ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 ホーム > 分類でさがす > 市政情報 > 市役所と市議会の概要 > 市議会 市長の部屋 > 令和6年飯田市議会第1回定例会 開会市長あいさつ

本文

令和6年飯田市議会第1回定例会 開会市長あいさつ

ページID:202401011 更新日:2024年2月27日更新 印刷ページ表示

令和6年飯田市議会第1回定例会 開会 市長あいさつ

 本日ここに、令和6年飯田市議会第1回定例会を招集し、令和6年度飯田市一般会計予算(案)をはじめとする重要案件についてご審議いただきますことに対し、深く感謝申し上げます。

 まず初めに、改めて元日に発生しました能登半島地震でお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被災された方々にお見舞い申し上げます。
 飯田市からも、地震発生の翌日から随時職員を派遣しており、被災地の一日も早い復旧・復興を祈るばかりですが、損傷の激しい道路や上下水道の復旧には今しばらくの時間を要するものと推測いたします。飯田市として、今後もできる限りの支援を行ってまいりたいと思います。
 市民の皆さんからも、被災地に対し、たくさんのご支援を頂いております。
 石川県珠洲市に「飯田」と重なる地区名、学校名等が複数あることから、義援金の受け付けとふるさと納税の代理寄附を行っておりますが、現在までに1,600万円を超える義援金、1,500万円を超えるふるさと納税が寄せられております。この場をお借りしてご協力いただいた市内外の皆様に感謝申し上げます。
 能登半島地震の状況は、決して他人事ではありません。当市の防災対策について検証・充実が必要と考えており、令和6年度一般会計予算案でも、20地区ごとの地震による被害想定を調査する予算を計上しております。地域によって地盤や地形が異なることを踏まえた想定を策定し、その結果を平時の防災訓練に活用してまいりたいとするものです。
 また、防災意識が高まっているこの時期に、市民の皆さんとともに考える機会を作りたいと思い、被災地に派遣された職員による報告会を来月25日飯田文化会館で開催する予定としております。現地での支援活動での気づきや感想、得られた教訓を今後の防災対策に活かす機会としたいと思います。議員の皆さんをはじめ多くの方にご聴講いただければ幸いです。

 年明けに発売された宝島社発行の田舎暮らしの本「住みたい田舎ベストランキング2024年版」において、人口5万人以上10万人未満の都市の中で、飯田市が、若者・単身者部門、子育て世代部門の2部門で全国1位を獲得しました。
 昨年に続いての総合1位とはなりませんでしたが、2年連続の全国1位獲得を嬉しく思います。
 一方、長野県が1月末に公表した毎月人口異動調査に基づく、令和5年(2023年)中の人口動態で、飯田市は1,065人の減と発表されました。
 このうち、出生と死亡の差である自然増減では812人の減となっており、出生数は638人と人口動態統計として記録の残る1970年以降で最少となっております。また、転入と転出の差である社会増減では253人の減となり、令和になってからの5年間では最も少ない減少数ではあるものの、18歳から23歳までの年齢層では142人の転出超過、昨年の259人より改善しているとはいえ、依然として転出者に占める若年層の割合が高い状況が続いております。

 本日提案いたします「令和6年度一般会計予算案」は、歯止めがかからない少子化、地元を離れた若者が帰ってこないという当市の構造的な課題に積極的に取り組むという思いで編成に臨みました。
 「いいだ未来デザイン2028」に掲げる「8つの目指すまちの姿の実現」に向けて、「結婚や出産・子育ての希望に寄り添うまち」「ゼロカーボンシティの実現」に資する取組を加速することを柱に、未来デザイン中期計画4年間を結実するための予算を編成したところであります。
 現代の若者が抱く多様な価値観を尊重しつつ、結婚や出産・子育ての希望に寄り添うため、子育て世代の経済的・精神的負担の軽減を図る施策に力を入れたほか、出産・育児を契機とする新たな資格取得や学び直しなど、多様化する子育て世代の暮らし方や働き方をサポートし、女性の起業・就業への支援を充実するよう努めたところです。
 2050年ゼロカーボンシティの実現に向けては、すべての部局、あらゆる事業においてCO2排出削減につなげるという視点で予算編成にあたりました。一昨年環境省から選定を受けた「脱炭素先行地域」としての取組を推進するとともに、環境文化都市づくりプラットフォーム「うごくる。」における参加体験型の学びや対話の機会の充実に努めることとしました。
 予算編成の終盤においては、能登半島地震の状況を踏まえ、「地域のつながりと防災力の向上」も3本目の柱として加えました。
 いずれ来るといわれている南海トラフ地震や近年多発している豪雨災害に備え、防災減災力の強化を図るとともに、自治基本条例や20地区田舎へ還ろう戦略の学び直しを通して、地域のつながりの再構築に取り組むこととしました。
 当面する課題に積極的に取り組むという姿勢で編成した令和6年度の一般会計予算は、総額536億7,000万円、前年度比46億1,000万円、率にして9.4%の増となりました。
 リニア関連事業や道の駅遠山郷の再整備、学校の大規模改修などの大型建設事業に加え、世界情勢の影響による物価高や人件費の上昇などから、一般会計の予算規模は過去最大となり、特別会計を含む全会計の予算規模は1,000億円を超える大型予算となっております。
 以下、令和6年度に重点的に取り組む9つのテーマに沿ってご説明いたします。1つ目は「安心して子育てができる環境づくり」です。 

 子どもを持ちたいと願いながら、経済的理由で断念するという方を一人でも減らせるよう、第2子2歳児の保育料無償化をはじめ、多子世帯や低所得世帯の保育料の負担軽減を図ったところであります。加えて、こども医療費の受給者負担につきましても、現在の月500円から月300円に引き下げることといたしました。これらにつきましては、厳しい財政状況の中にあっても、待ったなしの課題であると捉え、予算化に踏み切ったものです。
 また、第2子以降の出産に伴う育児休業の際に、上のお子さんの退園を余儀なくされるといういわゆる「育休退園」について、これを解消するよう条件を撤廃することとしております。
 さらに、保護者の就労の有無に関係なく、時間単位で柔軟に保育所等を利用できる「こども誰でも通園」を、一部の保育所等で試行いたします。
 このほか、子どもの健やかな育ちや保護者への支援を強化するとともに、多様な働き方、暮らし方をサポートしてまいります。

 2つ目は「市民生活の省エネ化・脱炭素化の推進」です。
 ゼロカーボンへの取組としては、引き続き川路地区を中心に地域マイクログリッドの構築や太陽光発電設備等の導入補助、市内小中学校への太陽光発電設備等の導入を進めてまいります。
 また、環境文化都市づくりプラットフォーム「うごくる。」の活動を強化し、官民協働で、また幅広い世代の連携により、環境文化都市の実現に向け取り組んでまいります。
 さらに、家庭から排出される生ごみを減らすことが、地域全体の燃やすごみの削減につながることから、市民ぐるみで「燃やすごみ削減キャンペーン」を展開します。
 今回の予算編成に当たっては、すべての部局、あらゆる事業においてCO2排出削減につなげる視点で取り組んだところです。市民の皆さんとともに、飯田市全体でゼロカーボンの取組を進めてまいります。

 3つ目は「地域のつながりと防災力の向上」です。
 コロナ禍の3年間で地域における様々な活動が停滞し、地域力・防災力の低下が懸念されていたところに、この度の能登半島地震が起こりました。いざというときにこそ、地域のつながり、顔の見える関係がものを言います。自治基本条例や20地区田舎へ還ろう戦略の学び直しを通じて、地域のつながりの大切さ、地域自治の在り方を再確認し、有事における地域防災力の向上を目指します。
 また、避難時に支援を必要とする人の個別避難計画の作成や市民の皆さんによる「わが家の避難計画づくり」を推進するほか、女性や子育て世代の視点から避難所マニュアルや備蓄品の内容について見直してまいります。さらに、市内20地区ごとの地震被害想定を調査する「防災アセスメント調査」も実施いたします。

 4つ目は「地域経済循環による足腰の強い産業づくり」です。
 地域内の経済循環や地域コミュニティの活性化に向け、地元店舗での買物時や地域活動・エコ活動などに参加した時にポイントを付与し、加盟店舗でポイントが使える仕組みを構築する実証実験を行います。
 また、地元企業の人手不足を解消するため、副業人材の活用やアウトソーシングの促進、兼業農家・小規模農家の経営改善を支援する補助制度の拡充にも取り組んでまいります。
 さらに、信州大学による水循環・グリーン水素の研究について産業振興の面から連携できるよう、実証タウン構築に向けた環境整備を行います。

 5つ目は「地域の魅力発信と人の流れの創出」です。
 人口減少に歯止めをかけ、地域の活力を維持し、持続可能な地域づくりを進めるため、オンラインセミナー・マッチングシステムの活用による情報発信やお試し体験等、UIターンによる移住定住と関係人口の創出、拡大を推進します。
 また、飯田焼肉や飯田水引といったブランドの強化、南信州観光公社と連携したツーリズムビジョンの策定を行います。

 6つ目は「“結いの心”を育む学びの充実」です。
 新文化会館の整備に向けて、市民の皆さんの参画により作り上げていただいた基本構想を具現化するため、基本計画づくりを進めるとともに建設候補地の選定を行います。
 また、学校、地域の活動団体等と将来を見据えた体制を整え、中学校部活動の地域移行を進めてまいります。

 7つ目は「誰もが活き活きと健康に暮らし続けられるまちの実現」です。
 介護サービスの提供体制を維持するため、介護職員の就労・定着に向けた支援や、介護福祉士等養成校へ通う学生への修学貸付金制度の創設など、介護人材の確保に向けて取組を強化します。
 また、若いうちから健康に関心を持ってもらうために、若年層に向けた朝食欠食改善の食育推進や歯科検診の支援を拡大してまいります。

 8つ目は「リニア・三遠南信時代を支える都市基盤の整備」です。
 リニア・三遠南信時代を見据えた土地利用の在り方について、「リニアの整備効果を地域振興に活かすビジョン」の実現に向けた課題を整理し、リニア時代のまちの姿を示す「まちの設計図」としてまとめていくとともに、土地利用基本方針及び立地適正化計画の見直しを進めます。
 また、JR東海や長野県と調整を図りながら、リニア駅前広場の用地補償や埋蔵文化財調査、広場の整備工事を計画的に進めてまいります。
 道の駅遠山郷の再整備につきましては、令和7年秋のグランドオープンを目指し、施設の改修、新規源泉掘削を着実に進めます。

 9つ目は「デジタル化によるサービスの充実や効率化の促進」です。
 市が保有する地図や施設の位置情報を、オンラインでいつでもどこからでも入手できる市民公開用GISの構築や、建設工事等の入札参加者の利便性向上に向けた電子入札システムの導入、路線バスの発着時間や運行状況をスマホ等でリアルタイムに確認できるバスロケーションシステムの導入を行います。

 以上、ご説明いたしました事業のほかにも、夏休みのこどもの居場所づくりの支援、雨の日でも親子で遊べる子育て交流施設の検討も進めることとしております。
 また、エシカル消費や食品ロス削減の意識を高める啓発活動、行動経済学を取り入れて地域産品の消費を拡大する取組、学校や保育園の給食へ有機食材を導入するための支援にも取り組んでまいります。

 冒頭申し上げましたように、当面する課題に積極的に取り組むという姿勢で編成した予算でありますが、起債残高は増加し、基金残高は減少しており、財政状況についてはこれまで以上に注視が必要となっています。
 令和6年度には、未来デザインの後期計画づくりとともに、次期行財政改革大綱及び実行計画についても策定することとなります。
 すべての事業についてゼロベースで見直すなど改めて行財政改革にしっかりと取り組み、持続可能な行財政運営に努めてまいります。

 それでは、今定例会に提案いたします案件についてご説明申し上げます。
 本日提出いたします案件は、人事案件2件、条例案件17件、一般案件6件、そして只今ご説明した「令和6年度飯田市一般会計予算案」をはじめとする予算案件20件の計45件です。

 議案第13号「飯田市介護保険条例の一部を改正する条例の制定について」は、社会福祉審議会からの答申を受けて策定した、令和6年度から令和8年度までを対象期間とする、高齢者福祉計画・第9期介護保険事業計画に基づき、介護保険料率等の改定を行うものです。
 国はこのたび、収入の少ない方の負担軽減への配慮と、負担能力に応じた負担の観点から、標準所得段階を現行の9段階から13段階へ多段階(ただんかい)化しました。当市は、これまで国よりも多段階化してきた方向性を継続し、所得段階を16段階制として、引き続き所得の多い方には応分のご負担をお願いすることとしたいと考えております。
 第9期は団塊世代の皆様が後期高齢者となり、介護サービスを必要とする方が増えると予想され、給付費の増大が見込まれますが、物価高騰による高齢者の皆様の生活への影響を考慮し、第8期までの介護給付費準備基金から一定額を繰り入れ、保険料基準月額を5,980円に据え置くこととしたいとするものです。

 議案第27号「令和5年度飯田市一般会計補正予算第10号案」は、歳入歳出ともに8億8,200万円余を増額する補正予算です。 
 主な内容は、国の補正予算に伴い内示がありましたリニア駅周辺整備事業や、国の制度改正による民間保育所等運営費補助金の増額、また、能登半島地震の災害支援に係る経費を計上するものでございます。

 その他、議案の詳細につきましては、後ほど関係部課長から説明いたしますので、宜しくご審議いただきますようお願い申し上げます。

 昨年にも増して難しい舵取りとなるであろう令和6年ではありますが、その先頭に立って全力で市政運営に当たってまいります。
 引き続き、議員各位のご理解・ご協力をお願い申し上げまして、開会に当たってのご挨拶といたします。
 どうぞよろしくお願いいたします。

※掲出文は原稿ベースであり、実際の発言と異なる箇所があります。