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認可地縁団体が所有する不動産の登記特例
認可地縁団体が所有する不動産に係る登記の特例について
認可地縁団体名義に変更しようとした不動産が、名義人が多数で相続登記がされていないなど登記義務者が判明しない場合は、所有権移転の登記が困難となります。
そのため、平成27年4月1日に施行された地方自治法の一部改正により、認可地縁団体が一定期間所有(占有)していた不動産であって、登記名義人やその相続人のすべてまたは一部の所在が知れない場合、一定の手続きを経ることで認可地縁団体へ所有権の移転登記ができるようにする特例制度が設けられました。
登記の特例を受けるための要件(地方自治法第260条の46第1項各号に掲げる事項)
次のすべての要件を満たし、かつそれを疎明する資料の提出が必要です。
※疎明:法的な手続きにおいて事実をある程度明らかにすることを指します。
(1) この認可地縁団体がこの不動産を所有していること
(2) この認可地縁団体がこの不動産を10年以上所有の意思を持って平穏かつ公然と占有していること
(3) この不動産の表題部所有者または所有権の登記名義人のすべてがこの認可地縁団体の構成員またはかつてこの認可地縁団体の構成員であった者であること
(4) この不動産の登記関係者の全部または一部の所在が知れないこと
登記までの主な手続きの流れ
登記までの主な手続きは以下のような流れになります。
(1) 申請事前準備
ア 地域自治振興課へ相談(必要書類の確認)
イ 申請予定不動産の所有者の把握
ウ 所在が判明している登記関係者から特例適用を申請することについて同意取得
(2) 総会の開催(議事録の作成)
ア 特例適用を申請する決議
イ 保有資産目録または保有予定資産目録に申請不動産の記載がない場合は、その不動産の所有に至った経緯についての決議
(3) 市へ公告の申請
[提出書類]
ア 所有不動産の登記移転等に係る公告申請書
イ 申請不動産の登記事項証明書(全部事項証明書)
ウ 保有資産目録または保有予定資産目録
エ 申請者が代表者であることを証する書類(代表者承諾書)
オ 地方自治法第260条の46第1項各号に掲げる事項を疎明する書類(※後述)
(4) 審査
申請要件について市で審査
(5) 公告
申請要件を満たしている場合は、市長による公告を行う(期間は3か月以上)
(6) 情報提供
公告に対して異議がなかった場合、登記関係者の承諾があったものとみなし、市は申請者に対して書面にて公告結果の情報提供
(7) 登記手続き
申請認可地縁団体は、情報提供の書面を含む必要書類を持って、法務局で登記
地方自治法第260条の46第1項各号に掲げる事項を疎明する書類
(1) この認可地縁団体がこの不動産を所有していること 及び
(2) この認可地縁団体がこの不動産を10年以上所有の意思を持って平穏かつ公然と占有していること
ア 申請不動産の所有または占有に係る事実が記載された認可地縁団体の事業報告書等
イ アのほか、
・公共料金の支払い領収書
・閉鎖登記簿の登記事項証明書または謄本
・旧土地台帳の写し
・固定資産税の納税証明書
・固定資産課税台帳の記載事項証明書 等
ウ イの資料が入手困難な場合、入手困難な理由書のほか、
・認可地縁団体が申請不動産を所有または占有していることについて、申請不動産の隣地の所有者の登記名義人や申請不動産の所在地に係る地域の実情に精通した者等の証言を記載した書面
・認可地縁団体による申請不動産の占有を証する写真 等
(3) この不動産の表題部所有者または所有権の登記名義人のすべてがこの認可地縁団体の構成員またはかつてこの認可地縁団体の構成員であった者であること
ア 次の書類
・認可地縁団体の構成員名簿
・市が保管する認可地縁団体台帳
・墓地の使用者名簿(申請不動産が墓地である場合)等
イ アの資料が入手困難な場合、入手困難な理由書のほか、
・申請不動産の表題部所有者または所有権の登記名義人のすべてが認可地縁団体の構成員または、かつてこの認可地縁団体の構成員であった者であることについて、申請不動産の所在地に係る精通者等の証言を記載した書面 等
(4) この不動産の登記関係者の全部または一部の所在が知れないこと
・登記記録上の住所の属する市区町村の長が、この市区町村に登記関係者の「住民票」及び「住民票の除票」が 存在しないことを証明した書面
・登記記録上の住所に宛てた登記関係者宛の配達証明書付き郵便が不到達であった旨を証明する書面
・申請不動産の所在地に係る精通者等が、登記関係者の現在の所在を知らない旨の証言を記載した書面
※ 登記関係者のうち少なくとも一人について、所在の確認を行った結果、所在が知れないことを疎明するに足りる資料を添付できればこの要件を満たすこととなる。
公告に対する異議申し立て
申請不動産の所有権移転等の登記をすることについて、異議のある登記関係者は、公告期間内に「申請不動産の登記移転等に係る異議提出書」と関係書類を提出し、異議申し立てを行うことができます。異議申し立てがあった場合、市は異議を述べた方に係る資格要件を確認し、認可地縁団体にその旨通知します。これにより公告を中止することになります。
その他
この特例制度は、認可地縁団体が所有する不動産について、その所有者の保存または移転の登記を認可地縁団体のみの申請により可能とするものです。不動産登記は対抗要件としての公示制度と位置づけられるものであり、この不動産の所有権の有無を確定させるものではありません。
なお、市の認可を受けていない地縁団体が、特例制度の対象となる不動産を所有している場合は、市の認可を受けて認可地縁団体を設立した後であれば、特例適用を申請できます。
問い合わせ先
名義人が多数で相続登記がされていない不動産を所有または今後所有する予定のある自治会の関係者の方は、
飯田市役所 市民協働環境部 地域自治振興課へお気軽にお問い合わせください。