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阿弥陀寺木造阿弥陀如来坐像

ページID:0080896 印刷用ページを表示する 掲載日:2024年1月17日更新

阿弥陀寺木造阿弥陀如来坐像(あみだじもくぞうあみだにょらいざぞう) 1体

区 分:飯田市有形文化財(令和3年3月12日 指定)

所在地:丸山町2丁目6728番地 阿弥陀寺

所有者:阿弥陀寺

年 代:12世紀後半から13世紀前半(鎌倉時代初期)

規模等:像高43.4cm、ヒノキ一木割矧造(いちぼくわりはぎづくり ※1) 玉眼(ぎょくがん ※2) 漆箔

※1 一木割矧造:一本の木からある程度彫り出した仏像を木目に沿って割り、内刳りを施して再度矧ぎ合わせて仕上げる技法です。ひび割れやゆがみを少なくすることができます。

※2 玉眼:目の部分に水晶をはめ込む技法です。

あみだじもくぞうあみだにょらいざぞう

概 要:

本像は像高43.4cmを測る木造の阿弥陀如来坐像です。頭と体をヒノキの一材から彫り出し、内刳りを施し、三道(さんどう)下で頭部を割首(わりくび)(※3)して制作しています。指先や衣の一部などが後世に補修されています。

引き締まって量感のある体躯(たいく)、穏やかだが凛々しさを感じさせるお顔、全体に太く盛り上がる感じの濃い衣文(衲衣のひだ)が特徴的で、京都の円派(※4)系の仏師が制作したとみられます。

※3 割首:頭部と体部を切り離し、内刳りを行った後で再度接合する技法です。

※4 円派:平安時代中期から鎌倉時代にかけての仏師の一派です。定朝の弟子の長勢からはじまり、京都を中心に活動しました。円派の仏像は、定朝様式の柔らかさに力強さや大胆さを加えた作風となっています。

 

主な部位の名称:

あみだじもくぞうあみだにょらいざぞう おもなぶいのめいしょう

 

阿弥陀寺木造阿弥陀如来坐像」の価値:

(1)当地域において数少ない鎌倉時代初期の仏像の優品であること

   この仏像は、制作技法等から12世紀後半から13世紀前半(鎌倉時代初期)に作られたとみられます。また、穏やかなお顔と力強さを感じさせる衣のひだの表現などから、京都を中心に活動した円派系仏師の作風を見ることができます。当地域にあっては類例も少なく、鎌倉初期の都ぶりを伝える貴重な仏像です。

(2)当地域の仏像受容の水準や趣向を示す存在であること

市内の柏心寺には慶派(けいは)(※5)仏師による木造阿弥陀如来坐像(長野県宝)があります。阿弥陀寺と柏心寺は近世に入って開創された同じ宗派のお寺ですが、それぞれに慶派・円派による優作が伝来していることは、開創にあたって信仰の対象となる仏像を重視した仏像受容の水準の高さを伝える存在として重要です。

※5 慶派:平安時代末から江戸時代にかけての仏師の一派。定朝の孫の頼助からはじまり、奈良を中心に活動しました。慶派の仏像は、運慶・快慶に代表されるように、写実的で躍動感ある作風が特徴です。

参考:院派(いんぱ):定朝の孫と言われる院助から始まる平安時代後期から室町時代にかけての仏師の一派。京都を中心に活動した。院派の仏像は、定朝様式を守っている特徴があります。

 

 


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