○飯田市公共工事等の発注等事務に係る規律の保持に関する訓令
平成24年3月30日
訓令第3号
本庁事務部局及び出先機関
(趣旨)
第1条 この訓令は、公共工事等の発注等事務に関し市民の疑惑を招くことのないようにし、及び規律を保持するため、当該事務の実施に関し必要な事項を定めるものとする。
(1) 公共工事等 飯田市が発注する建設工事、役務の提供及び物品の納入をいう。
(2) 発注等事務 公共工事等における仕様書及び設計書の作成、予定価格の作成、入札及び契約の方法の選択、契約の相手方の決定、監督及び検査並びに契約の履行状況の確認及び評価その他の契約の締結又は公共工事等の代価の支払のために必要となる事務をいう。
(3) 発注等担当職員 発注等事務を担当する職員をいう。
(4) 事業者等 法人その他の団体若しくは事業を営む個人又はこれらの者が構成員となる団体であって、発注等事務に関して利害関係を有するものをいう。
(5) 不当な働きかけ 職員に対して行われる事業者等の行為のうち、発注等事務に関するものであって、当該発注等事務の公正な職務の執行を損なうおそれのある次に掲げるものをいう。
ア 事業者等からの競争入札への参加又は不参加に関する要求行為
イ 事業者等からの受注又は事業者等に発注しないことに関する要求行為
ウ 落札決定前の予定価格、低入札価格調査制度の調査基準価格及び最低制限価格(これらを推測できる金額を含む。)に関する情報を要求する行為
エ 落札決定前における入札参加者に関する情報を要求する行為
オ その他事業者等への便宜若しくは利益の供与若しくは不利益の誘導又は談合につながるおそれのある要求行為
(発注等担当職員の責務)
第3条 発注等担当職員は、公共工事等の多くが市民の生活又は経済活動の基盤となる社会資本の整備を行うものであることを自覚するとともに、発注等事務に関しては、市民の疑惑を招くことのないようにしなければならない。
2 発注等担当職員は、発注等事務の実施に当たり、刑法(明治40年法律第45号)、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号)、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(平成12年法律第127号)、入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律(平成14年法律第101号。第7条において「入札談合防止法」という。)、飯田市財務規則(昭和56年飯田市規則第7号)その他の発注等事務に係る関係法令を遵守しなければならない。
3 発注等担当職員は、発注等事務の実施に当たり、常に公正な職務の執行と透明性の確保に留意するものとし、事業者等からの発注等事務についての問合せ等に必要な情報を提供する等適切にこれに対応しなければならない。
(発注等担当職員以外の職員の責務)
第4条 発注等担当職員以外の職員は、発注等担当職員に対して、前条の規定に抵触することとなる働きかけを行ってはならない。
(秘密の保持)
第5条 発注等担当職員は、落札決定前における予定価格及び入札参加者名その他の発注等事務に関する秘密(次項において単に「秘密」という。)を保持しなければならず、当該発注等事務に係る発注等担当職員(当該秘密を知るべき者に限る。)でない職員その他の者にこれを教示若しくは示唆をし、又は発注等事務の目的以外の目的のために利用してはならない。
2 発注等担当職員は、秘密に関する書類(その写し及び記録媒体を含む。)を庁舎外に持ち出し、及び送付(電磁的方法によるものを含む。)をし、その他これらに類することを行ってはならない。ただし、やむを得ない理由があるものとして所属長の承諾を得た場合は、この限りでない。
(事業者等との応接方法)
第6条 発注等担当職員は、公平かつ適正に事業者等と接することとし、一部の事業者等を差別的に取り扱ってはならない。
2 発注等担当職員は、事業者等との応接の際には、原則として受付カウンター等オープンな場所で複数により対応するものとし、かつ、市民の疑惑や不信を招かないよう事業者等との応接は必要最小限にとどめるものとする。ただし、事前に所属長の承諾を得た場合は、この限りでない。
(秘密漏えい等に係る報告)
第7条 職員は、発注等事務に関し、他の職員が秘密の漏えい(入札談合防止法第8条に規定する入札等の秘密を教示することをいう。)、談合への関与(秘密の漏えいを除く入札談合防止法第8条に規定する行為及び刑法第96条の6第2項に規定する行為をいう。)、賄賂の授受(刑法第197条に規定する行為をいう。)その他発注等事務に関し法律に規定のある犯罪行為の事実を認め、又は通報を受けたときは、書面により速やかに財政課長を経由し、総務部長に報告するものとする。
2 総務部長は、前項の規定による報告を受けたときは、総務部長に報告を行った職員(以下「報告職員」という。)に対し、当該報告を受け取った旨を書面で通知するものとする。
(秘密漏えい等に係る調査)
第8条 総務部長は、前条の規定による報告について、事実を確認するため必要な調査を行うものとする。この場合において、総務部長が必要と認めたときは、飯田市公正入札調査委員会(飯田市公正入札調査委員会の設置に関する訓令(平成24年飯田市訓令第4号)により設置されるものをいう。以下同じ。)において調査を行うものとする。
3 第1項の規定により行った調査の結果の概要及び前項の規定により講じた措置の内容については、飯田市職員の懲戒処分等の指針(平成21年飯田市訓令第12号)の規定にかかわらず公表を行うものとする。
4 総務部長は、前2項の規定による調査及び公表を行うに当たり、報告職員の氏名等(当該報告職員を特定し得る情報をいう。)が明らかにならないよう配慮するものとする。
5 総務部長は、調査の結果の概要及び措置の内容を報告職員に書面で通知するものとする。
(事業者等との関係に係る報告)
第9条 職員は、第7条第1項に規定するもののほか、他の職員が事業者等から金銭、物品若しくは不動産の贈与を受け、又は事業者等の負担により当該事業者等と共に遊技、ゴルフ若しくは旅行をするなど、飯田市職員の懲戒処分等の指針第7条第15号に規定する行為を行った事実を認め、又はその通報を受けたときは、書面により速やかに財政課長に報告するものとする。
2 財政課長は、前項の報告を受けたときは、その旨を人事課長に通知し、事実を確認するための必要な調査を行うものとする。
(他の窓口からの通知)
第10条 人事課長は、発注等事務に関し、職員が飯田市職員の懲戒処分等の指針第7条第15号に規定する行為の疑いのある旨の報告を受けたときは、その旨を財政課長に通知するものとする。
(不当な働きかけに対する対応)
第13条 職員は、事業者等から不当な働きかけに該当すると思料する行為を受けたときは、その者に対して、応じられない旨及び当該働きかけが公表されるものとなる旨を伝えるよう努めるものとする。
2 職員は、事業者等から不当な働きかけに該当すると思料する行為を受けたときは、速やかに所属長を経由し、部等の長に報告するとともに、その後の対応について指示を受けるものとする。
3 前項の報告を受けた部等の長は、不当な働きかけがあったと認めるときは、報告を行った職員に当該不当な働きかけの概要について書面により報告させるものとする。
4 職員は、前項の規定により報告する書面を作成するときは、事実に基づき正確に記載しなければならない。
(不当な働きかけに係る報告)
第14条 前条の規定により報告を受けた部等の長は、財政課長を経由して、総務部長に報告するものとする。
(不当な働きかけに係る調査)
第15条 総務部長は、前条の規定による報告について、事実を確認するため必要な調査を行うものとする。この場合において、総務部長が必要と認めた場合は、飯田市公正入札調査委員会において調査を行うものとする。
2 総務部長は、前項の規定により調査を行った結果、不当な働きかけの事実があると認められるときは、必要な措置を講じ、かつ、不当な働きかけの内容及び対応状況についての公表を行うものとする。
(執務環境の整備等)
第16条 総務部長は、公共工事等の発注等事務に係る仕様書及び設計書の作成を担当する課等の執務室について、次に掲げる事項の実施その他の秘密の漏えいの防止を図るために必要な措置を発注等担当職員の部等の長に指示するものとする。
(1) 執務室への自由な出入りが制限されている旨を掲示等の方法により周知すること。
(2) 担当部課等において発注等担当職員が事業者等と応接するための場所を確保すること。
(研修、講習等)
第17条 総務部長は、職員に対し、発注等事務の的確な遂行に関する理解を深め、発注等事務に係る関係法令の遵守及び規律の保持に関する意識の高揚を図るため、必要な研修、講習等を行う。
(規律の保持についての事業者等への周知)
第18条 総務部長は、公共工事等の発注等事務に係る規律の保持の実施について事業者等に周知を行うものとする。
(補則)
第19条 この訓令に定めるもののほか、公共工事等の発注等事務に係る規律の保持に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附則
この訓令は、平成24年4月1日から施行する。