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鳩ヶ嶺八幡宮随神門

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年4月23日更新

鳩ヶ嶺八幡宮随神門(はとがみねはちまんぐうずいじんもん) 1棟

区 分:飯田市有形文化財(平成20年3月25日 市指定) 

所在地:飯田市八幡町1999

所有者:鳩ヶ嶺八幡宮

時 代:江戸時代

構 造:三間一戸(さんげんいっこ ※1)八脚門(やつあしもん ※2)、切妻造(きりつまづくり ※3)、銅板葺(もとは檜葺)

規 模:桁行(けたゆき ※4)3間(けん ※5)梁間(はりま ※4)2間

※1 三間一戸:門の規模を表すもので、間口が三間で、中央間を戸口としたものをいいます。

※2 八脚門:門の種類を表すもので、4本の本柱の前後に控柱を1本づつ配置し(合計8本)、本柱と控え柱の間に切妻造りの屋根を乗せた門をいいます。

※3 切妻造:本を伏せたような三角形の屋根を切妻といいます。

※4 桁行・梁間:本を伏せたような三角形の屋根(切妻)の場合、背表紙にあたる屋根の平な尾根(棟)と同じ方向が桁行、三角形にみえる方向が梁間です。

※5 間:建物の柱と柱のあいだのことをいい、建物の規模をいう時に用いられます。1間は約1.82mが現在一般的ですが、建物や場所によっても異なります。

随神門

概 要

鳩ヶ嶺八幡宮の随神門は、享保6年(1721)に飯田藩第5代堀藩主の寄進により建立されたと伝えられている平屋造の八脚門です。

門全体が弁柄(べんがら ※6)や胡紛などで塗装彩色されていて、垂(たるき ※7)や軒・破風(はふ ※8)は黒漆塗り(現在は松煙(しょうえん ※9)・オルステイン等)としています。

三間一戸で、中央の通路を挟んだ両側の間にそれぞれ神像を安置しています。

zuijinnmonnsyoumenn

 

外回りの柱は角柱で、中央の二本の柱は礎盤(そばん ※10)付きの円柱であり、軒は上下二段(二軒)の疎垂木(まばらたるき ※11)です。

正面の柱間にはそれぞれ蟇股(かえるまた ※12)を配置してあります。中央の蟇股は白竜の透かし彫りが、両脇の蟇股には法輪(ほうりん ※13)の浮彫が施されています。

zuijinnmonnnoki 整然と並ぶ軒と柱間の蟇股

zuijinnmonnkaerumata 中央の蟇股

木鼻(きばな ※14)には霊獣である白象の彫刻が施されています。

zuijinnmonnkibana 木鼻の白象

懸魚(げぎょ ※15)はかぶら懸魚で、鰭(ひれ ※16)には牡丹が、桁隠し(けたかくし ※17)は菊の花と葉の彫刻がそれぞれ施されています。

zuijinnmonnyokokara 側面から見た様子

 

平成19年(2007)に、失われていた象鼻の修復や塗装改修などの修理工事が行われ、現在の美しい姿に生まれ変わりました。

 

※6 弁柄:インドのベンガルが語源となる、赤色顔料のことです。

※7 垂木:棟から軒に渡して、屋根板を支えるためのものです。

※8 破風:屋根切妻の合掌型の板のことです。

※9 松煙:松などを不完全燃焼させて作った煤で、黒色顔料としてインク等に用いられます。

※10 礎盤:柱の下の土台となる石のことです。

※11 疎垂木:垂木の並べ方の一種で、疎垂木はやや広めに垂木と垂木間隔をあけた並べ方です。

※12 蟇股:社寺建築に用いられる部材の一つです。下方が広がる形はカエルが足を広げた姿によく似ています。

※13 法輪:仏教用語の一つです。釈迦の教えが一か所にとどまることなく、人々の迷いや悪を打ち払っていくことを、古代インドの車輪の形をした武器に例えています。

※14 木鼻:木端の意味で、頭貫などの横木が柱を貫通して突出した部分のことです。ここに雲や植物の蔓の絵様が施されるようになり、後に象や獅子などの霊獣の形へと発展していきました。

※15 懸魚:切妻造りの頂点(三角形)に取り付ける建築部材一つです。風雨にさらされる場所であるとともに、遠くからでも目に付く場所であるため、「構造」と「飾り」の工夫が凝らされており、見どころの一つです。

※16 鰭:懸魚の左右にある彫刻のことです。

※17 桁隠し:切妻屋根において、桁の端(小口)を隠すために取り付ける化粧板のことです。

 

特徴

彩色

随神門でまず目を引くのは、門全体が弁柄や胡紛を用いて鮮やかに彩色されている点であり、これは、江戸時代中期までの建築の特徴です。

江戸時代後期以降になると白木での建築が主流となり、彫刻も立体的で精密なものが多く取り付けられるようになっていきます。

大瓶束の結綿の形式

大瓶束とは、虹梁の中央に立てる瓶を逆さにしたような形(下に行くほど細くなる)の円柱のことであり、結綿とは、虹梁と大瓶束の接合部のことです。

この門の結綿は蓮の花のような彫刻化した形式です。

yuiwata 中央の緑に彩色された部分が結綿です。

この形式は延宝6年(1678)に建てられた桐林八幡宮本殿(桐林)や、文永寺勅使門・客殿・二天門(下久堅、文書から享保年間(1716~1736)の造営と判明している)の大瓶束にも確認できます。

しかし、享保14年(1731)に建立された文永寺の阿弥陀堂には用いられていないので、享保年間が下限の形式だと考えられます。

 

これらの構造の特徴から、鳩ヶ嶺八幡宮の随神門は享保年間の建築であると考えられ、蟇股の絵様や結綿の形式はこの時代の手法をよく示していることになります。

見学・アクセス

見学について

・見学は自由ですが、神社の行事等都合に配慮してください。

アクセス

・JR飯田線 伊那八幡駅から徒歩6分

・神社に駐車場あり

 

 関連情報~もっと知りたい方へ~

参考書籍

『社寺建築を読み解く』 相原 文哉著、長野県神社庁協力、2012年

『日本建築辞彙〔新訂〕』 中村 達太郎著、2011年

『下伊那史』第5巻 下伊那教育会編、1967年

・・・飯田市立図書館(外部リンク)でご覧いただけます

周辺の文化財

木造誉田別尊坐像―重要文化財(国) ※非公開
鳩ヶ嶺八幡宮本殿―飯田市有形文化財 
八幡の道標―飯田市史跡