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令和6年飯田市議会第3回定例会 閉会市長あいさつ
令和6年飯田市議会第3回定例会 閉会 市長あいさつ
令和6年飯田市議会第3回定例会を去る8月30日に開会し、本日までの32 日間、提案いたしました諸案件を慎重にご審議、ご決定いただきましたことに対し、厚く御礼を申し上げます。
特に、令和5年度一般会計及び特別会計の決算につきましては、委員会及び各分科会におきまして、慎重に御審議をいただきました。改めて御礼申し上げます。今後の事業執行、新年度予算編成に反映してまいります。
また、本日「いいだ未来デザイン2028」の後期計画に向けて「令和6年度 議会による行政評価からの評価及び提言書」を頂く予定ですが、ご意見・ご提言を真摯に受け止め、後期計画の基本的方向及び次年度の戦略計画にしっかりと生かしてまいります。
9月22日に能登半島を襲った豪雨災害につきまして、お亡くなりになった方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
元日に発生した能登半島地震からの復旧・復興の未だ途上にあったところに、あのような豪雨が襲うという自然の非情さ。被災地の皆さんの心情を察するに、心が痛みます。
飯田市としても、日本水道協会の要請に応えて10月3日から輪島市に対し給水支援のための職員派遣を行うほか、チーム長野の一員として、被災地の復旧・復興にできる限りの協力をしてまいる所存です。
一日も早い行方不明者の救出、被災地の復旧・復興をお祈り申し上げます。
9月27日には、自民党総裁選挙において石破茂氏が新総裁に選出され、明日10月1日召集予定の臨時国会において新しい首相に選出されることとなりますが、石破新総理には、能登半島の復旧・復興はもちろん、元地方創生担当大臣の経験を生かして、この国の大きな課題の一つである東京一極集中の是正、地方創生に本腰を入れて取り組むことを期待いたします。
今会期中の9月18日に、リニア中央新幹線建設促進長野県協議会として、会長である阿部長野県知事及び関係市町村長とともに、品川区にありますJR東海本社を訪問し、丹羽俊介(にわ しゅんすけ)社長と面談いたしました。
30分間という短い面談時間ではありましたが、私からは、地元の皆さんとしっかりとコミュニケーションを取り、理解と信頼を得ながら事業を進めてほしいということと、JR東海自身が地元の地域振興に参画するよう要望してまいりました。
丹羽社長から、開業時期についての新たな回答はありませんでしたが、地元とのコミュニケーションの重要性には言及され、しっかりと情報共有していきたいとの回答がございました。
こうしたJR東海幹部との意見交換は今後も重要であり、長野県や近隣市町村長とともに機会を作ってまいりたいと考えております。
また同じ日には品川区役所を訪問し、森澤恭子区長と面談いたしました。
リニア中央新幹線の沿線同士、言わば「未来のご近所」である品川区との間では、これまでも官民で様々な交流を行ってまいりました。
今回の面談では、南海トラフ地震臨時情報の発表があったことも踏まえ、首都直下型地震が起きた時のインフラ被害などについても意見を交わしてまいりました。
その前後、災害時の双方の支援内容など事務レベルでの協議を行い、協定内容が整ったことから、10月3日(木)に品川区役所において「災害時相互援助協定」の調印式を行うことといたしました。
官民での連携を深めてきた品川区と、こうした協定を締結することは大変有意義であると考えており、今後、有事の際の具体的な協力体制についてさらに協議を進めることはもちろん、平時においての交流も深めていきたいと考えております。
9月19日の定例会見では、「グリムスパンキー」の南信州凱旋ライブを来年3月23日に飯田文化会館で開催することを発表いたしました。
飯田市座光寺出身の亀本寛貴さんと、豊丘村出身の松尾レミさんによるロックユニット「グリムスパンキー」は、平成26年(2014年)にメジャーデビューを果たしてから、日本の音楽シーンで目覚ましい活躍を続けており、以前から、ワンマンライブの地元開催を求める声が多数寄せられておりました。ライブ開催に向けて調整を続けてまいりましたところ、今回、メジャーデビュー10周年記念の全国ツアーのファイナル公演というこれ以上ない形で、地元南信州での凱旋ライブ開催が叶うこととなりました。
今回は、飯田市と豊丘村が共同でライブ開催に向けて取り組んでいくこととしており、運営団体として、飯田下伊那にお住まいの皆さんによる実行委員会を組織し活動してまいります。
市民の皆さんには、ぜひ実行委員にご応募いただき、ライブ成功に向けて、一緒に活動を盛り上げていただきたいと考えております。
残暑が厳しかった9月が終わり、明日から10月に入ります。
各地区の運動会や南信州獅子舞フェスティバルなど、行事が目白押しとなる10月ですが、飯田市美術博物館では、5日から「菱田春草生誕150年特別展『創造の道筋』」が開幕します。
今回の展覧会では、春草が34歳の時に描いた絵巻物《四季山水(しきさんすい)》が飯田市美術博物館で初めて展示されます。
また、この展示にあわせて、本年7月に春草のお孫さんから寄贈いただきました菱田春草の資料も展示し、《四季山水》をはじめ、春草の名品がどのようにして誕生したのか、わかりやすく紹介する内容となっています。
会期は11月4日までの1か月間となりますので、ぜひ美術博物館へ足を運んでいただき、菱田春草の世界を堪能いただけたらと思います。
さて、この第3回定例会は、私にとって1期目最後となる議会でした。
この4年間、市政運営にご理解とご協力を頂いてまいりました議員各位をはじめ市民の皆様すべてに感謝申し上げます。
4年間を改めて細かく振り返ることはいたしませんが、就任当初から3年余りの間、コロナ禍で十分身動きが取れない中でも、長年の課題を先送りすることなく1つ1つ解決し、未来に向けた布石を打ってまいりました。
信州大学のグリーン水素・水循環研究の「実証タウン」となることが決まり、桐林クリーンセンター跡地にセイコーエプソン社のバイオマス発電所建設が決まるなど、「環境文化都市」実現に向けたまちづくりは、一歩一歩、着実に進んでいます。
この流れに沿って、「環境」を軸としたまちづくり、環境先進企業、環境関連産業の集積による産業・経済の活性化を進めていくのが、このまちの将来に向けた大きな道筋の1つであると考えております。
9月20日、このまちに若者待望のスターバックスコーヒーが開業したその日、新聞には、来年度からエス・バードに研究室を構えることになる信州大学特任教授・堂免一成先生が、ノーベル賞への登竜門と言われる「クラリベイト引用栄誉賞」を受賞したとの嬉しいニュースが載りました。
このまちからノーベル賞が出たら、と考えるとワクワクします。
リニアの開業は残念ながら「10年先」となりましたが、リニアがなければ成り立たないようなまちでは困ります。
若者の願い、市民の皆さんの願いを1つ1つ実現し、堂免先生のグリーン水素の研究をはじめワクワクするような夢のある話が次々と生まれるようなまちをリニアの開業前から創っていく、リニアに寄りかかり過ぎないまちづくり、地に足の着いたまちづくりを進めていかなければなりません。
市民の皆さんが将来にわたって誇りと愛着を持てるまち、人がつながり助け合い安全・安心に暮らせるまち、若者・女性が活躍できるまち、誰もが心豊かに暮らせる「日本一住みたいまち」を創っていきたい。
私の残りの任期、そして再び市民の皆さんのご支持をいただけましたらその先も、未来に向けたまちづくりを、責任もって、力強く進めてまいりたいと存じます。
議員各位、市民の皆様に対し、一層の御理解、御協力をお願い申し上げまして、閉会に当たっての挨拶といたします。ありがとうございました。
※掲出文は原稿ベースであり、実際の発言と異なる箇所があります。