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第5回飯田市地域史研究集会 内容紹介

ページID:0020390 更新日:2007年10月2日更新 印刷ページ表示

第5回飯田市地域史研究集会

 2007年8月24日~26日に開催した地域史研究集会には多くの皆さんにご参加いただきました。

ラウンドテーブル

ラウンドテーブル

セッション1 地域史の方法

報告 「近世の上飯田村を知る―課題と方法―」 多和田 雅保(研究員)
コメント 塚田 孝(大阪市立大学教授)

 近世の上飯田村は飯田城下町を取り囲んだ大村で、都市と農村の関係や、山林をめぐる諸関係が複雑に入り組んでいました。上飯田村を研究するためにいかなる課題設定をすればよいか、史料分析と聞き取りの成果をもとに報告しました。調査方法のあり方などに関して討論が行われました。

セッション2 学校と地域

報告 「村の小学校と地域―明治期座光寺の事例から―」 多和田 真理子(調査研究員)
コメント 塩沢 哲夫(座光寺小学校校長)

 明治初期の学校設置にあたって「学校世話役」などの役職に任命された人々と、その活動内容について報告しました。現在の座光寺地区の様子もふまえてのコメントがあり、地域の独自性をどう捉え分析していけばよいか等の点について活発な議論がなされました。

セッション3 生活世界と地域

報告 「聞き書きにみる飯田町の暮らし」 伊坪 俊雄(近現代史ゼミナール受講生)
コメント 大槻 守(兵庫県香寺町史編集室長)・町田 哲(客員研究員/鳴門教育大学准教授)

 歴研近現代史ゼミナールでは、長年飯田町で暮らしてきた方々から、生活史にまつわる聞き書き調査を継続的に行ってきました。その調査成果を飯田町研究にどのように活かし得るかについて、具体提起に報告しました。コメントで香寺町や和泉市の事例も交え、調査方法の特徴などに関して議論がなされました。

セッション4 地球規模化

報告 「人口移動からみた飯田下伊那の150年」 本島 和人(調査研究員)
コメント 南塚 信吾(法政大学教授・世界史研究所長)

 かつて海外に多くの移民を送り出し、現在では外国人労働者が多く居住する飯田下伊那の地域特性について、労働市場の変容過程に注目しながら報告しました。討論ではフロアを含めて多くの意見が出され、資本による地域社会の変容の問題などについて、実りある議論がなされました。

シンポジウム 地域の歴史をひらく

シンポジウム

 シンポジウムでは、東京大学名誉教授の板垣雄三さんに「組み換え自在の〈地域〉を生きる」を講演していただきました。私たちが将来進むべき道を模索していくなかで、地域というものをどのように捉えればよいかについて、中国の事例やイスラーム世界の事例を豊富に交えつつ、世界史的観点から具体的にお話ししていただきました。
 続いて原菫さんの報告「地研連の活動から―『伊那谷学』提唱と地域再発見―」では、伊那谷で活動を展開している様々な分野の地域研究団体が相互にネットワークを結んで「伊那谷学」を提唱するに至る経緯について、貴重なお話をしていただきました。最後に田中雅孝調査研究員によるコメントがありました。

研究報告会

 研究報告会では、歴史研究所や美術博物館、図書館のスタッフらが日々の研究成果を市民の皆さんに披露しました。地域の方や大学院生の方からも貴重な研究成果の発表があり、有意義な議論ができました。特に阿南町立富草小学校5年生の皆さんからは、「かじかの湯」にまつわる大変優れた報告がなされ、とても印象深いものでした。