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出会った人たちが宝となり人生が変わる 〜殿倉さんの移住物語〜
農業と体験型の宿を営む殿倉さんに お聞きしました
お名前
殿倉 健一さん
出身地
東京都文京区
移住したエリア
里エリア(下久堅)
職 業
農業 ・ 宿オーナー
家族構成
夫婦 ・ 子
移住までの経緯・概要
小学生の頃から海外で生活をしていました。オーストラリアやアメリカに住む中でたくさんの文化に出会い、また世界の人々と出会うことができました。お互いに学び合い、手を貸したり、時にはぶつかり合ったり、様々な人々とそんな環境で過ごしてきました。
中学生で過ごした寮では、一人一人が心地よい空間づくりのため、皆で最適な解決方法を見つけていくという生活が楽しかったです。
それに加え、私は子ども好きだったので、東京へ戻ってきた時には、子どもたちの遊ぶ場所がボール投げ禁止だったり、フェンスで囲われていたり、自由の少ない状況を目の当たりにして、不安に感じたことを覚えています。
ここで子育てはしたくないなと思ったのが、地方へ目を向けるきっかけになったかもしれません。そんな流れもあり、飯田市にある妻の実家で農業の研修をすることにしました。
現在は夫婦で農業を営みながら、農業体験とシードルが飲める、畑の中の体験型の宿を始めて、国内外からゲストを受け入れています。
よかったこと・苦労したこと
最初は妻の実家で両親と暮らしましたが、田舎の生活でも、家族のルールや地域のルールがあります。初めはそれに慣れるのが大変でした。ただ、自分の家を持ってからは、自分の責任で生活ができ、とても住みやすい地域であると感じています。
南信州には変わり者が多く、いい意味で強い個性を持つ人々がいます。また、お互いを刺激しあい、新しい化学変化があちらこちらで起きています。出会った人たちは僕の宝となり、新たな道が開けたり、人生を変えるような出来事を生み出しました。彼らの多くには何かを助けたい気持ちが強く、お互いに組み合いながら弱みをサポートしあい、強みをさらなる大きな輪へと拡げていく力があります。
また、生活面においては、夏は朝晩が涼しく、冬は日中の日照量が多く、過ごしやすいです。四季がはっきりして、水も豊富な地域で、多種多様な農産物栽培ができるため、一年を通しておいしい野菜果物に恵まれています。キレイな景色や感動する夕日が見えて、アルプスと飯田を囲む山々に感謝です。
移住を検討している方へのメッセージ
この飯田という地域は、ある意味周辺の都市から孤立しており、独特の雰囲気があります。山に囲まれているせいか、逆にそのことが好奇心につながり、見知らぬ物事に対して興味を持って聞いてくれる人が多いようにも感じます。人との交流を求め、やりたいことを実現したいと思う人には、いいかもしれないですね。自分もここでの出会いがあるから今の暮らしがあります。
英語には「Pay Forward」という言葉があり、ある人物から受けた好意を、次の人へまたつなげていくという意味になります。見返りを求めるのではなく、次につなげるという気持ちで行動する、この地域では何気なく実践している人が多くいると思います。
殿倉さん夫婦が営む宿「Cider Barn &more」