ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
お知らせ
指定文化財等の紹介
文化財関連施設
埋蔵文化財(遺跡)の手続き等
指定文化財の管理・手続き等
リンク集1 (飯田市教育委員会等)
リンク集2 (文化財の紹介・見学・研究等)

ライチョウ

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年10月15日更新

ライチョウ(らいちょう) 1種

区 分:特別天然記念物(昭和30年2月15日 国指定)(※1)

所在地:長野県・静岡県・山梨県・岐阜県・富山県・新潟県

3

概 要:

南アルプス(赤石山脈)をはじめ、本州中部の高山帯(※2)に生息する、キジの仲間(キジ目ライチョウ科)の鳥です。世界各地に生息していますが、本州中部の亜種(あしゅ ※3)ニホンライチョウは日本の固有種(※4)です。

大きさはハトよりわずかに大きい位、冬は純白、夏は褐色の羽毛で覆われ、オスは黒く目の上に赤色の肉冠(にくかん ※5)があります。寒冷な気候を好み、氷河期(※6)に日本列島へ南下しましたが、現在は中部地方の高山帯にとり残されました。森林限界(※2)のハイマツ(※7)の分布域に生息し、高山植物や虫などを食べています。

天敵、あるいは暑さを避けて、霧や雷雨のときに活動することから、「らいの鳥」(※8)と呼ばれ、加賀藩(石川県)などでは神の使いとして保護されてきたといいます。

日本国内では約3,000羽、南アルプスでは約700羽が生息していると推定されていますが、環境変化に弱く、絶滅が心配されています。

かつては中央アルプス(木曽山脈)にもいましたが、1960年代に絶滅したといわれ、南アルプスでも数の減少が指摘されています。原因は諸説(※9)ありますが、登山道から外れて踏み荒らさない、ゴミはすべて持ち帰る、等といった基本的な登山のマナーを守ることが、ライチョウの生息環境を保護することに繋がります。

※1 これより先、大正10年に国から天然記念物に指定され、保護されてきています。

※2 高山帯・森林限界:高木(高さが5m以上になる木)が生息できなくなる標高をいい、飯田市周辺では標高およそ2500mより上になります。

※3 亜種:同じ生物ですが、生息環境やなどの違いによって、わずかな特徴の違いがみられるものです。

※4 固有種:その国やその地域にしか生息しない動植物です。

※5 肉冠:鶏冠(とさか)のことです。

※6 氷河期:気候が寒冷になり、南極や北極や高山以外でも氷河が発達した時代です。

※7 ハイマツ:漢字では這い松と書かれ、1~2mの這うように広がるマツです。

※8 上伊那では江戸時代「岩鳥」と呼ばれていたようです。

※9 人間が持ち込んだ病原菌や、生ごみに引き寄せられたキツネやカラス、増殖するシカやサルとの生存競争などが指摘されています。

ここに注目!二ホンライチョウの特徴

南アルプスのライチョウは世界最南端のライチョウです。

ライチョウは世界各地の寒冷地にいますが、ニホンライチョウは分布の南限に位置します。その中でも南アルプスのイザルガ岳周辺が分布の南限にあたります。

日本のライチョウは人をあまり恐れず逃げません。

これは、日本人がライチョウを狩猟の対象としてこなかったことによるものといわれています。盛夏には、登山道を横切るライチョウの親子が登山客を和ましてくれます。

ライチョウは日本で唯一、一年中高山にとどまる一夫一妻の鳥類です。

繁殖期には直径300mほどの縄張りをもちます。冬季には亜高山帯に降りてきますが、季節によって別の地域へ渡ることはありません。

年に3回、換羽(かんう ※)します。

※ 換羽:成長や時期により古い羽が落ちて新しい羽に替わることをいいます。繁殖の前後の年2回の換羽が一般的です。

冬羽(11~4月頃) 全身白色
繁殖羽(4~7・9月頃) オス:黒色 メス:褐色 

 オスは4月頃、メスは5月頃から換羽が始まり、5月頃に完全に夏毛といわれる色変わります。

秋羽(7~10月頃) 褐色 

 オスはヒナが巣立った7月から、繁殖中のメスは8月頃から秋羽に換羽を開始します。

ライチョウの一生

ライチョウは6月に5個前後の卵を産み、3週間ほどで孵(かえ)ります。その後巣を離れ、メス親によって育てられ、9月から10月には成鳥とほぼ同じ大きさになります。

翌年からは繁殖活動を開始しし、長い個体では10~11歳生きます。

約2万年前にユーラシア大陸から入ってきました。

二ホンライチョウの祖先は、今よりも気温がずっ低く、氷河が発達した氷河時代にユーラシア大陸から日本列島に移動してきました。その後、気温の温暖化により極地へ帰るか、日本の高山帯に取り残されました。

遺伝子の分析によれば、その後、頚城山塊(くびきさんかい ※)・北アルプスとその周辺・南アルプスの3集団に大きく分かれ、頚城山塊の集団が北アルプス系統と南アルプス系統の中間に分かれたと考えられています。

なお、本州の中部山岳地方と環境が類似する北海道にはライチョウの亜種が存在しておらず、この原因は不明です。

※ 新潟県糸魚川市・妙高市に所在する2400m級火打山・焼山を主峰とする山域です。

長野県をはじめ、岐阜県・富山県の県鳥となっています

見学・注意事項

南アルプスへは、飯田市側からは通常一泊以上を要する本格的な登山となります。

また、通行止めもありますので、事前に交通情報の確認が必要です。

アクセス

遠山郷観光協会(外部リンク)のHPでご確認下さい。

書籍等案内 ~南アルプスをもっと知りたい方へ~

南アルプスの山旅-地形・地質観察ガイド-(外部リンク) (飯田市美術博物館のHPです)

『南アルプスの山旅-地形・地質観察ガイド-』 飯田市美術博物館

いずれの図書も、飯田市立図書館(外部リンク)でもご覧いただけます。