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令和元年度第3回 結いジュニアリーダー育成講座

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年8月13日更新

第3回結いジュニアリーダー育成講座を行いました。

 7月27日(土曜日)、28日(日曜日)、市内9中学校から生徒12名が参加しました。

 今回の講座は、遠山地区での1泊2日の宿泊体験学習です。毎年、ジュニアリーダーが楽しみにしている企画です。この育成講座の代表的な活動であり、「飯田型キャリア教育」で育みたい力がすべて含まれています。

12名のジュニアリーダーは、これまでに2回の講座学習を重ね、「仕事の意味」や「地域とのかかわり方」を講座学習の課題に据え、遠山地区での宿泊体験に備えてきました。当日は台風接近で、1日目の朝から雨がぱらつきましたが、奇跡的に天候にも恵まれ、予定した内容をすべて実施することができました。

この2日間で仲間同士の交流を一層深めたり、遠山地区の地元の皆さんと関わる中で様々なことを学習したりしました。

 

日程

 〔727日(土曜日)〕

 ・ 開講式 

 ・ 学習会1

   「農業体験 (下栗芋、ブルーベリーの収穫)」

 ・ ビューポイント見学

 ・ 遠山地区と下栗の学習会

 ・ 学習会2 

    下栗の自然と歴史」 

 ・ 学習会3

   「胡桃沢勝久さんの話」

 ・ 交流会、一日のまとめ   

 ・ 就寝

 

728日(日曜日)〕

 ・ 起床

 ・ 学習会4

   「 旧木沢小学校とともに」

 ・ 和田城・龍淵寺周辺散策

 ・ 学習5

   「霜月祭りに生きる」                

 ・ 学習会6

   「遠山郷の魅力と課題」

 ・ 学習会7 

   「 コンパスハウスの皆さんとの交流」

  ・ 閉講式

 

 

体験の様子(1日目)

○ 上中根農園で農業体験

 雨 が小降りとなったので、農業体験を実施しました。

 体験内容は、二度芋(ジャガイモ、夏と秋と年二回収穫できるため)とブルーベリーの収穫作業です。農業体験

 今年も、ジュニアリーダーの体験のために、一番急斜面の畑にジャガイモを栽培していただきました。

 「傾斜が急だから、土が下に流れないように丸太で土留めをしてあるんだよ。」

 「芋を掘るときは、土を下に掻き落とさないで、上に掻き上げるように掘るんだよ。」と説明を聞いてから、さっそく作業開始しました。急斜面での芋掘りはなかなかの難作業。ずっとしゃがんでの作業です。

                                                                                                   

胡桃沢さんの話を聞くJL

 長くは作業ができませんでしたが収穫した芋を持って作業場に戻り、胡桃澤さんの話に耳を傾けました。

 「農業だけでは暮らしていけない現状である(胡桃沢さんは他に仕事をしながら、土日に農業をしている)、それでも先祖から引き継いだ土地をしっかり守り、次の世代に引き継ぎたいという気持ちで頑張っている。」と話されました。

 また、「野菜も作っているけれど、ここに来た人にみんなあげてしまう。喜んでくれるのがうれしい。」と、体験学習で訪れてくれる若者や、観光農園を訪れるお客さんへの感謝を持っていること、人とのつながりが一番の宝物であることを話してくださいました。

 

 芋掘り作業の後は、ブルーベリー狩り体験をしました。

 生徒たちは、雨の中、しかも斜面での慣れない農作業で疲れたようですが、農業の大変さや厳しさを実感するとともに、初めての作業に楽しかったという感想を持ったようです。

 また、働くことの意味について、まずは生活を保障する収入の確保(日常の生活維持・子どもの教育等)がその第一であるという現実をしっかり受け止めつつ、胡桃澤さんご夫婦の話から、自分の与えられた使命、仕事や生き方に対する多様な価値観、人とのつながりの大切さ等、豊かな自然の中で人と人とのつながりを大切に生きておられる姿を中心に様々なことを学びました。

 

○  ビューポイントへ

 昼食後も雨が降ってこなかったため、明朝に計画していた「ビューポイント」に行くことにしました。

 日本のチロル下栗が一望できるということで、これを目当てに訪れる観光客も多いのだそうです。

 20分ほど山道を歩きますが、この山道は地域の皆さんが地域おこしの目玉としてみんなで力を合わせて作ったのだそうです。


 木々の間の細道を歩いてきて、一気に視界が開けると、そこがビューポイント。

 すぐそこの手が届きそうなところに下栗の集落。全員から一斉に「おーっ」と歓声がわき起こりました。

        ビューポイントで

 

○ 遠山地区と下栗の学習会

宿泊場所のロッジ下栗に入館した後、午前中に予定していた学習会を行いました。

 

○ 下栗についての学習会

 夕方、下栗案内人の会代表の胡桃澤三郎さんから、下栗の自然と歴史についてお話を伺いました。

 例年は、旧下栗分校校庭にたち、南アルプスの雄大な山脈を前にお話をお聞きするのですが、あいにくの雨で、室内での学習会となりました。

 三郎さんからは、昔から現在に至る下栗集落の概要の話がありました。昔は年貢を榑木(くれき)という材木で納めていたこと、養蚕やこんにゃく芋が貴重な現金収入であったことなどをお話しいただきました。電気が使えるようになったり、道路ができて車が使えるようになったりしたのもそう昔のことではないとも話されました。この話を、子供達はどう受け止めたでしょうか。この地の厳しい自然環境とその中で生き抜く生活の姿を想像できたでしょうか。下栗についての学習

 

 最近は、過疎化がすごく進んでいることを話されました。

 何とかこの地を活性化しようとしていたところ、数年前に引越の会社のコマーシャルで下栗が取り上げられ、すごいブームになったそうです。そこで、観光にも力を入れ、地域のみんなで協力して活動しているお話しもしてくださいました。

 「これからも、この下栗のよさを多くの人に伝えていきたい。これからも、この地域についてなんとかしたいとか、どうしたらいいのかと考え活動していきたい。」と、地域の中で地域と共に生き、地域の発展のために活動している胡桃澤三郎さんのお言葉は、生徒たちの心に響いたことと思います。

 

○ ロッジ下栗の支配人さんのお話を聞く

 夕食の後、下栗で生まれ、中学卒業と同時に親元を離れて名古屋に出、退職と同時に再びふるさと下栗に戻ってきた胡桃澤勝久さんのお話をお聞きしました。ロッジ下栗支配人

 「仕事でお金を稼ぐことは、決して悪いことではない。起業して、雇用を生み出し、稼いだお金から税金を支払う。これみんな社会への大きな貢献となる。私は、お弁当屋を始めて、一生懸命働き、お金もそれなりに稼いだ。ただ、お金儲けだけが生きる目的となってはいけない。」

 

 「 私は、学校を卒業後いくつかの仕事をした。仕事はうまくいかないこともある。がんばって、がんばってそれでも、どうしてもダメだとなったら、次の仕事で頑張ってみることもいい。仕事をやってみなければ自分の力は分からないし、どんな仕事にも、必ずやる価値がある。」

 「年をとって再び生まれ故郷に戻り、地域の中で生活することは楽しいことだ。地域のみんなと一緒になって、地域のこれからを考え行動することが楽しい。」と、中学生を相手に自分の人生そのままを話してくださいました。

 

体験の様子(2日目)

 心配した台風は、夜のうちに通過したということでした。飯田地方は幸いにも大きな被害が無く、下栗も少し青空がのぞいていました。

 朝食の前に、下栗の曲がりくねった傾斜の急な道路を歩いてみました。

      雄大な南アルプス

 旧木沢小学校

 次に南信濃地区の旧木沢小学校へ向かいました。熱く語る松下さん

 木沢活性化推進協議会前会長の松下規代志さん、現会長の前澤憲道さんから、地区の大火の話や、その直後の学校再建の話、そして「学校は出会いの場であり、学びの拠点でありそのままの姿を残したい。」という思いや学校保存のいきさつをお聞きしました。

 集落のシンボルである小学校校舎を保存して維持管理していくことが大事で、出来ることは自分たちでやると話してくれました。

 その後、校長室、保健室、霜月祭り・森林鉄道の展示を見学。ジュニアリーダー達は、木造の小学校の不思議な温かさを感じつつ、松下さん前澤さんの気さくな人柄と、地元の方の地域にかける思いにも触れることができました。

 

 

 

○ 遠山郷土館での学習

 遠山郷土館は、外観がお城の姿をしています。

 ここで、地域の伝統を守ろうと活躍している「野郎会」の仲山雄貴さんから「霜月祭りに生きる」と題してお話を伺いました。

 まず、遠山郷にとって、霜月祭りは正月よりお盆より大切な行事であること、仲山さんは子どもの頃から祭りに関わってきたことを話されました。霜月まつり

 その大切な大切な霜月祭りが、この地の過疎化による担い手不足から危機に陥ってしまい、何とかしたいと活動を始めたのが「野郎会」であると話してくれました。

 中学生から「野郎会には、女性はいるのか?」の質問に、「祭りは昔から男のもので女性は裏方を務めていたが、今はそういう時代ではない。女性も含めて、みんなでやろうよという意味で「やろう会」ですと、答えていただきました。

 祭りが好きで地元が好きで、バレーボールが好きで、先生にもなりたかった仲山さんが、できる範囲の中で、そのどれも捨てることなく生き生きと生活しておられる姿そのものに、ジュニアリーダーは大いに学びました。

 

 

 かぐらの湯で学習会

次の研修場所である「かぐらの湯」では、最初にお昼を頂きました。メニューはもちろん遠山ジンギス丼です。大変おいしい味付けでしっかり頂くことができました。

     昼食はジンギス

 

つづいて、「かぐらの湯」の支配人牧内厚達さんから「夢や目標を持って」と題して、お話を伺いました。かぐらの湯支配人

「生活するには仕事をしなければならないが、好きなことが仕事になっていくと良い。勉強は苦手だったけれど、自分は料理が好きだったから、一日も早く仕事をしたかった。料理人となってからも、大変なことや挫折はあったけれど、自分はこの仕事が好きだし、これ以外に考えられなかったので、この道一筋で通すことができた。人の助言を聞きつつ、最後は自分で判断決断することが大事。そうすれば、自分で決めたことだから、最後までやり通すことができる。」と汗をかきながら熱く語ってくださる牧内さんの言葉を、ジュニアリーダーは大きく頷きながら聞きました。

 

 

 

○ コンパスハウス

 二日間の学習の最後に、若者が集う「コンパスハウス」を訪問しました。

 「遠山が大好きな若者が何かやっているよ。譲ってもらった空き家を改築して交流スペース作りをしているよ。」

 「とにかく、ワクワクした若者がいて、人が集まり始めているらしい。」

 そんな声を頼りにジュニアリーダー達も、ワクワクどきどきしながらコンパスハウスを訪問しました。

   ドリームマップ

 

 自己紹介の後、全員で「ドリームマップ作り」に挑戦しました。

 初めに、コンパスハウスの木股さん遠山さんのドリームマップを見せていただきました。

 狩猟をしたいと遠山にやってきた木股さん、この遠山の楽しさを他の人にも広めたいという遠山さんの夢と、その実現の様子に大いに刺激を受けました。そのせいもあり、ジュニアリーダー全員が自分の夢に向かってのマップを完成することができました。「外国で暮らしたい。」「医療でみんなを助けたい」「ディズニーランドのスタッフで、みんなに夢を広げたい」そのために・・・・と、お互いに発表し合いました。

 

最後に                   

 2日間、全員怪我や体調不良もなく過ごすことが出来ました。

 夏休みが始まってすぐの講座でしたが、ジュニアリーダー同士の交流も深まりお互いの距離も縮まったようです。

 今回のフィールドは、遠山郷でしたが、地元の方の地域にかける思いが伝わり、一人ひとりのジュニアリーダーが、「職業を通して、社会人としてどういう生き方をしていけば良いのか」を考える機会に繋がりました。

 今後の講座でもジュニアリーダーの「結い」、地域との関わりについて、仕事をすることの意味について更に学習を深めるように実施していきます。