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令和8年飯田市議会第2回定例会 開会市長あいさつ

ページID:20260529 更新日:2026年5月29日更新 印刷ページ表示

令和8年飯田市議会第2回定例会 開会市長あいさつ

 本日ここに令和8年飯田市議会第2回定例会を招集し、令和8年度一般会計補正予算第1号案ほか諸案件をご審議いただきますことに対し、御礼を申し上げます。

 先月末に長野県から公表された「令和7年国勢調査」の速報値では、本市の総人口は90,652人となり、令和2年の前回調査から7,512人の減、増減率はマイナス7.7%と、想定以上に人口減少が進んでいる現実が明らかになりました。
 「いいだ未来デザイン2028」の人口ビジョンが掲げる2028年の展望人口92,000人をすでに下回ったこととなり、これとどう向き合うのか、考え方を整理する必要がある状況です。
 足下の実感としても、地域コミュニティにおける担い手不足、地元企業の深刻な人手不足など、市民生活のあらゆる場面に人口減少・少子化の影響が及んできています。
 今後公表される確報値をもとに、年齢別の人口動態、就業や居住の状況などを多角的に検証し、当市が直面している課題をあらためて詳細に把握していくこととなりますが、「いいだ未来デザイン2028後期計画」の基本方針「人口減少の緩和と適応」に具体的にどのように取り組むのか、改めて検討し直す必要があると考えております。
 人手不足をカバーするデジタル技術の活用が考えられる一方、地域における支え合いの仕組みの再構築、今までとは違うアプローチにより顔の見える関係をどう作るかといった試行的チャレンジを通じて、市民の皆さんが安心して、自分らしく健やかに暮らし続けられる飯田市の実現に向けた取組を模索してまいります。

 市民の皆さんに安心して暮らしていただくために、防災・減災の取組は大変重要です。
 5月23日には、令和7年度事業として祝井沢川に設置した固定式ポンプのお披露目を兼ねて、松尾地区内水排除訓練を行いました。
 祝井沢川への固定ポンプの設置により、令和6年度事業として金色洞川に設置した固定式ポンプ、令和7年度事業としてその周辺に整備した遊水地と併せ、松尾地区の浸水災害への備えは大きく向上したものと考えております。
 引き続き、上流に当たる伊賀良地区、鼎地区から流入する雨水への対策を強化するなど、松尾地区の浸水災害防止の取組を進めてまいります。

 5月26日には、旭松食品株式会社が飯田市との協定に基づいて整備してくださった災害時給水場所の竣工式が行われました。
 この給水場所は、災害時に飲料水等の確保が必要となった場合に、市民の皆さんに対して井戸水を無償で提供していただく設備を会社側のご負担により会社敷地内に設置いただいたものです。
 これまで、災害時に協力企業の井戸水を利用して応急給水を行う場合には、飯田市が臨時・仮設の給水場を設置する必要がありましたが、常設の給水場所ができたことにより、応急給水の迅速化、効率化が図られることとなり、また、給水車の補給中継基地としても役立つことが期待されます。
 旭松食品株式会社は、併せて、隣接する輝山会記念病院に対しても、災害時に井戸水を無償提供するための協定を締結しており、このことは、透析が必要な方をはじめ患者の命に直結する水の確保に資する取組であり、心からの敬意と感謝を申し上げたいと存じます。

 これから本格的な梅雨、そして台風による出水期を迎える時期となります。
 来る5月31日(日)には、土砂災害・全国統一防災訓練の実施を予定しております。各地区におかれても自主防災組織を中心とした避難情報の伝達訓練等を計画いただいておりますが、地域の皆さんには、平素から防災に対する意識を高め、いざという時に助け合える体制づくりをお願いしたいと思います。
 なお、5月28日から、防災気象情報が再編されております。これは、災害時に「いつ」「どのように」行動すればよいかをより分かりやすくお伝えするため、災害の種類ごとに5段階の警戒レベルでお知らせするものです。
 これにより、これまで発表されていた「土砂災害警戒情報」は「レベル4 土砂災害危険警報」として発表されることとなり、市民の皆さんにとりましても、避難行動の判断がよりしやすくなるものと考えております。
 市民の皆さんにおかれましては、この機会にいま一度、ご自宅周辺のハザードマップをご確認いただき、避難経路や非常持ち出し品のチェックなど、日頃からの備えを万全にしていただきますようお願い申し上げます。
 市といたしましても、この新たな防災気象情報の速やかな周知を図るとともに、引き続き防災体制の強化に努め、市民の皆さんの安全と安心を守るため、万全を期してまいります。

 令和6年度、飯田市と品川区は、これまでの様々な事業を通じた交流、親交の積み重ねの上に立ち、災害時相互援助協定を締結しました。
 この協定に基づく取組の一環として、今後、大規模な地震や風水害などにより品川区に災害救助法が適用された際、本市の民泊をはじめとする宿泊施設を避難のために提供する「飯田市結い保険事業」を、来る6月1日より運用開始いたします。
 本年4月に、品川区民を対象に結い保険の加入者を募集したところ、わずか10日間ほどで定員に達し、55組126人の皆さんにご加入をいただきました。
 本事業は、災害時の相互扶助にとどまらず、これを契機に品川区の皆さんに飯田市の魅力を深く知っていただき、飯田市が品川区の皆さんにとっての「未来のご近所」「第2のふるさと」となることを目指すものであります。適用となる災害が起こらなければ、地元産品の提供や体験ツアーの実施などを予定するものです。
こうした助け合いのネットワークを通じ、飯田市の地域づくりに共感していただける関係性を構築し、品川区との交流をさらに深めてまいります。

 なお、人災とも言うべき、昨今の国際情勢の影響による燃料、資材等の供給不安につきましては、当地域の経済への影響を把握するため、5月20日に、飯田商工会議所、長野県、金融機関、飯田市等の関係機関で構成する連絡会を開催し、情報交換を行いました。
 連絡会では、原料や資材が大企業に優先的に流れることにより、地方の中小企業への供給が遅れる事例が報告されており、具体的には、塗料や断熱材、樹脂等の石油製品の製造が困難になるほか、価格高騰による工期遅延や商品供給への影響が懸念されています。
 市といたしましては、国や長野県等の関係機関と連携し、引き続き情報収集と分析を進めてまいります。
 また、昨年から全国的に被害が生じているクマの日常生活圏への出没について、飯田市においても市民の皆さんの心配が高まっておりますが、令和7年9月に「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」の改正法が施行され、緊急銃猟制度が創設されたことから、飯田市でも、昨年10月に改訂された長野県の「ツキノワグマ出没時対応マニュアル」に準拠する形で、緊急銃猟の流れを理解し、安全かつ的確な緊急銃猟の実施に資することを目的として、「飯田市ツキノワグマ出没時対応マニュアル」を策定しました。このことは、先の全員協議会でご報告したとおりですが、今後、長野県と連携した訓練の実施について調整してまいります。

 それでは、今定例会に提案いたします案件について申し上げます。
 本日提案いたします案件は、報告案件18件、人事案件4件、条例案件7件、一般案件6件、予算案件2件の計37件です。

 議案第70号「飯田市国民健康保険税条例の一部を改正する条例の制定について」は、国民健康保険税を増額改定しようとするものです。
 国民健康保険税の税率につきましては、平成27年度に引き上げを行って以降、平成30年度に資産割の廃止に伴う引き下げを行ったほかは、厳しい国保財政運営の中、今日まで据え置いてきたところです。
 今般、国の「こども未来戦略」に基づき、本年4月から「子ども・子育て支援納付金」が導入され、長野県が示す標準保険料率との平準化を図る必要が出てまいりましたことから、国民健康保険税を平均4.0%の増額改定することについてご提案するものです。なお、この内容につきましては、飯田市国民健康保険運営協議会にお諮りし、妥当であるとの答申をいただいております。

 議案第74号「飯田市いじめ問題対策連絡協議会等条例の制定について」は、市内小中学校に通う児童生徒が安心して、健やかな学校生活を送るために、「いじめは重大な人権侵害であり、絶対に許されない行為である」という基本的認識のもと、いじめ問題は、どの学校においても起こりうることを想定し、いじめ防止対策推進法に基づき、関係各機関が連携し、迅速で実効性のあるいじめ防止対策を推進するため、いじめ問題対策連絡協議会等を設置しようとするものです。

 議案第81号「令和8年度一般会計補正予算第1号案」は、歳入歳出ともに 2 億3,000 万円余を追加したいとするもので、観光誘客に向けた二次交通対策として、6月から導入される長野県の宿泊税を活用し、多くのインバウンド観光客が訪れる馬籠宿から、昼神温泉、天龍峡を経由して飯田駅までを結ぶ定期周遊バスの実証運行に係る委託料のほか、4月9日から10日にかけての豪雨による林道52箇所の土砂崩れ等の復旧に要する経費等について計上しているものです。

 議案の詳細につきましては、後ほど関係部課長から説明いたしますので、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。

 昨年から少しずつ読み進めている、安宅和人(あたか かずと)著『「風の谷」という希望~残すに値する未来をつくる』の第5章「レジリエンス」には、「レジリエンスは変化を受け入れながら本質的な機能を維持する能力」を指す、とした上で、具体的には「受け身力」「対応力」「復旧力」の3つの相互補完的な要素から構成される、と述べられています。
 筆者は、「受け身力」とは、「災害などの衝撃が訪れた際に、被害を最小限に抑える能力」、「対応力」とは、「災害発生時に迅速かつ効果的に行動する能力」、「復旧力」とは、「被災後に速やかに機能を回復する能力」と定義付けて、「これら3つの能力が有機的に連携し、さらに『心のレジリエンス』に支えられることで、単に災害に強いだけでなく、変化に適応しながら進化し続ける生命体のような空間となる」と述べています。
 そして、「心のレジリエンスとは、困難な状況のなかでも意味を見出し、誰かとつながり、自分自身の力を信じられる状態を保てること。そしてそれは、個人の資質に委ねるべきものではなく、むしろ空間とコミュニティが支えるべき力といえる」として、これを支える空間の条件とは、「安全である」「人との関係性を育める」「小さな役割を持てる」「自然との接点がある」といった要素を備えた場所である、と述べています。
 「レジリエンスとは単なる防災や復旧ではなく、その先に続く“暮らし”や“創造”といった営みに橋をかける『土台』でもある」――本全体を通読できていませんし、その内容を十分に咀嚼できてもおりませんが、只今ほんの一部ご紹介した言葉だけでも、大変示唆に富んでいると思います。
 冒頭に述べた、想定以上に人口減少・少子化が進む現状は、まさに困難な状況ではありますが、その中でも、人と人とのつながりを育み、地域の力を信じられる心のレジリエンスを保てるよう、そして、「くらし豊かなまち」を創造していけるよう、強い意志を持って市政運営に当たっていく、その決意を申し上げまして、開会にあたってのご挨拶といたします。
どうぞよろしくお願いいたします。

 

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