鬼神面
ページID:0069792 印刷用ページを表示する 掲載日:2024年1月17日更新
鬼神面(きしんめん) 1面
区 分:飯田市有形文化財(平成18年10月18日 飯田市指定)
所在地:飯田市南信濃和田1192 遠山郷土館 和田城
所有者:南信濃木沢 青龍寺
時 代:南北朝時代から室町時代初期
規模等:縦21.8cm×横17.2cm 桐製
概 要:
顔幅は広く、ハの字に下げた眉の下に眼球が飛び出し、口を大きく開けています。髪は少し盛り上げて頭頂で分けており、二本の角を突き出しています。目に金泥(きんでい ※1)、口唇に朱が残ります。裏面は上半部のみ深く抉り、下半部は楕円形の穴により口の奥部と接続しています。両側辺には二対の紐穴があけられています。
以上の造形からみて、般若面が成立する以前の南北朝時代から室町時代初期の作と推測され、蛇面ともいえ、県内屈指の古面といえます。
本面は青龍寺に伝えられたもので、寺院の追儺(ついな ※2)行事に使われたものと考えられます。なお青龍寺は、慶長10年(1605)に南信濃和田の龍淵寺の末寺として創建されたと伝えられますが、その歴史は必ずしも明らかでなく、古寺があった可能性もあります。
※1 金泥:金を粉末状にして接着剤と混ぜた高級な塗料です。
※2 追儺:節分や大晦日・正月に、疫をもたらす鬼を追い払う行事です。
見学
参考文献
『神々の訪れ 天竜川流域の芸能の面』 飯田市美術博物館 1996