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令和7年飯田市議会第1回定例会 開会市長あいさつ

ページID:20250227 更新日:2025年2月28日更新 印刷ページ表示

令和7年飯田市議会第1回定例会 開会 市長あいさつ

 本日ここに、令和7年飯田市議会第1回定例会を招集し、令和7年度飯田市一般会計予算(案)をはじめとする重要案件についてご審議いただきますことに対し、深く感謝申し上げます。

 今年のお正月は、昨年とは違って穏やかに過ぎていきました。

 年明けに発売された宝島社「田舎暮らしの本」住みたい田舎ベストランキングでは、飯田市が人口5万人以上10万人未満のまちランキングの若者世代・単身者部門で第1位に選ばれ、2023年の総合部門1位、昨年の若者世代・単身者部門、子育て世代部門1位に続き、3年連続の「日本一」となりました。

 一方、長野県が1月末に公表した毎月人口異動調査に基づく令和6年の人口動態によれば、飯田市の社会減は307人と19市中最も大きな数字となり、進学等により当地域を離れた若者が帰ってこないという構造的な課題が依然として改善されていない現実が浮き彫りとなりました。

 また、昨年1年間の出生数は562人とついに600人を切り、少子化は一層深刻な状況となっています。

 昨年の第1回定例会の開会あいさつでも、この構造的な社会減の課題、少子化の進行について言及しましたが、令和7年度当初予算も、これらの課題に歯止めをかけたいとの思いを持って編成に臨んだところであります。

 また、リニア時代を見据えた地域づくりについても、引き続き重要な課題です。

 昨年3月、JR東海が、2027年のリニア開業を断念し、開業は静岡工区の着工から少なくとも10年かかる、と表明したことは、当地域にとって大変大きなニュースでした。

 リニア開業までの10年余という時間をどう使うか。開業延期を嘆くのではなく、むしろ前向きに捉えて、リニアが通るという千載一遇のチャンスを活かす積極的なまちづくり、開業時期に振り回されないビジョンを持ったまちづくりを進めていくことが大切と考えます。

 そのビジョンの中心となるのが、信州大学のグリーン水素・水循環に関する研究の「実証タウン」に関する取組をはじめとする「環境」を軸としたまちづくり、飯田市が目指す都市像である環境文化都市に向けたまちづくりを力強く進めること、世界中から認知される「環境のまち・飯田」を目指すことであると考えております。

 本日提案いたします令和7年度一般会計予算案は、ただいま申し上げた課題認識とビジョンを持って、「いいだ未来デザイン2028」後期計画4年間のスタートにふさわしい、今後に向けた礎を築く予算となるよう意を用いて編成したところです。

 以下、予算編成の基本方針をベースにまとめた6つの重点的テーマに沿って、予算案のポイントをご説明申し上げます。

 1つめは「誇りと愛着を持てるまちづくり」です。

 藤山浩氏が提唱する田園回帰1%戦略を市内20地区で実践する「田舎へ還ろう戦略」を再構築するため、各地区の人口診断分析を行うとともに長期的な地域人口安定化に向けた処方箋を提示し、その実現に向けた取組を市と各地区が協働して進めます。

 また、当地域の住民力のベースとなっている公民館活動についても、誰もが身近で参加しやすく、一人ひとりが地域での役割や達成感を実感できるような「みんなの楽しい」をつくる取組を通じて再構築を図ります。

 2つめは「安心して暮らせるまちづくり(災害への備え)」です。

 20地区ごとの「地震被害想定調査」を進め、各地区の防災計画の見直しや防災訓練に生かすとともに、「個別避難計画」の作成を通して、顔の見える関係づくりと助け合いによる地域防災力の強化を図ります。

 また、引き続き住宅の耐震化を進めるとともに、新たに耐震シェルター等の設置助成を行うほか、防災アプリを活用した「わが家の避難計画づくり」の推奨などにより、市民の皆さん一人ひとりの防災意識の向上を図ってまいります。

 3つめは「環境を軸とした産業の活性化」です。

 信州大学のグリーン水素・水循環に関する研究の推進と社会実装に向けた実証タウンの形成に取り組み、グリーン水素を活用したエネルギーの域産域消に向けた計画づくりを進めます。

 また、森林のCO2吸収機能に明確な価値を付け森林資源の活用を促進するため、上村しらびそ高原エリアにおいてJ-クレジット制度への登録や認証等を目指すほか、オーガニックビレッジ宣言に沿った環境に配慮した農業をさらに推進します。

 4つめは「飯田で育ってよかった・育ててよかったと実感できるまちづくり」です。

 雨の日や猛暑等に対応するため、放課後児童クラブの体育室やかざこし子どもの森公園等の各種施設に空調を整備するとともに、夏休み等長期休暇中の児童の居場所事業を実施する保育所等の支援や放課後児童クラブ等の児童受け入れ態勢の充実を図ります。

 また、就学に向けて適切な支援や相談につなげる5歳児相談事業の拡充や発達特性など困難を抱えるこどもに寄り添った支援体制の強化を図るとともに、義務教育9年間の学びの系統性と連続性を高め、地域の特色を生かした学びを通して児童生徒が生涯にわたって主体的に他者と協働しながら生き抜く力の基礎を育む「飯田学園構想」を推進します。

 5つめは「誰もが健康で活き活きと暮らすまちの実現」です。

 むし歯や歯周病になりやすい妊娠期において、歯周病予防のための歯科検診助成を行うとともに、これまで20歳、30歳、40歳を対象としていた歯科検診助成に、新たに50歳と60歳を対象に加え、生活習慣病の要因となり得る歯周病の予防を推進します。

 また、主に65歳以上を対象とした帯状疱疹ワクチン接種への助成や高齢者の聴力低下に対する補聴器購入補助を新設するとともに、市内7カ所目となる地域包括支援センターを新規開設するなど、高齢者が活き活きと活躍できる社会を目指します。

 6つめは「未来に向けた基盤整備」です。

 2028年度に一部供用開始できるようリニア駅周辺整備事業を進めるとともに、リニア・三遠南信道時代を見据え、土地利用計画等の見直しを行い、将来的な公共施設の配置や土地利用のゾーニングのイメージを「まちの設計図」として示します。

 また、(仮称)飯田山本インター産業団地の整備を進めるとともに、信州の南の玄関口となる道の駅遠山郷や飯田の歴史的価値を発信する恒川官衙遺跡ガイダンス施設の展示整備など、地域振興の拠点となる施設の整備を進めます。

 以上のような取組を重点とした令和7年度の一般会計当初予算は、総額560億7,000万円、前年度比24億円、4.5%の増、過去最大の予算規模となりました。

 (仮称)飯田山本インター産業団地に係る経費や上郷小学校長寿命化に係る工事費などの大型建設事業を計上したこと、また制度改正に伴う児童手当の増、昨今の物価高等に連動した各種物件費の高騰などがその要因でありますが、歳入の内訳としては、国庫支出金、県支出金、諸収入が増となった一方、基金繰入金は減、市債の借り入れは前年度とほぼ同額となっており、持続可能な財政運営について最大限配慮して予算編成を行いました。

 いいだ未来デザイン2028後期4年間は、今後控える大規模投資に向け、財政面、人事面の基礎を構築する重要な期間です。

 物価高騰や社会保障経費、公共施設の老朽化などの課題に対応しながら、限られた財源の中で必要な投資を行いつつ、一層の行財政改革を進め、健全な財政運営に努めてまいります。

 それでは、今定例会に提案いたします案件についてご説明申し上げます。

 本日提出いたします案件は、報告案件1件、人事案件8件、条例案件20件、一般案件14件、そして只今ご説明した「令和7年度飯田市一般会計予算案」をはじめとする予算案件19件の計62件です。

 議案第1号「教育長の任命について」は、熊谷邦千加教育長の再任についてお諮りするものです。提案理由につきましては、後ほど改めてご説明いたします。

 議案第43号「令和6年度飯田市一般会計補正予算第7号案」は、歳入歳出ともに5億5,200万円余を増額する予算です。

 主な内容は、国の補正予算に伴い補助金の内示がありました道路整備事業の増や、ふるさと納税の増収に伴う経費の増、新文化会館の基本計画策定に係る経費の増などでございます。

 その他、議案の詳細につきましては、後ほど関係部課長から説明いたしますので、宜しくご審議いただきますようお願い申し上げます。

 令和7年度は、いいだ未来デザイン2028後期計画のスタートの年であるとともに、私にとっても2期目の市政運営の実質的なスタートとなる年となります。

 いいだ未来デザイン後期4年間の礎をしっかりと築くとともに、私の政治信条である「対話と現場主義」を常に忘れず、全力で市政運営に当たってまいる所存です。

 引き続き、議員各位のご理解・ご協力をお願い申し上げまして、開会に当たってのご挨拶といたします。

 どうぞよろしくお願いいたします。

 

※掲出文は原稿ベースであり、実際の発言と異なる箇所があります。