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令和7年飯田市議会第3回定例会 開会市長あいさつ
本日ここに令和7年飯田市議会第3回定例会を招集し、令和6年度飯田市一般会計歳入歳出決算認定をはじめとする諸案件をご審議いただきますことに対し、御礼を申し上げます。
9月に入りいくぶん残暑も和らいだ、と申し上げたいところですが、残暑というにはあまりにも暑い日が続いております。
「空(から)梅雨」から続く少雨、さらに酷暑。農作物をはじめ様々な影響が心配されるところです。
そんな中、8月7日から10日にかけて行われた「いいだ人形劇フェスタ2025」「飯田りんごん」の期間中は、昨年に比べればまだしのぎやすい気温であったと感じました。
「人形劇フェスタ」では、104会場において、国内外267の劇団による307ステージの上演があり、今年も子どもたちの笑顔をたくさん見ることができました。
運営に携わっていただいた実行委員をはじめ、多くのスタッフの皆さんの献身的なご尽力に、改めて敬意と感謝を申し上げます。
また、「飯田りんごん」には、昨年を上回る皆さんにご参加いただき、来場者も過去最高であったと主催者からの発表がありました。
日中の祭りを盛り上げていただいた商栄会の皆さん、また、安全な運営のため昼間から警備にあたっていただいた交通安全委員の皆さん、警察署、消防署の皆さん、そして企画から運営までご尽力いただいた市民事務局の皆さんに、心から感謝を申し上げます。
8月21日には、「持続可能な地域づくり研究所」所長の藤山浩さんをお招きし、各地区まちづくり委員会の役員などにご出席をいただき、地域づくり研修会を開催いたしました。
人口減少が進む中で、各地区での人口安定化を目指す「20地区田舎へ還ろう戦略」を推進するに当たりどのように取り組んでいけばいいか、「地区ごとの人口診断」の結果を基にお話しいただきました。
今年度の「市長と語るまちづくり懇談会」では、私からそれぞれの地区の人口診断の結果についてお話ししていますが、今後、市内3地区をモデル地区として、ワークショップを通じて具体的な方策の検討を進めるとともに、その成果を全市で共有し、戦略の具体化に向けて取り組んでいきます。
8月31日には、地震総合防災訓練を実施いたしました。
シェイクアウト訓練のほか、各地区の自主防災組織の皆さんには、地震災害時の初動対応の確認、指定避難所の開設マニュアルやレイアウトの見直し、防災備蓄倉庫の点検や使用訓練などに取り組んでいただきました。
本年度の新たな取組として、6月の土砂災害・全国統一防災訓練から導入した公開型GIS「いいだWebまっぷ」を活用した災害情報の収集・共有を始めておりますが、今回の訓練でも、多くの自主防災会の皆さんから投稿いただくとともに、インターネット上に公開された情報から被害の全容を把握する訓練を行いました。まだ様々な課題はありますが、ドローンから送られてくるライブ映像と併せて活用することにより、災害対策本部における被害状況の収集・分析がしやすくなるという手応えを感じております。 今回の訓練の振り返りをしっかりと行い、引き続き、災害への備えを進めてまいります。
10月4日には、「道の駅遠山郷」がいよいよグランドオープンいたしますが、これに先立ち、9月8日を初日として、9月中に10日間のプレオープンを実施いたします。
プレオープン期間中に利用者の皆さんからのご意見を伺い、準備万端でグランドオープンを迎えられるよう進めてまいります。
ここに至るまで市議会をはじめ市民の皆さんからご理解とご協力を賜りましたことに、改めて感謝申し上げますとともに、引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。
また、11月に開館110周年を迎える中央図書館につきましても、本会期中の9月23日に初の試みとして「図書館マルシェ」を開催いたします。 ぜひ、この機会に多くの皆さんに図書館へ足をお運びいただきますよう、お願い申し上げます。
それでは、今定例会に提案いたします議案について申し上げます。
本日提案いたします議案は、報告案件2件、人事案件3件、条例案件11件、一般案件10件、予算案件6件、決算認定13件の計45件です。
議案第100号「令和7年度一般会計補正予算第3号案」は、今年度に入り国において予備費を活用して措置された物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金の追加交付分を活用し、現下の物価高により厳しい状況にある市内の社会福祉施設や医療関連施設が安定的に事業を継続できるよう光熱費等の高騰分影響額を緩和するための支援策などを計上しております。
議案第106号から第118号までは、令和6年度の各会計の決算認定をお願いするものですが、ここで令和6年度決算の概要についてご説明いたします。 一般会計に墓地事業及びケーブルテレビ放送事業の両特別会計を合算した「普通会計」の決算では、歳入が559億5,400万円余、歳出が550億6,900万円余で、実質収支は 7 億3,600万円余の黒字、実質単年度収支は 1,100万円余の黒字となりました。
歳入では、市税は定額減税の影響による個人市民税の減など、 1 億1,900万円余の減となりましたが、普通交付税が前年度より増加し、物価高騰対応の交付金や地方債の発行が増加したため、歳入総額は前年度比 56 億7,100万円余の増額となりました。
なお、昨日の全員協議会でもご報告申し上げましたとおり、令和6年度の市税収納率につきましては、現年分・滞納繰越分を合わせた合計で99.59%と県内19市中1位となりました。物価高騰等の中、納期内納付を実践いただいた多くの市民の皆さんに感謝申し上げます。
また、歳出は、大雨等による災害復旧費用、道の駅遠山郷施設整備や小学校施設長寿命化改修に伴う普通建設事業費の増、原油価格・物価高騰や定額減税に伴う調整給付金の支給などにより増加し、さらに、人事院勧告の影響や退職手当の支給による人件費や物件費等が増加したことにより、歳出総額は、前年度比57億6,000万円余の増額となりました。
歳入歳出総額は、過去最大となった令和2年度につづく過去2番目の規模となり、コロナ禍以降の予算決算規模の拡大傾向については注視が必要であると考えているところであります。来年度以降の予算編成においても財源の在り方を含め慎重に考えてまいりたいと存じますが、今議会の決算審査においても、慎重に審査いただきますようお願いいたします。
また、財政健全化判断比率のうち、実質公債費比率については、前年度比で0.5ポイント上昇し8.6%、将来負担比率については、前年度比で4.1ポイント上昇し7.2%となりました。これらの指標につきましても、現時点では問題ない数値と捉えておりますが、今後控える大規模事業を進めていくうえで、引き続き指標等を注視し、健全財政の維持に努めてまいります。
国の政治が極めて不安定な状況にある今、我々地方公共団体がしっかりせねばという思いを強くしております。
折しも明日9月3日から、阿部長野県知事が全国知事会会長に就任されます。
「地方から国を変える、長野県から日本を変える」という阿部知事の思いに深く共感し、その改革に向けた動きの一翼を飯田市も担っていく決意を申し上げますとともに、議員各位にもご理解と御協力をお願い申し上げまして、開会にあたってのご挨拶といたします。
どうぞよろしくお願いいたします。