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経蔵寺山門

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年12月22日更新

経蔵寺山門(きょうぞうじさんもん) 1棟

区 分:飯田市有形文化財(平成6年2月18日 市指定) 

     重要美術品(昭和24年5月28日 国認定)

所在地:飯田市上郷別府1768

所有者:経蔵寺

時 代:桃山時代

構 造:一間薬医門(いっけんやくいもん ※1・2)、切妻造(きりつまづくり ※3)、桟瓦葺(さんがわらぶき ※4)

規 模:桁行(けたゆき ※5)3.00m、梁間(はりま ※5)2.68m

※1 間:建物の柱と柱のあいだのことをいい、建物の規模をいう時に用いられます。1間は約1.82mが現在一般的ですが、建物や場所によっても異なります。

※2 薬医門:門の種類を表すもので、2本の本柱の後に控柱を1本づつ配置し(合計4本)、本柱と控え柱の間に切妻造りの屋根を乗せた門をいいます。

※3 切妻造:本を伏せたような三角形の屋根を切妻といいます。

※4 桟瓦:「~」形をした一般的な波形の瓦のことです。

※5 本を伏せたような三角形の屋根(切妻)の場合、背表紙にあたる屋根の平な尾根(棟)と同じ方向が桁行、三角形にみえる方向が梁間です。

外観

概 要

飯田城の桜丸(さくらのまる ※6)の門として建立され、宝暦年間(1751~1764)に赤門が建てられるにあたり、飯田藩の家老安富(やすとみ)家の屋敷に移築されました。明治4年(1871)に飯田藩が廃藩となり、飯田城の城門などが払い下げられた際、旧上郷村の斉藤氏が買い受けましたが、大正3年(1914)頃に旧上郷村の吉川氏が買い受け、経蔵寺へ寄付し、山門(※7)となりました。

飯田城の数少ない建築遺構で、安土桃山時代(※8)の作風をよく伝えています。

※6 桜丸:現在の長野県飯田合同庁舎が建つあたりをいい、江戸時代初期の城主脇坂安元が桜を多く植えたため名付けられたといいます。

※7 山門:仏教寺院の正門をいいます。

※8 安土桃山時代:織田信長と豊臣秀吉が中央政権を握っていた時代のことで、二人の頭文字をとって織豊時代ともいいますが、始まりと終わりについては諸説あります。文化・芸術の面からは、豊臣秀頼が滅ぶ慶長20年(1615)までをいいます。

きりつま

懸魚(げぎょ ※9)は中央に一つ下げられている拝懸魚(おがみげぎょ ※9)で、上部には六弁花の彫刻が施され、両側にのびやかな鰭(ひれ)がついています。

※9 懸魚・拝懸魚:懸魚とは切妻(※3)の部分にある装飾された板をいい、三角形の頂点にある部分を拝懸魚といいます。

かしらぬき

本柱と頭貫(かしらぬき ※10)が太く、板蟇股(いたかえるまた ※11)も大きく見事なものです。

※10 頭貫:柱を連結する横木を貫といい、上部を連結する貫を頭貫といいます。

※11 板蟇股:梁(はり)や頭貫の上に置かれる、カエルが股を開いたような形をした部材を蟇股といい、板蟇股は一つの木で作られてくり抜かれていないものをいいます。

 

かなぐ

扉の八双金具(はっそうかなぐ ※12)は細長く直線的なデザインで、曲線が多く末広がりな江戸時代のものとは異なっています。

乳金具(ちちかなぐ ※13)は比較的丸みが乏しく、隆起の少ないものです。

※12 八双金具:門扉や板戸などに付ける先端が二又に分かれた金具で、板の割れを防いでいます。

※13 乳金具:乳房のような丸い形の金具で押さえ、これに打ち込んだ釘で物を連結する金具のことで、乳鋲ともいいます。

飯田城の数少ない建築遺構

飯田城は明治維新の後に徹底的に破壊されてしまったため、残されている遺構は多くありません。

二の丸の御門(旧飯田城の八間門)、桜丸の御門(赤門・経蔵寺山門)、桜丸西門(雲彩寺山門)、馬場調練場の門(脇坂門)が残されているだけで、いずれも文化財に指定されています。

飯田城の歴史

飯田城は、室町時代に当地の豪族坂西(ばんざい)氏が築城したのが始まりといわれ、武田氏や徳川氏、豊臣氏ら戦国大名によって、伊那谷支配の拠点として整備されました。特に、現在の飯田城の形を造ったのは、豊臣家臣の毛利秀頼・京極高知らによる整備といわれています。

くわしくは、飯田城の歴史をご覧ください

見 学

お寺の行事の妨げにならないようご配慮をお願いします。境内へ立ち入る場合は、お寺へ声をかけて下さい。

交通・アクセス

○JR飯田線「下山村」駅 徒歩16分、「伊那上郷」駅 徒歩20分

○信南交通 市内循環線「加賀沢橋」「城東」 徒歩8分

 書籍等案内 ~もっと知りたい方へ~

『飯田城ガイドブック -飯田城と城下町を探ろう-』 飯田市美術博物館 2005

飯田市立図書館(外部リンク)でご覧いただけます