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ふれあいトーク「南信州ゆうき人のみなさんと」(2021年6月19日)

ページID:0083243 更新日:2021年6月25日更新 印刷ページ表示

南信州ゆうき人のみなさんと、飯田下伊那の有機農業の状況や課題などについて意見交換をさせていただきました。

化学肥料や農薬を出来る限り使わない環境にやさしい農業の取組が、飯田下伊那の地にも息づいています。安全で安心な食材を学校給食に取り入れることなどを通じて、飯田市の地産地消を盛り上げていくことが大切と感じました。

20210619

 

日時 2021年6月19日(土) 14:00 ~ 15:30

場所 生活菜園(飯田市鼎名古熊)

参加者 南信州ゆうき人のみなさん

 

懇談の概要

有機農業について

みなさんから

  • 有機農業はJAS認証※1 の取得が条件。飯田市にもJAS認証を取得している有機農家はいるが、その数は少ない。一方で、有機農業と似たような形で、化学肥料・農薬を用いない、あるいは少量のみの使用とする栽培をしている農家も存在する。飯田市は有機食材の学校給食への導入拡大に向けた取り組みを始めると聞いたが、ここでいう有機食材というのはJAS認証の食材を指すことになるのか。

市長から

JAS認証の有無だけにこだわるのではなく、化学肥料・農薬の使用がなるべく少ない、安心安全な食材を子どもたちに食べさせたい、という思いからの取り組みとなる。

※1 JAS認証(有機JASマーク​)について
JASは食品・農林水産品やこれらの取扱い等の方法などに関する規格です。ここでは、JASの中でも、​有機食品の検査認証制度について話題となりました。有機食品のJASに適合した生産が行われていることを登録認証機関が検査し、その結果、認証された事業者のみが有機JASマーク(太陽と雲と植物をイメージしたマーク)を貼ることができます。この有機JASマークがない農産物、畜産物及び加工食品に、「有機」、「オーガニック」などの名称の表示や、これと紛らわしい表示を付すことは法律で禁止されています。
 

 

学校給食について

みなさんから

  • 学校給食では、例えば大きな調理場になると短時間に大量の食材を扱わなければならないため、食材の規格が厳しく審査されたりするなど、有機食材の導入を阻む障壁はいくつかある。しかし、安全で安心な学校給食の提供は、場合によっては都会の子育て世代のIターンを誘引するようなアピールにもなるだろうし、推進していくべきものと考えている。

 市長から

飯田市の学校給食は現在、地産地消率がおよそ5割で、主食の米については7割が減農薬の特別栽培米(こだわり米)になっており、決して低くはない水準と捉えている。飯田市の給食のこうしたいいところをもっとアピールするべきだし、さらに有機食材の比率を高めることで、対外的にも評価が高まるのであれば、それが最も望ましいかたちと思う。

 

参加型認証等について

みなさんから

  • JAS認証は取得にかかるコストが大きく、大きな流通に乗せられないと採算をとるのは難しい。実際、JAS認証を取得していないだけで、有機農家と同じような基準で作物を栽培している農家も存在する。こうした現状をふまえ、南信州ゆうき人では今、消費者と生産者が相互に結びつき、地域における「安全で安心な食材」の基準を設けていくPGS※2 のような取組も模索している。

市長から

地域の人が安心して地域の食材を食べられる環境づくりが何より重要と考えている。大分県臼杵市では「ほんまもん農産物」という独自の認証制度を行っているが、地域独自の認証制度などを考えるためには良いモデルケースとなるのではないか。また、生産者と消費者の結びつきという点では、生産者と消費者が個人契約して作物を受け取る仕組みであるCSA※3の「飯田版」 を作れないかと思っている。

※2 PGSとは
参加型保証システム(Participatory Guarantee Systems)。国際レベルの有機農業運動においても、有機JAS認証のような厳格な第三者認証だけでなく、地域に焦点を当てた小規模農家に手の届く実際的な表示確認のしくみとして、国際有機農業運動連盟(IFOAM)が有機農業の拡大方策の一つとして普及を提唱している。

※3 CSAとは
Community Supported Agriculture(地域支援型農業)。特定の消費者が、生産者と農産物の種類、生産量、価格、分配方法等について、代金前払い契約を結ぶ農業のことで、地域が支える新たな農業の一形態として注目されている。