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第10回飯田市地域史研究集会 内容紹介

ページID:0019387 更新日:2012年8月28日更新 印刷ページ表示

第10回飯田市地域史研究集会

学校と地域の過去から現在に学び、そして未来を考える

 2012年8月18日・19日に飯田信用金庫本店会議室において、第10回飯田市地域史研究集会が開催されました。本年度は「地域と歩む教育の歴史―飯田・下伊那の学びの場から―」をテーマとし、学校や地域の過去から現在に至るさまざまな学びの具体を取り上げながら、これからの学校教育、これからの地域のあり方を考え合う地域史研究集会となりました。充実した講演・研究報告と多数の参加者により、熱気あふれる2日間でした。

「地域と学校で創る学びの共同体」について講演する佐藤学さん 
「地域と学校で創る学びの共同体」について講演する佐藤学さん

特集「地域と歩む教育の歴史―飯田・下伊那の学びの場から―」

 1日目は田嶋一顧問研究員の趣旨説明のあと、学習院大学教授 佐藤学さんが、新潟県の小千谷小学校「振徳館」を取り上げ、地域社会とのかかわりや教育内容にふれ、全国に先駆け成立した学びの教育圏こそ、佐藤さんが進める「学びの共同体」の起源であると語られました。飯田市竜丘の木下陸奥さんは、大正期に花開いた竜丘の自由教育を支えたのは、地域で醸成された倫理観や宗教的情操であったと、さまざまな学びの実態にふれて話されました。
 2日目の午前は、調査研究員の多和田真理子さんが、大正期の自由教育の実践について、飯田尋常高等小学校(現在の追手町小学校・浜井場小学校)を取り上げ報告されました。飯田東中学校の田中清一さんは、豊富な史料を持つ飯田東中学校の実情や、自ら上村中学校で実践した総合的な学習の時間の実践をもとに、地域史研究への熱い思いと希望を語られました。お二人の報告を整理して時代の流れの中に位置づけられた冨田秦啓さんは、飯田西中学校の実践例を示しつつ、今後の地域と学校の在り方について、いくつかの角度から提言をしてくださいました。

研究報告をする田中清一さん 
研究報告をする田中清一さん

研究報告と関連展示

 2日目の午後は3つの研究報告が行われました。上郷小学校6年4組のみなさんと担任の伊藤豊さんは、総合的な学習で取り組んだ「上郷の昔探検」の学習成果を発表してくれました。鼎図書館の木下和子さんは、新聞記事に基づいて、緑ヶ丘中学校統合への歩みを跡付けてくれました。高森小学校の竹村雄二さんは、山本西平の金澤猪之彌を取り上げ、地域をまとめていく農村指導者の姿を描き出してくれました。会場では関連展示として、竜丘小学校の大正期児童自由画展示や飯田市美術博物館「子ども美術学校」児童作品などの展示がありました。
 2日間多くのみなさんが来場してくださり、充実した研究集会となりました。例年より教育関係のみなさんの参加が多く、今後本研究集会のテーマに沿った話題が、各学校や各地域、そして全国に広がることを期待したいと思います。

企画展示「大正期の児童自由画」
企画展示「大正期の児童自由画」