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今田人形の外題紹介

ページID:0134856 更新日:2026年2月24日更新 印刷ページ表示

今田人形座は現在12外題を演じます。
江戸時代から明治時代に作られた武勇伝の流れをひく時代物と、身近な町人の事件を描く世話物の名作は、人々の喜怒哀楽を大胆に、そして細やかに描き、今も観客の心をひきつけます。
一方、昭和に作られたオリジナル作品「小太郎物語」などもあり、多様な物語とリアルでこまやかな技は、観る人の琴線に触れることでしょう。

二人三番叟(ににんさんばそう)

天下泰平、五穀豊穣を祈願するご祝儀の舞です。
能の『翁』(おきな)と、狂言方が舞う『三番叟』を義太夫節にしたこの舞の底には、謡曲の節のおもむきが流れています。
翁、千歳が祝い浄めて舞台を去ったあとに二人の三番叟が登場します。今田人形では『揉の段』につづく後半部分の『鈴の段』だけをアレンジして舞います。
まず、四隅と中央の五方をきよめ、柝、太鼓、鼓、笛の囃子と三味線、太夫の語りにのってにぎやかに舞います。
鈴を持って四方に種を蒔くころから舞は次第に早くなり、一人が疲れて休むともう一人が立たせ舞い続けます。
華やかにユーモラスに、最後は二人揃ってめでたく舞い納めます。

寿式三番叟

戎舞(えびすまい)

三番叟とともに淡路人形の最も古い形式を残した神事舞です。
乾(北西)の方角から烏帽子をかぶり、狩衣を着たえびす様が、釣り竿をかついで庄屋さんの家へやってきました。
庄屋さんは家を清め、御神酒を出し、もてなします。
盃を飲み干したえびす様は、自分の生まれや、福の神であることを話しながら舞い始めます。
海の幸、山の幸を前に、豊漁、豊作、世界平和やお家繁盛を祈りながら、御神酒を飲み、幸福をその地に運んできます。
酔ったえびす様は、舟に乗り、沖に出て大きな鯛を釣り、めでたしめでたしと舞い納めるのでした。

戎舞

絵本太功記 尼ケ崎の段(えほんたいこうき あまがさきのだん)

「本能寺の変」前後の武智(明智)光秀を主役にした物語です。
十段目尼ヶ崎の段は「太十(たいじゅう)」と呼ばれ親しまれている全編のクライマックスです。
光秀の老母・さつきは主君を殺した息子が許せず尼ヶ崎に隠棲しています。
光秀の息子・十次郎が初陣を願って訪れ、許嫁の初菊と祝言を挙げて出陣します。
光秀は、一夜の宿をとった旅の僧、実は宿敵・真柴久吉が潜む湯殿に竹槍を突き込みますが、深手を負ったのは母のさつきでした。
身を挺して主殺しの罪深さを諫めますが、主君を討ったのは天下のためという光秀の信念は変わりません。
そこへ瀕死の十次郎が戻り負け戦を告げ、父の身を案じながら息絶えます。
さつきも事切れ、さすがの光秀も涙を堪えることができません。
光秀の妻操と初菊の嘆き。鎧姿の久吉が現れ、2人は天王山で再び決することを約束し別れます。
息もつかせぬ時代物浄瑠璃の醍醐味を満喫できる物語です。

絵本太功記

伽羅先代萩 政岡忠義の段(めいぼくせんだいはぎ まさおかちゅうぎのだん)

歌舞伎を人形浄瑠璃になおした奥州伊達藩のお家騒動の物語で、天明五年に江戸の結城座で初演されました。
伊達藩は故あって幼い鶴喜代があとをついでいます。悪人の栄御前と八汐は鶴喜代を殺して藩を乗っ取ろうと悪だくみをしています。
鶴喜代の乳母政岡は暗殺を心配して自分で炊いたご飯しか食べさせません。八汐は政岡を鶴喜代のそばから離そうとします。
栄御前が頼朝の使いと言ってあやしい菓子折りを持ってきて、鶴喜代に無理に食べさせようとします。
すると政岡の子、千松が駆け込んできてかわりに食べ、苦しみだしました。毒が入っていたのです。
八汐は悪事を隠そうと千松を残忍に刺し殺します…。

伽羅先代萩 

菅原伝授手習鑑 寺子屋の段(すがわらでんじゅてならいかがみ てらこやのだん)

平安時代、菅原道真が陰謀で左遷された事件「昌泰の変」を元に描かれた物語です。
寺子屋の主・武部源蔵は、菅丞相(菅原道真)の息子・菅秀才を匿っていました。
政敵・藤原時平の命で菅秀才を討てと迫られた源蔵は、苦悩の末、寺子屋に通う子供の中から育ちの良さそうな小太郎を身代わりにして首を討ちます。
検分にやって来た時平の配下・松王丸は、意外にも偽の首を本物と認めました。
松王丸は小太郎の母・千代に「倅(せがれ)はお役に立ったぞ」と告げます。
実は小太郎は松王丸の息子で、恩義のある菅丞相のために菅秀才の身代わりとして寺子屋に入れたのです。
二人は菅秀才として我が子の野辺の送りをするのでした。

菅原伝授手習鑑

壺坂霊験記 沢市内より御寺まで(つぼさかれいげんき さわいちうちよりみてらまで)

明治二十年に二世豊沢団平がそれまでのものを直して上演した作品です。
疱瘡で目が見えなくなった沢市は琴や三味線を弾きながら、妻お里の賃仕事を頼りに細々と暮らしていました。
お里が毎晩家を抜け出すのをいぶかっていた沢市は、ある日お里に不貞をしているのではと問います。
驚いたお里ははじめて、沢市の目が治るよう壺坂の観音様に三年越しでお参りしているのだと打ち明けました。
沢市は詫び、お里と壺坂寺にお参りに出かけます。
しかし山のお寺で見えぬ目に世をはかなんだ沢市は、自分では妻を幸せにすることはできないと、お里がいない間に谷に飛び込んでしまいます。
それを知ったお里も嘆き悲しみ後を追って身を投げます。
すると観音様があらわれ2人の心がけと信心をほめ、その霊験によって夫婦は生き返ります。
沢市の目も開き、喜んだ2人は万歳を舞ってお礼参りをするのでした。

壺坂霊験記

傾城阿波の鳴門 巡礼歌の段(けいせいあわのなると じゅんれいうたのだん)

近松門左衛門の原作を改作し、お家騒動を絡ませた十段つづきの物語。明和五年に初演されました。
現在は八段目「十郎兵衛住家」だけが上演されます。「順礼歌の段」はその前半です。
阿波十郎兵衛は主家の宝、国次の刀を探して盗賊銀十郎となって大坂に住んでいます。
女房お弓が一人留守番をしているところへ、父母を探しているという遍路姿の幼い娘が「巡礼に御報謝」と訪ねてきます。
お弓は話を聞いて、実の娘おつると気づきますが、今は盗賊の身、名のってはかえっておつるに難儀がかかると髪を直してやって帰らせます。
しかし、今別れてしまってはもう会うことはできないと思い返し、あとを追うのでした。

傾城阿波の鳴門

生写朝顔話 宿屋より大井川の段(しょううつしあさがおばなし やどやよりおおいがわのだん)

当時大流行した読本「朝顔日記」が歌舞伎化され、それを浄瑠璃に改作して天保三年に初演された五段つづきの時代物です。
宇治の蛍狩りでたがいに見初めた宮城阿曽次郎と家老の娘・深雪の悲しい恋の物語です。
伯父の家を継いで駒沢次郎左衛門となった阿曽次郎は、島田宿で変わり果てた盲目の深雪に会います。
しかし、同道の岩代多喜太のてまえ名乗ることも出来ず、目薬と金子(きんす)を宿の亭主戎屋徳右衛門に託して去ります。
宿を下がった深雪もなぜか気になって引き返し、やはり駒沢が恋人の阿曽次郎だったと知ってあとを追います。
大井川に恋人の姿はなく、急な大水で川止めです。深雪は天を恨み、わが身を恨んで川に身を投げようとします。そこへ…。

生写朝顔話

伊達娘恋緋鹿子 火の見櫓の段(だてむすめこいのひがのこ ひのみやぐらのだん)

八百屋お七を題材にした八段つづきの世話物で、安永二年に初演されました。
いまは六段目の「八百屋」だけが残り、「火の見櫓」の部分のみの上演となっています。
お七は相思相愛の小姓吉三郎から、主君のために探している刀を今夜中に取り戻さなければ死ぬという遺書を渡されます。
刀はお七に横恋慕する武兵衛が待っていることを突き止め、下女お杉が取り返してくるのを待っています。
夜中の十二時の鐘が鳴りました。町の門が閉められます。刀を届けるため門をあけるには半鐘を打って火事だと思わせるしかありません。
火事でもないのに半鐘を鳴らせば火あぶりの刑です。しかし、お七は吉三郎のために火の見櫓に登り半鐘を打ち鳴らします。
この櫓を登るところが見どころです。

伊達娘恋緋鹿子

日高川入相花王 渡し場の段(ひだかがわいりあいざくら わたしばのだん)

安珍、清姫の道成寺伝説に皇位継承権の争いを絡めた五段つづきの物語で、宝暦九年に初演されました。
朱雀天皇は弟の桜木親王に皇位を譲ろうとしますが、反対派が親王の命を狙っています。
親王は安珍と名をかえて逃れ、熊野の真那古庄司の館にたどり着き、 恋人と再会し道成寺へと向かいます。
親王とも知らず安珍も恋をしていた庄司の娘・清姫は、嫉妬に狂い安珍の後を追います。
月明かりの中、道成寺に近い日高川にたどり着いた清姫は船頭を呼びますが、 安珍に金をもらって清姫を渡さないよう頼まれていた船頭は、冷たくあしらいます。
どうしても安珍に追いつきたい執念で、清姫は大蛇になって川を渡ってゆくのでした。

日高川入相花王

小太郎物語(こたろうものがたり)

飯田市民手づくりの今田人形オリジナル作品で、昭和58年に初演されました。
浄瑠璃がわからない子どもたちにも楽しい今田人形にふれてほしいという願いから、長野県の民話を題材に、ふるさとことばや子どもも歌える歌がちりばめられています。
小太郎の母はお腹に小太郎がいるころ、水不足のため食べ物が乏しく、よその畑のものを食べて竜にされてしまいました。
十歳になった小太郎は、欅のおじいまや隣の家のゆうに助けられて母親を探しに出かけます。
暗い湖で白竜となった母に出会った小太郎は、親子で山を砕き、水を抜いて田畑を広げます。
小太郎を乗せて空高く舞い上がった母竜は、地上に降りて天の竜の川になり、人の姿に蘇ります。
ようやく一緒になれた小太郎と母は、龍江の里で楽しく暮らします。

小太郎物語

東海道中膝栗毛 赤坂並木より古寺の段(とうかいどうちゅうひざくりげ あかさかなみきよりふるでらのだん)

弥次郎兵衛と喜多八は、上方をめざして東海道を旅しています。
御油の宿を出て赤坂へ向かう並木道に悪い狐が出ると聞き、弥次郎兵衛は狐の面をかぶって喜多八を脅かしてからかいます。
お墓にさしかかると徳利を下げたお使い帰りの小僧がやってきて、化け物と勘違いした弥次郎兵衛は棒で殴ってしまいました。
怒った親父が現れて喜多八は逃走、弥次郎兵衛は酒代と子どもの治療費を請求され、「ふんどしの下に金(きん)二両」などとふざけていると金(きん)を握られて気絶してしまいました。
気が付けば経帷子と角帽子を着せられて亡者姿。すっかり自分は死んだものと思い込みます。
古寺にたどり着いた弥次郎兵衛は、自分は亡者だと和尚に助けを求めます。
偶然この寺に逃げ込んでいた喜多八は、弥次郎兵衛の姿にびっくり、二人で和尚に念仏をあげてもらいますが、結局は狐にだまされたのでした。
それでも気を取り直して、また旅を続けていきます。

東海道中膝栗毛