飯田アカデミア第86講座を開催しました(2019316)
ページID:0075823 印刷用ページを表示する 掲載日:2019年3月26日更新
3月16日 飯田市役所で開催しました(飯田アカデミア2018 第86講座)
中学校歴史教科書『ともに学ぶ人間の歴史』の編纂に尽力した不破修氏を講師に招き、
歴史教科書編纂や文科省による検定の実態、歴史教育、歴史叙述のあるべき姿などについてお話いただきました。
講義概要
テーマ 歴史をともに学ぶこと、歴史を綴ること-「学ぶ会」教科書づくりから見えてきたこと-
- 開催日 平成31年3月16日(土曜日) 午後1時30分~午後4時50分
- テーマ 歴史をともに学ぶこと、歴史を綴ること-「学ぶ会」教科書づくりから見えてきたこと-
- 講 師 不破 修(ふわ おさむ)さん(元東京都公立中学校教員)
- 会 場 飯田市役所 C棟3階会議室
3月16日(土曜日)
第1講
検定教科書という舟を編む
中学校歴史教科書『ともに学ぶ人間の歴史』の内容が紹介されました。日本だけの一国史観を乗り越え、
生徒と共に学びあうことのできる教科書を作りたいという教科書作り開始時の理念が語られました。
しかし、教科書検定という厳しい壁に直面し、いかに理想と現実をすり合わせるのかという葛藤が実体験に基づき伝えられました。
最後に、今後のより良い教科書作りのために、教科書作成者と現場の教室のつながりを強くし、
歴史研究者や市民も積極的に教科書を批評していく必要があるという指摘がなされました。
第2講
「学ぶ会」教科書叙述と歴史を学ぶこと
『みるよむまなぶ 飯田・下伊那の歴史』(飯田市歴史研究所編)と『ともに学ぶ人間の歴史』を対照させながら
その共通点と相違点を検討し、歴史叙述のあるべき姿が検討されました。「見開き2ページ」の形式を採用して資料を有効に活用し、
学習者がそれを読み解いていく過程を実現することに重点が置かれている点などが共通点しているという指摘がありました。
最後に、学校の教科としての歴史分野の存在意義がゆらぎつつある現状を踏まえ、中学生を含む幅広い「市民」が自らの経験・生活・想像力を活用しつつ
それぞれの立場で歴史を学び綴ることが今後求められていく、という総括がなされました。
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