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飯田文化会館情報誌 toi toi toi!第1号「青春の思い出を 最高の舞台で」
飯田文化会館情報誌 toi toi toi! これからの文化を担っていく人を紹介するコーナー「Toward the next stage」。
第1号は「青春の思い出を 最高の舞台で」と題して、渡邉祐輝さんを紹介します。

令和4年10月、飯田文化会館ホールにて「高校生の光り輝く姿を残そうプロジェクト」の撮影会が開催されました。
このプロジェクトは、一般社団法人 飯田青年会議所(以下、飯田JC)が企画・主催し、第1回は令和3年に開催。
音楽やダンスなどジャンルを問わず、高校生の団体パフォーマンスの成果を映像として記録し、動画サイトで公開することを目的に実施。
飯田下伊那在住の高校生のステージパフォーマンスを、プロのカメラマンが撮影し、編集された映像を動画サイトで公開しています。
この企画・運営の中心となっていたのが、飯田JCメンバーの渡邉祐輝さん。
ダンスを仕事としていた自身の思いや経験を生かした内容を企画しました。
開催に至った経緯を渡邉さんは「コロナ禍で文化祭や修学旅行など学校行事が自粛される中、高校生たちの青春の思い出が失われているのを感じていました。
その頃、飯田JCでは『青少年がこの街を元気にしていく。その青少年に向けて何かできないか』という声があり、コロナ禍でも頑張っている高校生たちを、何か元気づけることができないかと考えました。
私がやっていたダンスの分野だと、以前はダンスだけで生計を立てるのは難しかったけど、今はSNSなどでより身近なものになっていく中で、ダンスを生業とすることもできるようになってきている。
新しい価値観が生まれてきている現状で、若者の感性で何かおもしろいことができるのでは?と思い、飯田JCの中で『若者の好きなものにフォーカスする』ことをテーマとした委員会を立ち上げました」と話します。
令和3年の春、委員会立ち上げ当初は、俳優の方と「好きなことを仕事にする」というテーマで対談し、オンラインで配信したり、ダンスレッスンの体験会などを行っていました。
そんな中で渡邉さんは「高校時代の活動を、一生残るきれいな映像として残してあげたいという気持ちが高まっていった」と話します。
過去、ダンサーとして仕事をしていた時、仕事以外の場所できれいな映像で撮ってもらったことがなかったことを思い出し『最高の舞台で、最高の思い出作りを』というコンセプトのもと、このプロジェクトをスタートさせました。
しかし、いざ参加者を集めるとなると、学校外で活動をしている高校生たちは前向きな反応でも、コロナの影響で部活動ができていない高校生たちからは「今、発表するものが何もなくて」という声が多く、思いのほか苦労も多かったそう。
「ジャンルはバンドやダンスだけでなく、例えば書道パフォーマンスや吹奏楽など演目はなんでも良くて、いろんな高校に出演依頼をしたのですが、コロナの影響は大きく、なかなか出演に至るには難しかったです」と話します。そんな中で迎えた撮影当日。ダンスとバンドのグループ合計7組の参加となり、撮影は1団体20~30分の中でリハーサル・本番を行いました。


撮影会を終え、渡邉さんは「これだけの事は、たくさんの方の力を借りないとできなかった。
時間のやりくりや参加団体を集める苦労など、やはりコロナの影響は大きかった」と話す一方、やっていて良かった事をお聞きすると「一番は高校生たちの喜ぶ顔。パフォーマンスを見ていると『ああ青春してるなあ』って思います。
それと、令和3年の1回目に出てくれた高校生が『すごく楽しかったので、次回はボランティアで参加したいです』と言って2回目の撮影会当日に手伝いに来てくれたんです。
実はこのプロジェクト、2回目の計画はなかったんですが、1回目をやった時、高校生がみんな喜んでて。それを見てる私もうれしくて楽しい感情が湧いてきました」と、大きな反響に喜びを表しました。
さらにうれしかった事として、令和3年の1回目に出演した風越高校の軽音楽部は、そのパフォーマンスの影響で部員数が大幅に増えたという話も。
「風越高校の軽音楽部の子たちって、みんな上手なんです。それぞれのバンドにファンがいたり、憧れの存在になっているようで。そんな学生たちにとって良い刺激になっているとしたら、このイベントも意味があるのかなと思います。ゆくゆくは、このイベントがあるからうまくなりたいっていうような、目標になるものになっていくといいなと思います。また開催する場合は、映像に残せるパフォーマンスであればどんなものでも参加してもらいたい」と話します。
また、飯田文化会館での開催について渡邉さんは「私にとっても文化会館は思い入れが深い場所なんです。自分も高校生の時に文化会館の舞台でダンスを披露したり、夜になるとホール入口のガラスのドアが鏡のように映るので、毎晩のようにそこで一人、ダンスの練習をしていました。
なので、文化会館で開催できて本当に良かった」と、自身の青春の1ページにある飯田文化会館で開催したプロジェクトが、高校生たちの思い出になったことに、充実感を表しました。
このようなプロジェクトを企画・開催し、発信をする立場として今後についてお聞きすると「飯田市でワクワクを増やしたいですね。私自身ライブやフェスなどエンタメが好きなんです。年齢問わずいろんなジャンルの方が集まって、ワクワクを提供できる文化祭のようなイベントができたらいいですし、その映像も残していきたいです」。
自分自身がエンターテインメントの世界を経験しているからこそ、尻込みせずに自信をもってできる!という、渡邉さんの力強い言葉から、熱い思いが伝わってきました。

渡邉 祐輝(わたなべ ゆうき)さん
1989年生まれ。飯田市出身。
中学3年生からダンスを始め、高校卒業後アメリカ・ロサンゼルスにダンス留学。
帰国後アルバイトをしながら研鑽を積み、バックダンサーとして著名グループやアーティストの全国ツアーや歌番組、紅白歌合戦などに出演。国内外で活動を行う。
24歳で料理の道へ。
29歳で帰郷し、家業である今宮半平の次期代表として仕事をするかたわら、飯田JCのメンバーとして地域活性に関わる活動を行っている。


ダンサー時代の渡邉さん(写真中央)

