カモシカ
カモシカ(かもしか) 1種
区 分:特別天然記念物(昭和30年2月15日国指定)(※1)
所在地:長野県他29都府県
概 要:
国内でカモシカというと、通常日本の固有種(※2)であるニホンカモシカのことをいい、本州・四国・九州の山地に生息しています。
日本唯一の野生のウシ科の動物で、シカではなく、ヤギやウシに近い種類です。シカと大きな違いは角に見ることができ、シカは角が毎年生え変わるのに対し、カモシカはウシと同じく角が生え変わることなく、成長します。
カモシカからヤギやウシ、シカが分かれたため、原始的な形態を残しており、氷河期(※3)の生き残りといわれています。
伊那谷では、中央アルプス、南アルプス、伊那山地、三河高原などの山地に広く生息し、林道や登山道で見かけることもありますが、好奇心が強く、人から逃げないこともしばしばあります。
古くから毛皮・肉・角が人に利用されており、一時期数が減りましたが保護政策によって回復しました。
一方、広葉樹林の伐採と植林地の増加とともに、ヒノキなどの幼木を食い荒らす食害が問題となっています。そのため、特別天然記念物に指定されているにもかかわらず、有害鳥獣として個体数を定めた駆除が行なわれています。
しかし、一度の出産で1頭しか生まず、死亡率も高いため、一度数が減ると簡単に回復しない動物です。
※1 これより先、大正10年に国から天然記念物に指定され、保護されています。
※2 固有種:その国やその地域にしか生息しない動植物です。
※3 氷河期:1万数千年以上前、気候が寒冷になり、南極や北極や高山以外でも氷河が発達した時代です。
見学・注意事項
飯田市立動物園(外部リンク)(飯田市扇町33)で見学することができます。