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下伊那のかけ踊

ページID:0058246 印刷用ページを表示する 掲載日:2024年1月17日更新

下伊那のかけ踊(しもいなのかけおどり)

区 分:記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財(平成11年12月3日 国選択)

所在地:飯田市上村下栗 他

概 要:

境内

掛け踊りは踊り芸能の古い形態のもので、室町時代から江戸時代初期に流行したといわれています。

町や集落などの共同体間で踊りを掛け合うもので、集落から集落へ日を追って踊り継いでいき、厄神(やくがみ)を踊りによって囃(はや)したて村境から送り出すものと、踊りを掛けられたら縁起が悪いとして逆に踊り返すものがあります。

またこれとは別に、音頭と踊り子の歌文句の掛け合いで進行する踊りも掛け踊りという場合があります。

下伊那において掛け踊りとは、踊り衆が行列をなして他の場所へ練り込むもので、災厄や祖霊(それい ※1)等を送り出すという点に特色があります。 盆踊り、念仏踊り、虫送りなどと結びついており、掛け踊り、榑木(くれき ※2)踊り、念仏踊りなどと呼ばれています。送り行事としての特色を持っており、盆踊りの形態と変遷(へんせん)を考える上においても貴重な民俗資料といえ、三遠南信地方に濃く分布しています。

地区によって内容は異なりますが、神仏や新仏供養の旗を掲げ、主に浴衣姿で笠をかぶり、太鼓や鉦(かね)を主な楽器として踊ります。

飯田市では上村下栗で8月15日に行われており、飯田市無形文化財に指定されています。市外では阿南町和合、天龍村大河内、坂部、向方、平岡、中井侍、泰阜村温田で行われています。

※1 祖霊:祖先の霊をいい、ホトケサマ、ご先祖さまなどともいわれます。死者は生前の行ないによって極楽や地獄の世界へ生まれ変わると説かれる仏教観に対し、祖霊は子孫のそばにあって守り繁栄をもたらす神様として崇(あが)められています。

※2 榑木:ヒノキやサワラから採られた建築材で、屋根や壁の板に用いられました。江戸時代、山地の多い伊那谷では、米ではなく榑木で年貢を納める村が多くあり、天竜川で流して浜松へ送り、江戸などに運ばれました。榑木踊りは、年貢を納めることができたことを祝うお祭りといわれています。

交通アクセス(下栗まで)

○中央自動車道飯田ICより車で1時間30分

○落石によるパンクやガス欠にご注意下さい。

○狭い道は、譲り合いして下さい。

関連サイト・書籍案内

『「下伊那のかけ踊」調査報告書 平成二十一年度文化庁「変容の危機にある無形の民俗文化財の記録作成の推進事業」』 文化庁 2010

『遠山谷北部の民俗』 飯田市美術博物館 2009

飯田市立図書館(外部リンク)でご覧いただけます。


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