ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
ホーム > 市長の部屋 > 市長エッセー(市長室から)その1~

市長エッセー(市長室から)その1~

ページID:0079439 印刷用ページを表示する 掲載日:2021年1月1日更新

飯田市長・佐藤健が日々感じたことを記していきます

1 はじめの「一」歩(広報いいだ令和3年1月1日号より)

 あけましておめでとうございます。健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 先日、新聞社の新春対談企画で「新年の抱負を一文字で表現してください」というお題が出まして、私は「一」と色紙に書きました。
 市長「一」年生の私ですが、市民の皆さんからの負託に応えられるよう「一」生懸命頑張ろうという決意、『日本「一」住みたいまち』に向かって市民の皆さんと「一」歩一歩進んでいこうという思いを表してみました。
 市長就任から2カ月余り、この間、本当にあっという間でした。市民の皆さんとのお約束を果たしていくためには、確かな意思を持って取り組んでいかなければ4年間などすぐに経ってしまうと気を引き締めているところですが、「急いては事を仕損じる」という言葉もあります。未来を見据えながらも、一歩一歩着実に歩んでいきたいと思います。
 先日、ある方から「積小為大(せきしょういだい)」という言葉を頂きました。「小さな努力の積み重ねが、やがて大きな収穫や発展に結びつく。小事をおろそかにして大事を成し遂げることはできない」という二宮尊徳の教えだそうですが、まさに、今の私の心情にしっくりくる言葉です。この言葉を胸に、今年一年頑張ってまいります。

 

2 捨てる「紙」あれば・・・(広報いいだ令和3年2月1日号より)

 副市長時代から、市役所に通う道すがらゴミ拾いをしています。
 初登庁の日にゴミ袋を持って登庁したことで多くの方の知るところとなりましたが、そのおかげか、私の通勤経路に落ちているゴミが減った気がします。きっと、市民の皆さんが今まで以上に気を付けてくださっているのだと思います。ありがとうございます。
 一方、「毎月第一日曜日の朝7時にゴミ拾いをしよう」というインターネット上の呼びかけ(「全国一斉宝物拾い」)に応じて自宅近くのアップルロード周辺をゴミ拾いしてみると、ちょっと信じ難いものが落ちています。酒類の空き缶(車道沿いなのに⁉)とか、車中のゴミを詰め込んだと思われるティッシュの箱とか。
 私は、飯田は他のまちに比べて落ちているゴミの少ない、美しいまちだと思っています。
 私たち市民みんなが、ごく自然に目に付いたゴミをサッと拾えるようになったら、このまちはもっと美しく、「住みたいまち」になると思います。
 ゴミ拾いって、やってみると結構楽しいんですよ。いつか誰一人ポイ捨てなどしなくなって、その「楽しみ」がなくなるようなまちになるといいな、そんな風に思っています。
 というわけで、毎月第一日曜日の朝7時「全国一斉宝物拾い」、皆さんもいかがですか(もちろん、その時間でなくても結構です)。

 

3 コロナウイルス検査体制について(広報いいだ令和3年3月1日号より)

 この地域では、陽性になった方が確認された場合、濃厚接触者を飯田保健所が速やかに調査して、翌日には検体を採取し、その日のうちに飯田市立病院でPCR検査を行なっております。
 以下のグラフは、飯田保健所の松岡所長からご提供いただいたもので、感染した方の体内でウイルスの量がどのように変化するかを示したものです。感染してから他の人に感染させる可能性がある量までウイルスが増えるのに3日程度かかり、この間は、他の人に感染させる可能性はない、とのことです。
 この期間のうちに関係者を把握し、検査を実施することで、感染拡大を防いでいるというわけです。
 関係者の方々がフル稼働してこの地域の検査・療養・追跡調査というサイクルを回してくださっています。市民の皆さんと共に心から感謝申し上げます。

表

 

4 人のふり見て(広報いいだ令和3年4月1日号より)

 森喜朗氏のあの発言の後、山本地区在住の70代男性の方からお手紙を頂きました。
 「妻亡き後、一人で家事をやっておりますが、家事の大変さが分かり、妻は愚痴を言わずによくやってくれたと感謝しております。特に毎日の食事の準備、食後の片付け、大変です。『後の後悔』と言いますが、なぜ生きているうちにもっと手伝ってやったり、言葉だけでも『有難う』とか優しい声をかけてやらなかったのか後悔しております。(中略)私たち団塊の世代は、ともすると家事は女の人ということに疑問を持たなかったのも事実です。間違いなく私はその一人です。男女お互いに尊重して協力していけば、明るく楽しい家庭になりますし、子どもたちも後姿を見ております。私のように後悔する人が少なくなるよう願っております。」
 ともすれば、マスコミの報道に同調して森氏の発言を悪く言うばかりになるところ、この方は我が身を振り返って「自分のようにならないよう」と私たちに呼びかけてくださっています。
 私ももう少し、家事をするようにしたいと思います。
 またお手紙では、山本公民館の「育MEN学級」や「男の料理教室」といった講座のご紹介もありました。各地区にも同様の講座があると思います。『我がふり直そう』という方は、ぜひ。

 

5 実(広報いいだ令和3年5月1日号より)

 「せんせいと 子らから呼ばれ 振り返り 実習生は先生となる」
 これは、今年の歌会始の儀の入選歌となった、飯田市在住の木下玲奈さんが詠んだ歌です。
 新聞記事によれば、「自分では教育実習生という学生気分だったが、子どもから声をかけられたときに、子どもから見れば自分は先生なのだということに気付いた。子どもとやり取りする中で、先生は先生となっていく」と感じたことを歌に詠んだということです。
 4月1日の年度初めの式で、この歌を紹介しながら、新規採用職員や新たに部長・課長になった職員らに対して、「『辞令をもらったばかり』という思いがあるかもしれないが、市民の皆さんから見れば、市役所職員そのものであり、部長・課長そのものである。今この瞬間から、市役所職員としての、部長・課長としての、自覚と責任を持って、市民の皆さんと向き合ってほしい」という話をしました。
 私も含めて、市役所の職員は、市民の皆さんとのやり取りを通じて育てられます。
 コロナ禍の中ではありますが、市民の皆さんとの対話を重ね、チャレンジを重ねることで「実」を上げていきたいと思います。今年度もよろしくお願いいたします。
 なお、来年の歌会始のお題は「窓」だそうです。

 

6 腰は「からだ(月)」の「要」なり(広報いいだ令和3年6月1日号より)

 昭和の日の朝、何をしたわけでもないのに「あれ?」と腰に違和感を覚えた後、どんどん痛くなりました。
 その日も含め、ゴールデンウィーク中の行事にはだましだまし何とか出席しましたが、こどもの日に「今日はお休み」と思って朝寝坊したら、全く動けなくなってしまいました。
 痛み止めを飲んで何とか動けるようになったものの、立ったり座ったりが大変なのはもちろん、体を前傾することが難しいので顔を洗うのも一苦労。もう数センチ高かったら(低かったら)、と思う箇所があったり、「いずれ必要になる」と取り付けておいた手すりが大活躍したり。「ユニバーサルデザイン」という言葉が身に染みて分かりました。
 腰痛で苦労していた間は、お通じの方も滞りがちでしたが、腰が痛いと内臓まで調子が悪くなるのですかね。
 欠席した会議などもありご迷惑をおかけしました。一方で、自宅からオンラインで出席(※)できた会議もありました。
 いろいろな意味でいい経験にはなりましたが、腰痛は無いに越したことはありません。皆さんもお気を付けください。
 なお、「立腰(りつよう)教育」については、また別の機会に。
※実際に会議が行われている所とインターネットで結んで「テレビ電話」のような形で会議に出席しました。

7 ヤングケアラー(広報いいだ令和3年7月1日号より)

 ヤングケアラーとは、「家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うような責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている18歳未満の子ども」を指すとされています(厚生労働省ホームページより)。
 先日、歩道から外れて車道を歩いている男の子がいましたので危ないから歩道を歩こう、と声を掛けましたが、返事もなく、歩道に戻ろうとしません。すぐ脇を車が次々と通って危ないので、手を引っ張って歩道に上がらせたのですが、ムキになって車道に出ようとします。
 近くにお姉ちゃんと思しき女の子がいましたので、「おとうと?」と尋ねると「そう」という返事。「いつもこうなの?」「うん」。
 男の子のケアをお姉ちゃんに任せてその場を離れましたが、自分の男の子への対応があれで良かったのかと反省しながら、あのお姉ちゃんも「ヤングケアラー」の一人なのかもしれないと思ったことでした。
 もっと深刻な状況にある子どもたちもいると思います。家庭内のことで、周囲の目が行き届かないことも多いと言われます。子ども自身が問題に気付いていなかったり、苦しい状況でも声を上げられないことも多いそうです。
 福祉・介護・医療・教育など多岐にわたる連携が必要となる課題ですが、子どもたちの未来のために、目をそらさず向き合いたいと思います。

 

8 給食から農業を考える(広報いいだ令和3年8月1日号より)

 先日、ふれあいトークで「南信州ゆうき人」の皆さんとお話しする機会がありました。
 「公約で『学校給食の地産地消・有機食材の導入拡大』を掲げているけど、市長が言う『有機』って何ですか?」というところから始まって、化学肥料や農薬をできる限り使わない農業の現状と将来展望について意見交換しました。
 子どもたちにより安全で安心な給食を、という思いで掲げた公約ですが、すでに飯田市の学校給食は、ニンジンやホウレンソウなど主要野菜10品目の地元産使用率が約50%、お米は100%地元産でその7割が特別栽培米(農薬使用量半分以下、化学肥料使用量3割減)となっています。私が思っていた以上に、飯田市の学校給食は「進んで」います。
 当日は、農業課、教育委員会の職員のほか給食の調理場の職員も同席し、有機食材拡大への課題を共有するとともに、子どもたちにより安全で安心なものを食べさせたいという思いは一致しました。
 有機JAS認定はお金がかかるという話から、この地域独自の認証制度についても考えていこうという話になり、また、農家と消費者が直接契約して顔の見える関係で農産物をやり取りする仕組み(飯田版の「地域が支える農業」)もできたらいいね、という話も出ました。
 給食を入り口として、この地域の農業の新しい展開を考えていきたいと思います。
◉「ふれあいトーク」の概要は、飯田市のウェブサイト「市長の部屋」に掲載しています。

 

9 ともだち(広報いいだ令和3年9月1日号より)

 コロナ禍で唯一良かったことといえば、「夜の会合」がほぼゼロという状況が続いているため、夕食から就寝まで、家族との時間が確保できていることです(妻からは「結婚して以来、こんなに夕食を一緒に食べた時期はない」と言われますが、確かにその通り)。
 子どもの就寝前の読書の時間もほぼ毎日確保できるようになり、小学校5年生の次男と楽しんでいます。
 先日までは、斉藤洋さんの「白狐魔記 源平の風」、あさのあつこさんの「バッテリー」、今は斎藤惇夫さんの「冒険者たち~ガンバと十五ひきの仲間」を読んでいますが、いずれも「今日はここまで」と言いづらい、続きをどんどん読みたくなる作品です。
 一人一台パソコンが配られるような時代であればこそ、子どもたちには本を読む楽しさを知り、大人になってからも自然と本を手に取ることができるようになってほしいと強く願います。
 いろいろな「知識」や「情報」は今やインターネットで検索すればすぐに得られますが、「教養」を身に付ける、あるいは人格を形成するには、やはり読書が一番のように思います。難しいことはともかく、本が傍らにある人生は、豊かです。
 この原稿を書いている今は、オリンピック真っ只中。いつもの時間にベッドに入りづらい環境ではありますが、今夜もガンバとその仲間たちの冒険を楽しみたいと思います。
◉飯田市では、今年度から4歳児の皆さんに絵本を贈る「おともだち絵本」事業を始めました。