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飯田文化会館情報誌 toi toi toi!第4号 ハーモニーの感動が、これからも人生を支えてくれる
飯田文化会館情報誌 toi toi toi! いいだ文化の軌跡を紹介するコーナー「Curtain Call」。
今回は「ハーモニーの感動が、これからも人生を支えてくれる」と題して、飯田シルバーコーラス・かざこしを紹介します。

令和7年6月1日に飯田文化会館ホールで行われた、飯田シルバーコーラス・かざこしの創立35周年記念交歓コンサート。
平均年齢およそ79歳の皆さんは、力強い「大地讃頌(さんしょう)」や深みのある「マイウェイ」など、名曲を次々と披露して観客を魅了しました。
年齢を感じさせない美しい歌声は、毎週第2・4火曜日の午後に飯田文化会館で行っている例会での練習の成果。
実行委員長を務めた鳴澤與(あたえ)さんは、「コロナ禍を挟んで10年ぶりの自主企画コンサートでしたが、精一杯できました」と充実の表情を浮かべます。

「かざこし」の創立は平成2年。高齢者の生きがいづくりを目的に、飯田市福祉課(当時)が主導して開講した「ハイカラ学校」のシルバーコーラス教室が前身です。
ほかにワープロとエアロビクスの教室もありましたが、コーラス教室だけが「飯田シルバーコーラス」として独立し存続。
創立20周年を迎えた平成22年には団体名を現在のものに定め、会歌や記念誌を制作し記念コンサートも開催。
一時期はたった1人まで減少した男性会員も徐々に増え、現在は女性会員合わせて55人になり、平成26年(2014年)から本格的な混声4部合唱が実現しました。


令和2年以降のコロナ禍では例会を開けず、同年に予定していた30周年記念コンサートも延期の末、中止に。
さらに高齢会員の退会が相次ぐなど逆風にさらされましたが、それを乗り越えて、多くのゲスト団体を招いて35周年コンサートを成功させたのです。


飯田シルバーコーラス・かざこしの歴史
平成元(1989)年 11月
ハイカラ学校開講準備会開催
平成2(1990)年 1月
飯田人形劇場でシルバーコーラス教室開講式
指導者:前島正平さん
平成3(1991)年 5月
NHKテレビ出演
平成4(1992)年
4月 飯田文化会館20周年記念音楽会に出演
5月 初めての研修旅行
平成6(1994)年 5月
初めて施設慰問演奏を行う
平成8(1996)年 4月
初めてお花見会を開催
平成13(2001)年 4月
指導者が吉原栄治さんに交代
平成17(2005)年 4月
指導者が宮内宏さんに交代
平成20(2008)年 8月
団体名を「飯田シルバーコーラス・かざこし」に
改名することを決定
平成21(2009)年 1月
会歌「かざこしの歌」が完成
(作詞:鳴澤與さん、作曲:宮内宏さん)
平成22(2010)年
1月 20周年記念誌発刊、20周年記念式典開催(飯田創造館)
4月 20周年記念コンサート開催(飯田文化会館)
8月 全国童謡サミット(in横浜)に初参加
平成25(2013)年 9月
第1回華齢なる音楽祭に参加
平成26(2014)年 11月
伊那谷文化芸術祭で初めて混声4部合唱の大曲に挑戦
平成27(2015)年 5月
創立25周年記念式典、記念交歓コンサート開催
平成28(2016)年 4月
指導者が市東典子さんに交代
令和2(2020)年
3月~ コロナ禍により例会や総会を中止
5月 30周年記念交歓コンサート延期
10月 臨時総会で記念コンサートの中止を決定
令和5(2023)年 5月
30周年記念誌を発行
令和7(2025)年 6月
35周年記念交歓コンサートを開催
インタビュー
「ずっと歌い続けたい、少しでも上達していきたい。」
飯田シルバーコーラス・かざこしの皆さん


令和7年度会長 宮内 昌代 さん
令和5年入会。父は3代目指導者の故・宮内宏さん。昭和38年生まれ。

令和7年度顧問 鳴澤 與 さん
平成12年入会。昭和15年生まれ。会長を3度務め、会歌の作詞も担当。

指導者 市東 典子 さん
4代目指導者(平成28年~)。ほかに地域の合唱団や学校で指導。昭和25年生まれ。
創立35周年記念交歓コンサートを振り返って
鳴澤
気持ち良かったですね。聞きに来てくれた長年の友人たちが「どんどんうまくなるじゃないか」と言ってくれました。本格的な混声4部合唱ができるようになり、レベルアップできたおかげだと思います。
宮内
会場の全員で「マイ バラード」を歌った時は、客席の歌声がステージにも響いてきて心が震えました。
鳴澤
市東先生がいろいろな合唱団や学校に声をかけてくれたおかげです。
市東
歌う側も聞く側も一緒に楽しめる場を作りたくて。このために100人近くの小学生が集まってくれました。一体感が出て良かったですね。
宮内
会歌「かざこし」の3番に「柱きずいた先人の願い未来につなぎあい」という歌詞があるんですが、今回のコンサートはまさにそれが花開いた瞬間だったと思います。
合唱の魅力とは?
宮内
ほかのパートの人たちと歌声が重なってきれいなハーモニーが広がった時の感動は、何物にも代え難いと思います。
鳴澤
会の最高齢の92歳の男性は、「みんなと歌っていると楽しくて元気が出るから、体がしんどくなっても続けたい」と言っています。私も少なくとも90歳までは歌いたいですね。
市東
「かざこし」の皆さんは皆、年齢よりも若く見えます。
宮内
目が不自由のため盲導犬と一緒に参加している方もいらっしゃいます。何歳になっても頑張っている皆さんを見ると、私も元気をもらえます。
これからの抱負や思いを。
宮内
一人一人がこれからも健康で歌を楽しんでいけることが第一。その上で、少しでも合唱が上手になりたいですね。
鳴澤
本当にそう。どんなに歳をとっても、練習で上達するとうれしいんです。
市東
「かざこし」の皆さんは私の厳しい指導にもしっかりついてきてくれます。それに出席率がよく、練習の成果をきちんと共有できているのが素晴らしい。
地区ごとの班体制もしっかりしていて、連絡網や交通手段の確保などで協力し合っていますよね。
鳴澤
35周年をきっかけに、他団体との交流が盛んになりつつあります。
令和6年には飯田西中学校の生徒さんたちとも交流して大いに刺激を受けました。一緒になって歌えば年の差なんて忘れてしまいます。それが合唱の良さなんですよ。

「歌いたい」その気持ちをかたちに
高陵中学校合唱クラブ

校長に直談判して発足
令和7年7月に駒ケ根市で行われたNHK全国学校音楽コンクール(通称、Nコン)長野県大会の南信B予選。全8組のうち、飯田市から出場したのは2組でした。
そのうちの1組、高陵中学校合唱クラブは令和5年6月に発足。当時の1年生6名が「合唱部を作りたい」と、入学早々に校長に直談判。その結果、週1回のクラブ活動として認めてもらうことができ、同校にとっては合唱部が途絶えて以来の合唱団活動が始まりました。
指導するのは高陵中学校のOBで元教諭の塩澤哲夫さん。ピアノ伴奏は飯田シルバーコーラス・かざこしでも伴奏を務めている何原弥生さん。お二人は、同校の活動支援ボランティアとして合唱クラブを支えています。

多くのステージ 仲間集めも工夫
発足当初6名だったクラブ員は現在13名になりました。練習は毎週水曜日のクラブの時間のほか、昼休みに有志で自主練習をすることも。発表の場はNコンのほかに学校の文化祭、伊那谷文化芸術祭、地域イベント、さらに自主的な発表会と、年10回近くに上ります。
クラブ長の村松祐佳さん(3年生)は、「仲間を増やすためにチラシを作って配ったり、昼休みの校内放送で自作の動画を流したりしました。歌っていると嫌なことも忘れて楽しくなれます。」
また、2学期から加入した藤田紗夢さん(2年生)は、「一人で歌うのも好きだけど、みんなと合唱するとすごくきれいでいいなあと思います。」と話してくれました。
新たなあり方のヒントに
塩澤さんは「生徒たちは進んで『これを教えてほしい』と言ってくれる。そうした積極性があれば合唱はどんどんうまくなれます。」と太鼓判。また、「ほかの中学校にも合唱をやりたい子はたくさんいると思うけれど、生徒の減少や指導者の不足が課題。学区を越えた受け皿ができればいいと思います」とも。
今年のNコン予選出場校の中には、複数校による合同合唱団もありました。部活動の地域クラブ化が進む中、生徒自らが設立し仲間を増やしている高陵中学校合唱クラブは、これからの部活動のあり方について大きなヒントと勇気を与えてくれています。



