風越山のベニマンサクの自生地
風越山のベニマンサクの自生地(かざこしやまのべにまんさくのじせいち) 1区画
区 分:長野県天然記念物(昭和43年5月16日指定)
所在地:飯田市上飯田
所有者:丸山享保会生産森林組合

概 要:
ベニマンサクはマンサク科の落葉低木で、マルバノキともいわれる日本の固有種です。葉が円く紅葉が美しいことが名前の由来とされ、秋に赤い花が咲き、紅葉と葉を同時にみることができます。
県内の伊那谷と木曽谷、本州の中部以西の福井・岐阜・愛知・広島・高知などに分布します。
飯田市には、風越山(かざこしやま 1535m)と、その前山である虚空蔵山(こくぞうさん 1130m)の、標高約1000~1500m付近に分布します。風越山のベニマンサクは、分布域の北東限にあたり、標高1100前後の高山に分布すること、隔離分布(※1)することに特徴があります。
※1 隔離分布:植物や動物などの分布が、大きく離れた場所にあることをいいます。もともとは同じグループであったものが、気候の変更などで分断されたものです。


秋に花が咲き、果実は翌年の秋に実を熟します。
10月の末頃に、標高1360m付近の展望台下できれいな紅葉を見ることができます。
ふうえつざん?かざこしやま?権現山?
山の名前は「ふうえつざん」ではなく、「かざこしやま」と呼ぶのが本来の呼称です。
もう一つ、権現山(ごんげんやま)との呼び方もあり、これは白山権現を祀っているからですが、特に山麓の地元の方が愛着を持って権現山といいます。
「かざこしやま」あるいは「権現山」が本来の呼称といえます。
見学・注意事項
虚空蔵山裏手までは標高差約500m、登り1時間前後、展望台までは標高差約700m、登り2.5時間前後の登山となります。
登山に適した服装・装備と行動が必要です。
アクセス
○駐車場あり(平成記念こどもの森公園駐車場 他)
○信南交通 市民バス大休線「砂払」または「西中入口」 徒歩15分(表参道入口まで)
○JR飯田線「飯田駅」 徒歩30分(押洞登山道入り口まで)
書籍等案内 ~白山社及び風越山をもっと知りたい方へ~
『平成16・17年度 白山社奥社保存修理工事報告書』 白山社奥社保存修理委員会・飯田市教育委員会
『かざこし山 ―風越山の自然と文化―』 伊那谷自然友の会・飯田市美術博物館
『風越山イラストマップ』 風越山を愛する会(外部リンク)(事務局:飯田市丸山公民館内)
いずれの図書も、飯田市立図書館(外部リンク)でもご覧いただけます。