鬼神面
ページID:0069793 印刷用ページを表示する 掲載日:2024年1月17日更新
鬼神面(きしんめん) 1面
区 分:飯田市有形文化財(平成18年10月18日 飯田市指定)
所在地:飯田市追手町2丁目655-7 飯田市美術博物館
所有者:松尾 鳩ヶ嶺八幡宮
時 代:鎌倉時代から安土桃山時代
規模等:縦24.6cm×横19.8cm 木製
概 要:
眉の上に角状の突起が7本あり、丸い目と、先端がつぶれた大きな鼻をもち、口の上下に牙がのぞきます。頬と顎に三角波を刻み、頭部には植毛の痕跡を残しています。全体に荒彫りで黒色をしており、重量感があります。材質は重い広葉樹です。
本面は鎌倉時代から安土桃山時代の作とみられ、明治の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく ※1)まで鳩ヶ嶺八幡宮に付属した神宮寺(※2)において、追儺(ついな ※3)行事ないしは修正会(しゅしょうえ ※4)に使用された可能性があり、中世に遡る古面として、神宮寺の数少ない遺物として貴重です。
※1 廃仏毀釈:明治初年(1868)の神仏分離令そのものは仏教施設の破壊を指示するものではありませんが、各地で仏教施設の破壊が横行しました。
※2 神宮寺:神社に付属して建てられた寺院をいいます。明治以前は神道と仏教が融合した状態で、神社で読経が行われたりしていました。喬木村阿島安養寺の毘沙門堂は、鳩ヶ嶺八幡宮の神宮寺の護摩堂を移築したものです。
※3 追儺:節分や大晦日に、疫をもたらす鬼を追い払う行事です。
※4 修正会:仏教寺院で1月に行われる国家安泰や五穀豊穣を願う行事で、追儺が行われます。
見 学
参考文献
『神々の訪れ 天竜川流域の芸能の面』 飯田市美術博物館 1996