農園 上中根農園の胡桃澤さんから、作物の収穫の仕方について教えていただいた後早速作業。殆どの子どもがジャガイモの花を見たり収穫をしたりしたことがなかったようですが、引き抜く度に土中から現れる小ぶりのジャガイモに歓声を上げながら、しっかり収穫の汗を流しました。
 作業を終えた後、収穫したイモを運んで休憩。生徒は目の前に広がる山々の姿に目をやりながら、胡桃澤さんの話に耳を傾けました。農業だけでは暮していけない現状(胡桃澤さんは他に仕事をしながら、土日に農業をしている)、体験学習で訪れてくれる若者や、観光農園を訪れるお客さんへの感謝、最後に「皆さんも高校生や社会人になっても機会があれば是非来てください」と話がありました。

 中学生の「どんな気持ちで、農業をしているのですか?」の問いに、胡桃澤さんは「親もいるし、先祖が守ってきた土地だから、私も守っていきたい。放っておけない。息子が継ぐかはわからないが、できるだけ良い状態で引き継ぐようにしたい。」と笑顔で答えて下さいました。

 子どもたちは、暑い中、斜面での慣れない農作業で疲れたようですが、農業の大変さや厳しさを実感するとともに、初めての作業に楽しかったという感想を持ったようです。また、働くことの意味について、まずは生活を保障する収入の確保(日常の生活維持・子どもの教育等)がその第一であるという現実をしっかり受け止めつつ、胡桃澤さんご夫婦の話から、自分の与えられた使命、仕事や生き方に対する多様な価値観、人とのつながりの大切さ等様々なことを学びました。

H君:農業は一人ではできず、必ず誰かと協力しなければいけないということがわかった。

Mさん:農業という仕事は、土地のこともよく知っておかないといけないし、作物も面倒をみなくちゃいけないので大変だなあと思いました。でも「おいしい」のひと言で農業の仕事は成り立っていると思います。

Aさん:胡桃澤さんはやりがいで満ちていました。人と関わることを楽しんでいました。

Nさん:地域を愛し、生かし、人へ伝えていく農業・・・。胡桃澤さんの深い思いが心にしみた。

 

はんば亭(旧下栗分校跡)前で下栗の学習会

 次は、「はんば亭」前へ移動。はんば亭はかつて下栗分校が建てられていた跡地にあります。下栗の急斜面を登り切ったてっぺんに突然に広がった平地。平地はここだけといってもいいほど貴重な場所に分校が建てられていました。下栗の人々の学校に寄せる思いが理解できます。

はんば亭前 下栗案内人の会代表の胡桃澤さんより、下栗の自然と歴史についてお話を伺いました。目の前の南アルプスの山についての説明、現在の下栗集落の概要の話がありました。昔は年貢を榑木(くれき)という材木で納めていたこと、養蚕やこんにゃく芋が貴重な現金収入であったことなどをお話しいただきました。

 話の中で、「蕎麦の味でお里が知れる」という言葉を紹介してくださいました。蕎麦が美味しいところは土地が肥えていない、すなわちここでの生活は厳しいという意味でしたが、子どもたちはどう受け止めたでしょうか。この地の厳しい自然環境とその中で生き抜く生活の姿を想像できたでしょうか。電気が使えるようになったり、道路ができて車が使えるようになったのもそう昔のことではないとも話されました。最近は、観光に力を入れ、地域のみんなで協力して活動しているお話しもしてくださいました。

 日本のチロルと呼ばれる下栗の雄大な自然とともに、そこで生きてきた人々の生活、そうして今生きている人々の生活に思いを馳せることができました。

 「三郎さんの笑顔がすばらしい。いつもにこにこして、楽しそうにしていらっしゃる。楽しいことは何ですか?」の問いに、「私は、地域について、どうしたらいいのかといろいろ考え活動することが好き。こうして、皆さんに話すことがうれしいことです。」と、満面の笑顔でお答え下さいました。地域の中で地域と共に生き、地域の発展のために活動している胡桃澤三郎さんのお言葉は、子どもたちの心に響いたことと思います。

Y君:地域の歴史や農業、特徴など様々なことを知っていてすごいと思った。下栗のよさがよく伝わってくる話だった。

T君:三郎さんの話を聞いて、地域と関わるということは、地域の方と関わり協力し合って何かをすることだと思いました。

Kさん:「下栗についてもっと知ってほしい」という強い思いが伝わってきました。

K君:下栗は涼しく、山々は静寂に包まれて独特な感じでした。緑が濃くてとても美しかった。

 

 星座観測 

星座観測 夕食の後は、「満天の星空を見る会」にも参加しました。あいにくの曇り空で実際の星座観測はできませんでしたが、この地が日本でも有数の星空の美しい所というお話しは、生徒の胸にしっかり残ったことでしょう。

 その後、レクリエーション等で就寝時間までしっかり交流ができました。

 

 

2日目

ビューポイント見学

下栗の里 2日目の朝は、6時に集合してビューポイントへ出発です。遊歩道は地元の皆さんがすべて手作業で整備を行ったものです。ビューポイントから見る下栗の里の景色を堪能しました。

 

旧木沢小学校

旧木沢小学校 次に南信濃地区の旧木沢小学校へ向かいました。 旧木沢小学校では、昔懐かしい始業の鐘で出迎えていただきました。

 木沢活性化推進協議会長の松下さんから、地区の大火の話や、その直後の学校再建の話、そして「学校は出会いの場であり、学びの拠点でありそのままの姿を残したい。」という思いや学校保存のいきさつをお聞きしました。集落のシンボルである小学校校舎を保存して維持管理していくことが大事で、出来ることは自分たちでやると話してくれました。

 その後、校長室、保健室、霜月祭り・森林鉄道の展示を見学。おいしい桃やお茶も頂きました。最後に、松下さんのハーモニカ伴奏で「ふるさと」を全員で歌いました。 子ども達は、木造の小学校の不思議な温かさを感じつつ、松下さんの気さくな人柄と、地元の方の地域に掛ける思いにも触れることができたようです。

 

Mさん:一人ではなく自分と同じ気持ちの人たちと支え合ってやっているのも良いなと思いました。

I君:松下さん自身も木沢小学校で学んだ人であり、校舎に強い愛情を持った人だと感じた。

K君:木沢小学校は「人がいた」跡があって温もりを感じます。

Sさん:お話しを聞いて心に残ったことは、「学校の中に思いが詰まっている。だからそれを誇りにできる。」というのでした。

 

龍渕寺 散策

 次に名水百選に選ばれた観音霊水と遠山氏一族の菩提寺である龍渕寺を訪れました。湧水を飲んだり、石段を登ったり、大きな杉を見上げたりとそれぞれ散策をしました。

 

かぐらの湯で学習会

かぐらの湯 最後の研修場所である「かぐらの湯」へ向かいました。支配人の山崎さんから地域の活性化についてお話を伺いました。
 昔は、山によって生活が支えられていて、木材に価値があった時代があり、その後農林業が衰退して、次に建設業が盛んになり生活が一変した時期もあったが、だんだん人が居なくなって人口も減ってきてしまったこと。平成に入ってから、人がいないと地域が元気にならないと、観光産業の検討を始め、色々行ってきたこと。現在の観光産業の中心となるのがこの温泉施設であり、飯伊地区でも出来たのが最後だったこと、などを話してくれました。

 またここの温泉は塩分を多く含んだ温泉水であり、「天然療養泉」として効能の良い温泉というお話もしてくれました。
 最後は、地域の特産物を生かした特長ある商品開発の話や、地域の人を大切にした特産物開発の話をお聞きしました。子どもたちは、地域の中で、夢をもって挑戦している山崎さんの姿に感銘を受けたようです。

A君:山崎さんのお話の中で、良いものを作ればそれについて道ができるということです。どんなものでもそれが大切だと思いました。

T君:時には観点や見方を変えてみる事も大切だと思いました。あと、この地に合った形や色があると思うので、そういうことを大切にしていきたいと思いました。

Mさん:遠山郷の文化と自然を使って遠山らしい産業を追究したいとも言っていたので、リニアが通る時代になったら遠山郷は有名な場所になるだろうなあ。

 2日間全員怪我や体調不良もなく過ごすことが出来ました。夏休みが始まってすぐの講座でしたが、子どもたちの交流も深まりお互いの距離も縮まったようです。今回のフィールドは、遠山郷でしたが地元の方の地域に掛ける思いが子どもたちに伝わり、一人ひとりのジュニアリーダーが、自分は職業を通して、社会人としてどういう生き方をしていけば良いのかを考える機会に繋がりました。

 今後の講座でもジュニアリーダーの「結い」、地域との関わりについて、仕事をすることの意味について更に学習を深めるように実施していきます。

 

ジュニアリーダーの感想  「二日間の振り返り」

Aさん

 遠山で関わった方々は、みんな好きで行動を起こしていました。仕事も地域と関わることも好き・楽しい。そんな気持ちからだと思います。山崎さんがおっしゃっていたように、人の出会いがなければ何も生まれないということが、二日間のまとめだと思います。そういう面で、地域というつながりはとても大切だったんだなあと感じられました。私ももっと地域のことを良く知りたいと思います。この二日間でリーダーのみんなを深く知れました。聞きたいことがもっと増えました。人を知ろうという気持ちの大切さも改めて知れたと思います。こんな機会が、学校の代表だけでなく、周りの沢山の生徒も共有できたらと思います。

 

Y君

 この二日間で、自分は地域とは一生の内で長い間、仕事などを通して関わっていくもの。仕事とはただやるだけでなく、考えたり、地域のものを生かして何か作ったりなど、さまざまな考え方でできることということがわかった。まとめると、昔の地域のことをよく知って、今しっかりと何が必要なのか考えることで、作ったものを残していく、これが仕事だと思った。そして、これから学んでいく仲間と友情が深まってよかった。これからは、この仲間と共に、地域や仕事についてもっと考えて意見を言って考えを深めていけたらいいと思った。

 

Nさん

 「一つのことを始めると、新たなことができ、人とつながり挑戦すれば、新たな人に出会える。」「ここが好き」この二つが印象に残った。二日間で出会った人それぞれが、形は違っても「遠山」という地区をよく知り、その魅力を共有できていると感じた。それを支えているのは、地域の人々のつながり(絆)と愛情だと思う。今、私たちにできることとは、まず飯田に住む私たち自身が飯田を誰よりも知り、愛着の持てるまちにしていくことだと思った。飯田を変えるのではなく、この今の飯田で何ができるのかを考え、「壊すじゃなく生かす」を大事にして考えると、未来の飯田、目指す姿があると思う。