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飯田アカデミア第98講座を開催しました(20230311)

ページID:20230331 更新日:2023年3月31日更新 印刷ページ表示

立命館大学 衣笠総合研究機構 教授 大場 修さんに「日本の町家と町並み ―その地域性と普遍性」について講義していただきました

アカデミア98講座 会場写真アカデミア98講座 講義写真

  • 開催日 : 2023年3月11日(土曜日)
  • テーマ  : 日本の町家と町並み―その地域性と普遍性                                              
  • 講 師 : 大場 修さん (立命館大学 衣笠総合研究機構 教授)
  • 会 場 : 松尾公民館 講座室

  

講義概要

 日本各地の歴史的町並みを彩る町家建築の成り立ちと発展過程について、多数の事例を紹介しつつたどりました。

テーマ 日本の町家と町並み ―その地域性と普遍性 

第1講 「京都型町家と在地型町家-日本の中の京町家」

 町家の成立については、野口徹氏が提起した中世京都における街路に面した長屋住居を起源とする説が紹介されました。現在も確認できる伝統的な京町家は、平入の店舗併用住宅ですが、火災の影響で古い町家遺構は残っておらず、江戸時代初期の洛中洛外図屏風に描かれた町家とは違いがみられます。特に江戸時代初期の京町家は、「うだつ」と呼ばれる隣棟の屋根との間を区切る装置が発達していたと推測され、それは中山道や北国街道などの全国の宿場町の町並みに現在も確認できます。こうした京町家の全国への普及(京都型町家)と並行して、在地型というべき町家も存在し、近畿地方では八棟(やつむね)造りと呼ばれる、奈良県今井町の大型町家が有名です。構造形式の観点にたてば、京町家の系譜と在地型町家の系譜では、前者が通し柱を用いるのに対し、後者では通し柱を用いずに大梁を架構する構法を採用している点で、大きな違いがあり、後者は農家建築に類似した構法ということができます。

 

第2講 「店棟造り ―東日本の町家はどのようにできたのか

 京都型町家は、中部地方はもちろんのこと東北地方まで分布する普遍的なものですが、東日本には独自の町家形式も確認できます。江戸の城下町では、「塗家」あるいは土蔵造りとよばれる、分厚い土壁と漆喰で外壁の防火性能を向上させた町家が生まれ、川越などの関東地方の町並みが有名です。また、店棟造りと呼ばれる形式があり、店舗を主屋と別棟で建て、土間ではなく外通路を用いる点など、西日本の町家とは異なる空間構成を示しています。東北地方の村田や会津高田、長野県の小布施や須坂でこうした店棟造りの町家をみることができます。

 

関連ファイル

飯田アカデミア 第98講座 (PDFファイル/1.68MB)

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