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令和元年度第1回「結いキャリアアップ体験講座」

ページID:0065747 印刷用ページを表示する 掲載日:2019年8月14日更新

第1回結いキャリアアップ体験講座を実施しました。

  8月6日(火曜日)に 飯田市内小中学校の先生方21名の参加で、「結いキャリアアップ体験講座」を実施しました。

  昨年に続き、「私たちのふるさとを支えた交通」をテーマに、飯田下伊那地区全体を対象として、古代から近代に至る各時代の交通を窓口に、それぞれの時代の街道や水運の果たした役割と人々の暮らしについて学び、自校の「ふるさと学習」の学習資源とすることを目指しました。

 

講座のねらい

  1. 日々の教育活動の拠点である飯田市の自然、文化、地理・歴史、産業などについて、臨地研修や体験活動を通して、教師自身の知識理解を深め、新たな教育活動の創造に役立てる。 

   またこの講座を通して、教師としてのキャリアアップを図るとともに、将来に向けて自身のキャリアデザインを描く。

 2. 小中学校でキャリア教育を推進するに当たって、教師自身が自ら体験活動をすることにより、これからのキャリア教育、ふるさと学習の展開に生かす。

 3. 飯田市の教育資源(自然、文化、地理、歴史、産業)に学び、成果を日々の教育活動に生かす。

 4. 参加した教職員同士で、学校間の「結い」をつくる。

 

日程

・学習1 

 エスバード視察見学 

・学習2 

 講和「天竜川の水運」

 飯田市教育委員会 生涯学習スポーツ課 文化財保護係長 下平博行

・学習3 

 現地講義「中央と結ばれていた恒川官衙遺跡」

 飯田市教育委員会 生涯学習スポーツ課 文化財活用担当専門主査 坂井勇雄

・学習4 

 現地体験見学(水路)

 講話 天竜舟下りに掛ける思い~天竜川を産湯につかい~

     信南観光天竜舟下り事業部長 杉本 忠 氏   

 体験 「天竜舟下り」(弁天港~時又港)

・移動見学

 竜丘古墳群~川路駅

・学習5 

 講話「人と情報の流れに劇的変容を引き起こす現代の路」

 株式会社丸中中根園代表 中根正佳 氏

・学習6 

 天龍峡見学

・学習7 

 現地見学(街道)        

 

 

学習1 エスバード視察見学

 産業振興と人材育成の拠点として開設された「エスバード」を見学しました。

     エスバード       エスバード2

 

学習2 講和「天竜川の水運」

講義1

 続 いて、下平博行さんの講話「天竜川の水運」をお聞きしました。

 1. 江戸時代から昭和初期まで、通船やいかだによる木材輸送などが盛んに行われていた。

 2. 通船は、明治以降に外国人旅行家など外国人客が増加し日本人の著名人の川下りも増えた。

 3. 天竜川にダムが建設されることで、廃止となった。反面、観光遊覧船が本格化し現在に至っている。

 時間の流れに沿って、天竜川が果たしてきた様々な役割をお話しいただきました。

 

 

学習3 現地講義「中央と呼ばれていた恒川官衛遺跡」

恒川管衛遺跡

  平成26年に国の史跡に指定された「恒川官衙遺跡」を訪れました。

  炎天下の中、発掘作業が行われていました。

  坂井さんから、ここに奈良平安時代の伊那郡衙(伊那郡の役所)があったことや、その証拠となる礎石についてお話しいただきました。

 

 

 

 

 

学習4 現地体験見学(水路)

 午前中の講義を終え、午後は現地見学体験をしました。 天竜 講義

【講話】 天竜舟下りに掛ける思い~天竜川を産湯につかい~

 子どもの頃から天竜川に馴染んで育った杉本社長さんから、天竜川や水運に関わる熱い思いをお聞きしました。

 と同時に、川の怖さも教えていただきました。

 天竜川では近年、ラフティング等で、川に親しむ人が増えているそうです。

 都会の人だけでなく、地元の私たちこそもっと川に親しんで欲しいという杉本さんのお話でした。

 

【体験】 「天竜舟下り」(弁天港~時又港)      

 さあ、いよいよ「天竜舟下り」乗船体験です。ライフジャケットを着用しいよいよ乗船です。

     舟下り1           舟下り2

  船頭さんによると、雨が少ないせいで川の水位が低いということでしたが、川を下る舟のスピードは速く、爽快でした。

  「天竜下ればしぶきにぬれる。」といいますが、これも船頭さんの腕の見せ所なのだそうです。

  当日の乗船客の顔ぶれを見て、若く元気な人が多い場合やリクエストに応じて「ばっしゃーん」と大波しぶきのサービスをするのだそうです。

 

学習5 講和「人と情報の流れに劇的変容を引き起こす現代の路」

  時又港までの短い船旅を終えた後は、車中から、遠州街道、竜丘古墳群、川路駅を見ながら、天龍峡へと向かいました。ココロファームビレッジ

  途中、川路のココロファームビレッジに立ち寄り、中根正佳社長からお話を伺いました。

 

 三六災害で水害の大きかった川路地区は、天竜川の両岸が盛土され、産業用地「天龍峡エコファクトリーパーク」に生まれ変わっている。

 この地で農家レストランや農産物の直売所を運営しているのが、ココロファームビレッジです。

 「この地に雇用の創出をしたい。」「多くの人が飯田を訪れる一助としたい。」と、熱い思いを語る中根社長の言葉に耳を傾けました。

 中でも、「リニアや三遠南信道などの新しい交通路は、物流の流れを飛躍的に改善し、人や情報の流れも大きく変えることとなる。」と語る中根さんの言葉に参加者一同大きな刺激を頂きました。

 

学習6 天竜峡見学

 続いて、天龍峡へと向かいました。天龍峡では車を降りて散策。「姑射橋(こやきょう)」から「天龍峡温泉交流館ごゆっくり」まで、ゆっくり歩きました。

                       天竜峡

 姑射橋(こやきょう)のたもとでは、ちょっと見落としがちな「ポットホール」や岩肌に掘られた「歸鷹崖(きようがい)」の文字に、驚かされました。

 

学習7 現地見学(街道)

 天龍峡を後にしたバスは、三遠南信道無料区間(天龍峡IC~飯田山本IC)を使い山本ICへ向かいました。

 ○ 飯田山本IC駐車場下は、宝の山

   IC周辺は旧石器時代から縄文時代・奈良時代の遺跡の密集地で、「竹佐中原遺跡」が発見されています。

※ 竹佐中原遺跡

     平成13(2001)年7月21日、飯田南(山本)インターチェンジ予定地から発見された旧石器は、

     県内でも最古級の石器と考えられ、前期・中期旧石器時代にさかのぼりうる可能性が高く注目を集めました。

     遺跡の損傷を防ぎ保存をするため、インター付近の関連駐車場下には遺跡が未発掘の状態で保存されています。

 

  奈良平安時代には、畿内勢力が東国進出を始め、律令制が整ってくると、神坂峠を越えて東山道がこの地を通りました。

 

 ○ 伊那街道(三州街道)散策          

 体験講座の最後は、伊那街道(旧山本村通過部分)を実際に歩きました。

 伊那街道は、中仙道の塩尻と東海道の岡崎とを結ぶ路で、伊那地域から三河を目指す路ということで三州街道と呼ばれます。

 江戸時代には、この辺りも多くの馬たちが背中に荷をつけて行き来したのでしょう。そんな昔の様子を想像しながらしばらく歩きました。

 

終わりに

 路(水路・陸路)を学習のテーマとした今年の「キャリアアップ体験講座」。

 午前中が講義、午後実地体験という講座内容で、やや日程が密でしたが、参加者の皆さんの積極的な姿勢で、充実した講座となりました。

 生き生きと活動されている講師の皆さんとの出会い、地域の歴史との出会い、参加された先生方同士の交流を通して、参加された教職員の皆さんにとって、まさに地育力を生かしたふるさと学習になりました。

 この講座での学びにより、お一人お一人のキャリア発達と、子供たちへのキャリア教育が充実することを願っています。