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御祝棒

ページID:0053794 印刷用ページを表示する 掲載日:2024年1月16日更新

御祝棒(ごいわいぼう)

区 分:飯田市民俗文化財(平成10年11月27日 指定 ※上村指定

所在地:飯田市上村上町

概 要:

御祝い棒 2022年

前年に結婚した夫婦の家へ子どもたちが訪れ、子孫繁栄(しそんはんえい)を願い、男性を象(かだど)った棒で縁側を叩いて祝う行事です。

1月14日、どんど焼きの日の夜から翌明け方にかけて行われていましたが、現在は1月第2土曜日(※1)の夜に行われています。

※1 令和4(2022)年は1月8日(土曜日)の18時~19時30分、平成29(2017)年は1月8日(日曜日)の19時~20時に行われました。日程は上村自治振興センター(電話0260-36-2211 平日8時30分~17時15分)へお問い合わせください。

御祝い棒 2017年

行事に用いる「ゴイワイボウ」は、長さ60cm程度のクルミの木の棒に、鉋(かんな)の削りかけを束ねたもので、一本のクルミの木から作ります。現在は材が不足しているため、別に削ったものを集めて縛っています。クルミは材が軟らかくて削りやすく、多くの実が成ることから子宝の象徴でもあります。かつては子どもの参加者の家で用意しましたが、現在は自治会で用意しています。

神事 2022年

午後7時頃に霜月祭が行われる正八幡宮へ集まり、宮司により神事が行われます。

御祝い棒 2022年

午後8時頃に神社を出発し、提灯を先頭に、太鼓に合わせて「参ったー、参ったー、御祝棒には参ったー、まい」と唄いながら町外(※2)を巡ります。「参った」は降参の意味ではなく、お越しになられた・参られた、の意味です。その後へっつい(※3)に中学生男子が篭(こ)もり、15日の未明3時頃、一番鶏(いちばんどり)が鳴くのを合図に町内(※2)を3周します(※4)

1巡目に中学生がまわるとその歌声を合図にその他の子どもも集まり、2巡目には全員が集合して3巡目に新婚家庭を訪問したといいます(※4)

ごいわいぼう 2022年

訪問を受ける家では座敷を開け、新婚夫婦が最前列に、その後ろに親・親戚・隣近所の人が座ります。子どもたちは一列になり、座敷の上り口をゴイワイボウで叩き祝福します。座敷の上り口に傷がつくので、現在は代わりに用意された木材やコンテナを叩きます。棒を振り下ろして叩いていますが、突くように叩くのが本来だといわれています。カマドでご飯を炊(た)いていた頃は、落ちた木端を新妻が焚(た)きつけにしたといいます。

子どもは訪問した家からお礼として金一封(きんいっぷう)とみかんなどを受け取り、全員で分けます。

ごいわいぼう 2022年

新婚家庭の訪問が終わると、神社へ戻り、拝殿(はいでん ※5)の上り口を叩いて終わります。

かつては上村のどこの地区でも行われていたといい、男子中心の行事でした。現在では上町のみで行われており、女子も参加しています。

  • ※2 町内・町外:上村川右岸の向橋(自治振興センター前)から上村橋(小学校前)までの間の、旧上町宿を町内といい、それ以外の上村上町地籍を町外といっています。
  • ※3 へっつい:上町正八幡宮では拝殿の向かって左横にあり、祭の食事を用意する部屋です。
  • ※4 平成29年は該当家庭がなかったため神社で叩いて終了しました。
  • ※5 拝殿:本殿の前にあり、参拝など行なう場所です。

交通アクセス

中央自動車道飯田ICより車で60分

書籍等案内

『遠山谷北部の民俗』 飯田市美術博物館 2009

動画:【本編】信州上村の伝統芸能 中郷獅子舞 御祝い棒 事の神送り 正調絵島 下栗の掛け踊り(外部リンク)(一般社団法人 地域創造) 


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