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ニホンジカによる農林業被害が増えています

ページID:0097717 更新日:2022年8月8日更新 印刷ページ表示

ニホンジカの生息数が増加しています

 ニホンジカ(以下シカとする)は体長:100~160cm、体重:オス40~100kg メス40~70kg、オスにはツノ(角)があります。夏毛の白い斑点や大きな白い尻斑が特徴です。

 シカは群れで生活をしており、繁殖期を除き通常はオスの群れとメスの群れとに分れています。交尾期の秋にはオスは山に響き渡る特有の泣き声を発します。
メスは栄養条件が良ければ1年半程度で性的に成熟し、約220日の妊娠期間を経て毎年5~7月頃に1頭を出産します。オスの小鹿は母親とともに1から2歳までともに行動し、その後他のオスと群れを作ります。

 野生のシカは主にイネ科の草や木の葉、ドングリ、ササなどを食べていますが、一部の有毒植物を除きほとんどの植物を食べることができます。キノコも好んで食べます。
シカは反芻動物で、2から4時間ごとに食べては休んで反芻するということを繰り返し、昼夜を問わず活動をしています。

 シカの生息域は低山や里山の森林や草原であり、一般に「林縁の生活者」と呼ばれていますが、このことは農林業被害を起こしやすいことを物語っています。
近年、温暖化による暖冬や過疎化高齢化による人間活動の低下、ハンター人口の減少や肉の利用価値の問題による狩猟圧の低下などにより、シカの生息頭数は増えており、農林作物に深刻な被害をもたらしています。

シカが増えるとどうなるのか

森林破壊が進みます

シカが増えると、下草や樹木の若芽を食べつくしてしまうなど森林環境が衰退してしまいます。これにより、土砂災害の危険性が高まったり、他の動植物にとっての生育環境が悪化してしまったりします。

人の生活にも被害が出ます

シカが増えることで、人工林の皮剥き食害など林業への影響や、人里近くでは農作物食害、交通事故といった被害が出てきます。
またシカには「マダニ」が寄生しています。マダニはダニ類の中では大型で吸血性のダニです。人が噛まれると、さまざまな感染症を発症するおそれがあります。
特に危険なのは「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」で、現時点では有効な抗ウイルス薬はありません。
国立感染症研究所の最新の研究によると、日本のSFTS患者が一定の期間内に死亡する割合は約30%です。
ほかにも、「ヤマビル」もシカの分布拡大に伴って生息域が拡大しているといわれています。ヤマビルは人間の足首などから血を吸うので、登山者に被害などをもたらすことも考えられます。

マダニマダニ  ヤマビルヤマビル  吸血するヤマビルヒトから吸血するヤマビル

 

シカを増やさないために

・隠れ場所となるヤブを刈り払いましょう。
・野菜くず、廃果、収穫しない果樹、被害を受けた作物等の放置は、シカのエサとなり、集落内での無意識な餌付けにつながります。
・稲の落ち穂、二番穂、冬の青草は、餌が少ない時期のシカにとって貴重なエサとなり、シカを増やすことにつながります。
・シカを集落に寄せ付けないため、野菜くず等の適切な処理、不要な果樹の伐採、稲刈り後の耕起等を行って、集落内のシカのエサを減らしましょう。

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