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2つの短甲(古墳時代のよろい)が新たに展示に加わりました

ページID:0110982 印刷用ページを表示する 掲載日:2023年12月26日更新

2つの短甲(古墳時代のよろい)が新たに展示に加わりました

座光寺地区エス・バード近くの新井原7号古墳、石行2号古墳から出土した短甲(古墳時代のよろい)は、市民の方から飯田市へご寄贈いただいた後、飯田市考古博物館で保管してきました。

このたび専門機関による修復が完了し、晴れて考古博物館の展示に加わることになりました。

去る10月29日(日曜日)には初公開を記念し、古墳時代の甲冑研究者である吉村和昭先生(奈良県立橿原考古学研究所)を招いた講演会「よみがえった鉄のよろい 〜短甲にみる飯田の古墳時代〜」を開催。多くの市民の方にご来館いただきました。
除幕直後
除幕後
講演中
新しく展示に加わった短甲は、現在、専用展示ケースの中に収められており、360度あらゆる方向からじっくり見ていただくことができます。ぜひ一度、見学にいらしてください。
短甲展示現況
右側が新井原7号古墳、左側が石行2号古墳から出土した短甲です。

続いて、2つの短甲の特徴を少しだけ紹介します。

石行2号古墳出土三角板鋲留短甲

石行2号古墳出土短甲
三角形の鉄板を29枚も使用した、非常に手間をかけて製作された短甲です。
鉄板をつなぐっための鋲(びょう、リベット)の直径は小さく、使用される鋲数が非常に多いことが特徴です。
以上の特徴は、それまで革の紐でとじあわせていた短甲の製作にリベット留めの技法が導入されたばかりの段階にあたり、古墳時代中期の比較的早い時期(5世紀初頭〜中ごろ)に製作されたと考えられます。
この頃には飯田では古墳の築造が突如として活発化し、大陸から日本列島に導入されたばかりの「馬」の骨や、馬を操るための馬具も出土するようになることから、きわめて重要な時期にあたります。
短甲の持ち主は馬の飼育や管理を担うため、飯田にやってきた人だったのかもしれません。
なお、石行2号古墳は、現在もこんもりとした墳丘を現地にとどめています。

新井原7号古墳出土三角板横矧板併用鋲留短甲

新井原7号古墳出土三角板横矧板併用鋲留短甲
正面には横長の鉄板を、背面には三角形の鉄板をそれぞれ使い分けた珍しい短甲です。
石行2号古墳の短甲よりも鉄板の枚数が少なくおさえられています。一方、鋲は大きくなり、鋲数も少なくなっています。
以上の特徴から、石行2号古墳の短甲よりも1世代ほど新しい段階(5世紀中ごろから後半)に製作されたと考えられます。その理由は、全体的に製作の省力化が進んでいるためです。
この時期にはヤマト王権がさらに多くの有力者たちに短甲を与えるようになり、短甲を効率的にたくさん製作する必要がでてきました。
そのため、鉄板の枚数や鋲の数を減らすことで、手間を減らし、大量生産を可能にしたのです。
しかし、それでも短甲はヤマト王権と関係が深い、一部の限られた有力者だけが身にまとうことができた高級品であり続けました。
この短甲は、石行2号古墳の次の世代の権力者が引き続き座光寺を治めていたことを示す貴重な資料といえます。