ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 ホーム > 分類でさがす > 市政情報 > 市役所と市議会の概要 > 市議会 市長の部屋 > 令和4年飯田市議会第4回定例会 開会市長あいさつ

本文

令和4年飯田市議会第4回定例会 開会市長あいさつ

ページID:5202204 更新日:2022年11月22日更新 印刷ページ表示

令和4年飯田市議会第4回定例会 開会 市長あいさつ

 本日ここに令和4年飯田市議会第4回定例会を招集し、令和4年度飯田市一般会計補正予算(第8号)案をはじめとする諸案件についてご審議いただきますことに対し、御礼を申し上げます。

 先月28日で、私が市長に就任して2年となりました。
 この間、議員各位をはじめ市民の皆さんには、市政運営に対し、ご理解とご協力をいただいてまいりました。この場をお借りして、感謝申し上げます。
 就任前から続く新型コロナウイルス感染症への対応に多くの時間を割かざるを得なかった2年間であった一方、今後10年間の財政見通しを示し、また、広域連合の「南信州リニア未来ビジョン」をまとめる中で、リニア時代のこのまちの絵姿、「三重心のまちづくり」に基づいたゾーニングを示すなど、飯田市の将来に向けた「下ごしらえ」は出来たものと考えております。
 また、長年の地域課題の1つであった運転免許センターについて、飯田署の現地建て替えに併せて設置するという方針が長野県から示されるところまでこぎつけたことは、広域連合としての取り組みではありますが、この2年間の成果の一つと申し上げてよいかと思います。
 未だコロナ禍の収束は見通せず、信州大学の新学部誘致、文化会館の建て替え、リニア駅周辺整備など、今後成果を上げていかなければならない課題は山積しておりますが、「対話と現場主義」という自らの政治姿勢、初心を忘れることなく、引き続き全力で市政運営に当たってまいる所存であります。
 引き続き、議員各位、市民の皆さんのご理解と御協力をよろしくお願いいたします。

 新型コロナウイルス感染症について、長野県は11月14日に医療非常事態宣言を発出し、第8波に入ったとの認識を示しております。当地域の陽性者数も、連日、200名を超える状況となっており、今後、インフルエンザとの同時流行、医療機関のひっ迫が懸念されます。
 私たち一人ひとりが、マスクの着用はもちろん、寒い季節ではありますが、換気に努めるようにするなど感染対策に改めて留意するとともに、医療機関へのかかり方につきましても、重症化リスクの低い方、症状の軽い方は、発熱外来の受診を控えて自宅療養に努めるなど、当地域の医療が継続できるよう、ご協力をお願いいたします。

 来年度の予算編成の基本方針につきましては、昨年よりもさらに時期を早め、先月末に庁内へ示しております。
 令和5年度は「いいだ未来デザイン2028」の中期計画の3年目に当たり、全計画期間12年間の折り返しの年でもあります。
 2020年国勢調査における当市の人口は、未来デザイン策定当時に示された国立社会保障・人口問題研究所の推計値より700人ほど上回っているものの、人口ビジョンで展望した数値は維持できていない状況にあり、特に若年層の女性の社会減が当市の人口減少に大きく影響していることが明らかになっております。
 来年度の予算編成に当たっては、この改めて浮き彫りとなった当市の課題に着目し、若者が住みたいまち、女性が住みたいまちという視点で、様々な分野における政策を検証することを第一の視点として考えたいと思います。
 子育て世代への支援といったこれまでの取組に留まらず、魅力的な就業の場の確保、女性が結婚・出産を機に職場を離れずに済むような環境づくり、安全で安心な住まいの実現、男女間の固定的な役割分担意識の解消など、取り組むべきことはたくさんあると考えています。
 また、当地域の長年の課題である4年生大学設置に向けた取り組みと併せ、リニア時代を見据え、大学生や研究者が「この地で学生生活を送りたい」、「研究活動を行いたい」と思ってもらえるような「大学のあるまち」に向けた取組を進めることも来年度予算の重要な視点です。
 車を所有しない学生の移動のための公共交通の充実、通信環境・日常生活の利便性の向上、交流やにぎわいの場の創出、高等教育機関と地域との関わりの強化など、様々な視点から「大学のあるまちづくり」の検討を進めてまいります。
 少し視野を広げれば、現下の国際情勢や物価高・原油高の状況は、日本全体としても当地域としても、外部への依存度を下げ、国際情勢の影響を受けにくく足腰の強い社会を構築する転機と捉えるべき、と考えます。地域経済循環の視点、食料安全保障・エネルギー安全保障の観点からも、食料・資源・エネルギーの地元調達、農業・林業の振興、エシカル消費の推進などに将来を見据えて取り組んでいきたいと思います。
 また、今回提案いたします補正予算にも、脱炭素先行地域の取り組みに関連した予算を計上しておりますが、ゼロカーボンシティに向けた環境の視点での取り組みも、予算編成における横断的な視点として重要となります。
 これらの観点を軸に、来年度予算編成に取り組んでまいりますが、今定例会で行われる代表質問において、さらに議論を深めることができればと考えております。

 本日提案いたします議案は条例案件12件、一般案件8件、予算案件6件の計26件です。
 議案第101号「令和4年度飯田市一般会計補正予算第8号案」は、歳入歳出ともに5億6,800万円余を追加したいとするものです。
 主な内容は、今月初旬に環境省から採択を受けました「脱炭素先行地域」の取組に係る事業費を計上するほか、かぐらの湯の復旧のためにいただいた寄附金のふるさと基金への積み立て、令和4年人事院勧告に準じた人件費の増額、社会経済情勢の影響による市有施設の電気料・燃料費の増額などでございます。
 そのほか各議案の詳細につきましては、後ほど関係部課長からご説明いたします。

 この場をお借りして、いくつかご報告をいたします。
 信州大学新学部誘致に関しましては、信大学内の検討を見守っている状況ですが、これをただ待っている時間としないよう、信州大学新学部誘致推進協議会と連携し、学生の皆さんや大学の先生方が、当地域で学びたい、研究したいと思えるようなまちづくり、誘致に向けた環境づくりを進めていかなければなりません。
 その足掛かりといたしまして、今月の7日と11日に、飯田女子短期大学と飯田コアカレッジの学生の皆さんから、大学のあるまちに関して、学生、若者としてのご意見を伺ったところです。私どもが想像していたのと違うご意見も多数頂き、たいへん参考になりました。
 すぐに取り組めること、少し時間がかかること、それぞれ整理して、今後のまちづくりに繋げてまいりたいと考えております。

 飯田南道路につきましては、去る 11月7日に、長野県から「国道153号飯田南道路」と、飯田市による「西の原殿岡線」「用途地域の変更等」について、都市計画決定の告示が行われました。
 ここまでの手続きを進めるにあたりご理解をいただきました沿線住民の皆様はじめ関係者の皆様に感謝申し上げますとともに、引き続き、地域の皆さんのご意見をお聞きしながら、早期事業化に向けて、要望活動や関係機関との連携を密にして事業を推進してまいります。

 リニア駅周辺整備につきましては、去る11月18日に市議会から「土木実施設計に対する政策提言」を頂きました。今後、その内容やこれまで開催してきた報告会・意見交換会で市民の皆さんから頂いたご意見も踏まえて土木実施設計をとりまとめ、12月4日に報告会を開催する予定としております。
 これをベースに、駅前広場における情報発信や賑わいづくりをどのように行うか、市民の皆さんや事業者の皆さんに参画いただきながら、ソフト・ハード両面から検討してまいります。
 また12月22日には、中央新幹線(仮称)長野県駅の安全祈願祭と起工式が、事業主体であるJR東海と施工業者である清水建設により開催されます。
 先ほど申し上げた駅周辺整備事業も、駅本体の整備も、ひとえに移転をお願いいたしました皆様をはじめとする関係者の皆様のご理解とご協力があってこそのことであり、改めて感謝申し上げたいと存じます。
 まだ移転をされていない方もいらっしゃる状況ですので、JR東海に対しては、引き続き、丁寧な対応を要望するとともに、建設発生土の運搬も含め、関係する地域の皆様の生活環境への影響を最小限に収めていただくよう求めて参ります。

 最後に、脱炭素先行地域に選定されたことに関連して、興味深い事実を共有させていただきます。
 これは、御池山クレーターを発見した坂本正夫さんから教えていただいたことですが、気象庁が1898年(明治30年)から年平均気温の観測を行っている国内の観測点15か所のうち、多くの観測点が沿岸部の都市であるなか、内陸部の都市は3か所だけで、その一つが旧飯田測候所となっている、とのことです。
 測候所としての機能は高羽町の国合同庁舎に移転されていますが、その後も、高羽町の観測データは約1700m離れた旧飯田測候所の位置のデータに補正して採用され続けており、今なお日本の気候観測における重要な役割を果たし続けています。
 地球規模で議論されている気候変動への取り組みについて、飯田市のできることは、「ハチドリのひとしずく」かもしれませんが、日本の気候変化を観測する数少ない観測地点の1つをこの飯田の測候所が担っていることを知るにつけ、脱炭素先行地域に選定されたことと併せ、脱炭素社会に向けた取組において先導的な役割を果たしていかなければならないとの思いを強くしております。
 私たちは、2021年3月に2050年ゼロカーボンシティ宣言をいたしました。市民の代表である市議会議長と事業者代表である商工会議所会頭、そして行政代表である市長という3者でゼロカーボンシティを宣言したことは、他の都市にはない特徴であり、飯田のこれまでのまちづくりを象徴しています。
 ゼロカーボンシティ、そして、市の将来像として掲げる環境文化都市の実現に向け、市民の皆さん、事業者の皆さんとともにしっかりと取り組んでまいります。
 議員各位、市民の皆さんの御理解と御協力をお願い申し上げまして、開会に当たってのあいさつといたします。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

※掲出文は原稿ベースであり、実際の発言と異なる箇所があります。