わがまちの“憲法”を考える市民会議記録 第3・4回
わがまちの“憲法”を考える市民会議記録
会議内容
第3回 市民会議記録
日時 平成16年7月7日(水曜日) 午後7時から午後9時25分
場所 飯田市役所3階会議室
出席者 市民会議委員22人(2人欠席)、事務局3人 合計25人
会議の内容
協議事項に先立ち、福島委員から「真に市民のための条例案とするため」に「会議をすすめる上での申し合わせ(案)」が提案され、検討の結果、提案どおりに決定しました。
申し合わせの内容は、1誰でも自由に発言する、2納得の行くまで審議する、3発言に対して阻害しない、4反論には遠慮しない、5一回の会議時間を守るの5項目です。
続いて、議会議案検討委員会が昨年1年間にわたって行ってきた、飯田市の自治の研究内容を報告しました。
中島副座長から総括的な説明を行い、管沼委員から「飯田市の公民館活動の歩みと今後の課題、」について、伊壷幹事から「農業地域マネジメント事業」について、清水委員から「“ムトスの心でまちづくり”を市民活動から学ぶ」について、木下委員から「支所と自治会組織と目指す地域自治組織」について報告があり、その報告に対して質疑応答が行われました
柳坪委員:
飯田市の自治は高い評価を得ているということだが、他市と比較してどのような特徴があるのか。
中島委員:
環境自治体会議や人形劇フェスタなどに見られるように、行政主導で計画・運営するのではなく、市民による実行委員会方式で進め、行政はサポートする立場で関わっている。意識してやってきたのではなく、飯田市では気づかないうちにやっているということが多くある。
長谷部委員:
それぞれの活動について、どこをどう評価し、何が課題としてあるのか、どんな役割があって、どう受け止めたのか、何が原因かなどを整理していく必要がある。
高坂座長:
条例の骨子に結びつく形での論点整理は大変なこと。全員で進めるべきであると考える。
清水委員:
それぞれの事業の当初の目的をトータル的に忘れかけてきている。そうしたものを共通認識化していくことが必要であり、その共通言語となるものが自治基本条例であると考える。
宮下委員:
住民生活に関わるものは環境や福祉などまだまだある。そうしたものを同列に考え総体的に評価して、飯田市をとりまく背景を十分理解したうえで、全体的に判断すべき。市民参加についてはバックグランドができていない。できていれば議会制民主主義で足りるはず。
高坂座長:
地域自治組織についての深い議論はされていないようだが、自治基本条例との関係は避けては通れない。
管沼委員:
議会としての共通認識はないが、目指す条例が直接的に地域自治組織に関わっていくものではないと考えている。どう作っていくかが見えていない。直接関わってくるとなると既存の個別条例の再編が必要となる。
岡島委員:
地域自治組織はまだまだ詰めることがあり、条例制定の時期には間に合わないと思っている。考え方の元になるものではある。市民参加を条例の中で明確にしていけば、地域自治組織はそれを具体化していくことになっていくのではないか。
このあと、全体のスケジュール(案)について北沢幹事から提案説明があり、第8回までの日程及び内容と、全体会と分科会による会議の運営、10月下旬までに議長に対して「中間報告」を行うことを確認しました。
さらに、高坂座長より「市民会議は原則公開となっているので、ホームページや広報誌を活用して周知するほか、委員の皆さんも積極的に呼びかけてほしい。」との要望がありました。
第4回 市民会議記録
日時 平成16年7月21日(水曜日) 午後7時から午後9時00分
場所 飯田市役所3階会議室
出席者 市民会議委員18人(6人欠席)、事務局6人 合計24人
会議の内容
「飯田市の自治の検証-その2-」と題して、住民と各種団体、議会、行政との関わりについて、それぞれの担当者が話題提供のための説明を行い、その後意見交換を行いました。
(1)多様な市民(住民)像 話題提供者 高坂座長
(2)住民と団体活動
- 自治会について 話題提供者 宮下委員
- 学習・文化・スポーツについて 話題提供者 北沢幹事
- 福祉について 話題提供者 横前委員
(3)住民と議会 話題提供者 中島副議長
(4)住民と行政 話題提供者 宮下委員
(5)多治見市の地方分権講演会に参加して
村松委員:
市民・市長・議員・職員の4つの主体がそれぞれの役割を果たすことが必要であり、自治基本条例はそれぞれの活動の指標を示すバロメーターとなりうるものである。条例を「作る精神」が健全であるとともに「生かす精神」も健全でなくてはならない。条例を生かすためには議会の役割が大きい。多くの市民の参加を得て、飯田らしさを持った条例ができたらよいと思う。
長谷部委員:
No.1を作っても個性が失われるようなものでは駄目で、そこにしかないオンリー1を目指すべきだ。住民参加の前提は個の自立と考える。自立した個をどのようにして作っていくかが欠落してしまうと、形だけのものになってしまう。既成の条例を見直す必要がある。これからはどういう条例が必要であるか、欠落している条例を見極め、それを補っていくことが私たちの仕事と考える。
意見交換
高坂座長:
何故今自治基本条例なのかを問い続けてきたが、だんだんと方向付けがされつつあると思う。
宮下委員:
市民参加とは何か。組合に加入しない人たちをどうするのか。放っておくわけにもいかない。ここをはっきりさせないと条例には難しい。
高坂座長:
自治会、行政、議会のそれぞれに市民参加については考えがあると思うが、議会はどう考えるか。
中島副座長:
その地域においてきちんと責任を果たすことが参加であると考える。参加の方法はいろいろあり、どれが本当の参加であると決めつけることはできない。当たり前のことができなくなったために、あえて参加という言葉を使うようになったのではないか。
岡島委員:
権利と責任の認識が薄い。参加という形で責任を果たしてもらえるように手をさしのべている状態だ。加わって議論する過程が大切だ。いくらかでも責任を持ち、役割を感じてもらうことだ。
福島委員:
行政や議会に任せることに不満を持つようになった。住民の意識が変化してきている。単に任せておく時代ではなくなった所に重要な問題があり、従って条例が必要と考えられたのではないかと思っている。
長谷部委員:
「個のじりつ」の自りつは「自律」である。他から制約を受けない。呼ばれてくるのではなく、自ら進んで出ていく。そういう人を多く作ることが大切。数の多さでは通用しなくなってきた。
管沼委員:
住民の皆さんの意見を聴く方法として公募委員を選んだので、市民の声を代表する方たちという考えでいる。
高坂座長:
企画・立案の段階から加わることが真の参加と考えている。
福島委員:
事業の具体的な内容が出た途端に市民からの意見が出てくるような傾向が強くなった。その声を押し通すことができなくなってきた。
次回は8月4日(水曜日)に
- 「飯田市の自治の検証-その3-」 飯田市のこれまでの宣言・条例等
- 他の「自治基本条例に学ぶ」
- 条例の骨子(その1)
をテーマに開始されます。
条例の骨子については、分科会方式により検討することになっており、7月30日の「運営会議」でその構成を検討することになりました。